2021年4月16日金曜日

フランスで日本の餃子(GYOZA)が浸透し始めた!

  

フランスの大手チェーンのスーパーマーケットに堂々と並ぶ冷凍餃子


 フランスでは、ここ数年、大の日本食ブームで、このパンデミックの影響で、レストランの営業がままならないものの、今やお寿司は、フランスのどこのスーパーマーケットでも見られるようになり、日本食といえば、まずは、お寿司を思い浮かべるフランス人が多いと思います。

 パリには、だいたい、どこの街にも日本食レストランがあり、(とはいっても、その多くは中国人経営のなんちゃってお寿司をさらにフランス人の好みにアレンジしたようなものがメニューに並んでいますが・・)、お寿司の他に天ぷらや焼き鳥なども用意されています。

 そんな中国人経営のお寿司屋さんも生き残りが大変なのか?そのメニューのバリエーションが拡大し、当初は、お寿司だけだったお店のメニューには、焼き鳥などに混ざって餃子が登場するようになりました。 

中国人経営の日本食屋さんのメニュー 08が餃子

 以前から、フランス人でもパリにあるラーメン屋さん(昼食時などには、長蛇の列ができています)に行ったことがある人などは、「餃子大好き!」などという話を聞いたことがありましたが、餃子がフランスに広まり始めたのは、この中国人経営のお寿司屋さんが餃子を扱い始めたことによると私は、思っています。

 以前からも、日本食料品店、アジア食料品店などに行けば、味の素(AJINOMOTO)の冷凍餃子などは、買うことができましたが、ここのところ、ごくごく普通のカーフールなどのフランスの大手スーパーマーケットチェーンなどでも、どこへ行っても、冷凍餃子(味の素が多い)が置いてあるようになりました。

 そして、最近、日本食に力を入れているのが、ありありとわかるフランスの冷凍食品メーカー「PICARD(ピカール)」などにも自社製品の餃子が登場しています。(どこか妙な感じのするものではありますが・・)

 それにつれて、他のメーカー(おそらく日本のメーカーではない中国のメーカーなど)の冷凍餃子もスーパーマーケットで見かけられるようになり、先日、いつもはあまり行かない地域に他の用事で出かけた時に、たまには、違うスーパーマーケットも覗いて見ようと足を運んだところ、冷凍餃子のスペースの大きさにビックリしたのです。

 フランスのごくごく一般的なスーパーマーケットにこれほどのスペースを取るほど、冷凍餃子が売れているのだろうか?と・・。

 もともと餃子と言えば、中国発祥の食べ物、しかし、フランスでは、日本の焼き餃子は今や日本食の一つと言える地位を獲得しつつあります。5〜6年前は、中華のテイクアウトのようなお店には、日本の餃子と思われるもの(焼き餃子)が売られていましたが、それは、ラビオリ・シノワという名前でした。

 最近は、同じものが、ラビオリ・ジャポネになっています。

 そして、今やそのラビオリ・ジャポネは、本来のGYOZAという呼び名で浸透しつつあり、フランスのトップ シェフ(シェフが次々と登場して創作料理を披露するフランスの人気料理番組)などを見ていると、GYOZAという言葉は、SUSHIのように、かなりフランス語として、定着しつつあるな・・と感じます。

 フランスで売られている味の素の冷凍餃子などは、さすがにフランスで売るために、普通の餃子の他に「鶏肉餃子」や「野菜餃子」など宗教対応、ベジタリアン対応がされていて、たいていそれらが同時に売られています。

 しかし、この冷凍餃子を不器用なフランス人が上手に焼くことができるのだろうか?と多いに疑問でしたが、フランスのお料理サイト(日本のクックパッドのようなもの)を覗いてみると、「餃子を作った!」という写真がいくつも投稿されていて、「まあまあ、こんなもんかな・・?」と思うものから、「これ、わざわざ投稿する??」と思われるものまで、なかなか面白いです。

これ、わざわざ投稿する??と思った一枚

              

 とはいえ、フランスでの冷凍餃子のお値段は、8個入りで5ユーロ(約650円)程度とちょっと高め、たくさん食べたいと思うと自分で作ることになり・・となると、ニラや餃子の皮などは、やはり、どこでも買えるというものでもなく、我が家はニラをベランダで栽培しています。

 ニラは、一度、しっかり根付いてくれれば、5年くらいは、切っても切っても生えてくるので、ニラが育つと、我が家は餃子。皮を買いにアジア食料品店に行くのも面倒で、皮も自分で作ります。

 とはいえ、少々、高いことを除けば、いつでも餃子が食べられるようになったフランスの餃子勢力拡大とGYOZAの浸透は、在仏日本人としては、嬉しいことです。


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2021年4月15日木曜日

コビット・トラッカー Covid Tracker ワクチン接種の空き状況が確認・予約できるサイトを作ったのは、政府とは無関係の24歳の青年


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 今、コロナウィルス感染拡大が止まらないフランスで、唯一と言っていいほどの希望の星は、ワクチン接種ができるだけ、スムーズに迅速に進んでいくことに違いありません。

 そして、そのワクチン接種の予約がどれだけ取りにくい状態であるかは、私が個人的に聞いただけでも、「相当の人が、いくら電話をしても繋がらない・・」とか、「繋がっても予約が取れない・・」とか、「ワクチンが届かない・・」など、相当数の人がワクチン接種を待っている状態です。

 一方では、ワクチンは保存方法が容易ではなく、しかも、ワクチン自体が1本で10回分の接種分となっているため、キリよくワクチンを使い切ることが難しく、ワクチンを無駄にしないために、思いがけずに、優先順位とされている順番を遥かに飛び越えて、ワクチン接種が受けられたりするという、チグハグな状況が続いています。

 現在のフランスは、もう本当に切羽詰まった感染状況ゆえ、また、ワクチンが予定どおりに届かないという事情もあるため、一回分のワクチンも、無駄にできない状況です。

 そんな状況の中、ここのところ、大注目のワクチン予約の空き状況を確認して、瞬時にワクチンの予約ができるサイト「コビット・トラッカー」が大活躍しています。自分の住んでいる地域を選ぶだけで、瞬時に、今、その地域で予約できるワクチンの数と接種場所、時間が出てきて、すぐに予約をすることができます。

 試しに、私も自分の住んでいる地域を入力してみると、「現在、予約可能な数は、82、最短で5月17日の13時20分に○○のワクチン接種センターで予約ができます。」と情報が出てきて、その隣には、クリックすれば、予約がすぐに取れるようにできています。

 現在の段階で、5月17日とは、かなり先ではありますが、まるで先が見えずに不安な日々を過ごすよりは、少しでも早く、予約が取れることは、大きな安心でもあります。

 そして、このサイトを立ち上げたのは、政府とは無関係の若干24歳のギヨーム・ロジエというコンピューター工学学校に通う青年で、彼は、このサイトのきっかけになった状況を振り返って語っています。

 「昨年3月にイタリアで、感染拡大が認められた時に私たちは、それを遠くから見るだけでした。」そんな状況をもどかしく思った彼は、ジョンズホプキンス大学のデータを使用して、フランスとイタリアの症例数を示すグラフを作成しました。そして、フランスもイタリアと同じ傾向をたどっていましたが、約10日遅れていることに気付きました。 最初は、単に彼の好奇心から、コロナウィルスの感染状況を監視するサイトを立ち上げたのです。

 その後、彼は、そのデータグラフを家族、友人、同僚と共有し始め、周囲の人から、常にそれを更新するように頼まれ、彼の好奇心は、多くの人から期待を寄せられるようになり、彼はいつしか使命感を感じるようになり、ウェブページを作成。 

 そして、すべての予想に反して、数日でそのサイトには約20,000人の訪問者が訪れました。 需要は急激に拡大したため、彼は、実際のサイトを作成し、自分の名前よりも魅力的な名前とロゴを付け、コビット・トラッカー(CovidTracker)が誕生しました。

 そのデータは、フランスのみならず、世界の感染状況が簡単に確認できるようになっており、また、フランスの地域別の情報も得ることができ、現在のワクチン予約が可能なサイトにまで成長したのです。

 彼は、昨年の6月に一旦、感染がおさまりかけた段階で、サイトを閉じようとしましたが、多くのユーザーの要望で、このサイトは続行、さらにこのサイトを利用して、更なる有効性を試み続けた結果が現在のワクチン予約システムの導入です。

 この予約システムのサイト自体は、「Vite Ma Dose」という別のサイトではありますが、個ビット・トラッカーから簡単に飛べるようにできています。

 同様のサイトは、フランス政府でも世界の他の国でも多く作られていますが、現在、フランスでは、ワクチン接種の予約状況を確認し、簡単に予約できるサイトとして、大きく利用されています。

 現在は政府のサイトにさえ、このコビット・トラッカーは掲載されています。

 「感染がおさまらないのは、政府のせいだ!」というフランス人が多い中、政府にばかり頼らずに自らの手で必要なものを作ってしまう若者がいることに、混迷するフランスの現在に明るい光がさすような気持ちになるのでした。



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2021年4月14日水曜日

コロナ禍の娘のパリの国立病院の研究所でのスタージュ(インターンシップ)

 

  

 我が家の娘は、昨年、秋から日本の国立大学の大学院に留学する予定にしていましたが、ドタキャンになり、今年の春に延期したものの、結局、2度目のキャンセル、昨年の秋の段階では、本当に飛行機のチケットも買って、出発の目前でのドタキャンだったために、突然とぽっかりと空いてしまったその期間のフランスでのスタージュ(インターンシップ)を見つけるだけでも大変なことでした。

 2回目のキャンセルは、一度、痛い目に合っているために、煮え切らない返事しか戻って来ない日本の大学に早々にある程度は、見切りをつけ(こちらのグランドエコールと日本の大学の人が間に入っているため、直接、交渉ができないために余計に話が進まない)、また、前回のようなギリギリで違うスタージュを探す羽目にならないように、日本留学と同時進行で、彼女は、自宅から通えるパリでのスタージュも探していました。

 結局、最終的な返事はないまま、パリでのスタージュが決まって、4月から彼女は、パリの国立病院併設の研究所でスタージュを開始しました。このパンデミックの中、彼女は慎重にロックダウンになったとしても、リモートワークが可能な研究所を探し当てていたのですが、彼女が仕事を開始するその日から、パリは、3回目のロックダウンが強化になり、学校も閉鎖される絶妙なタイミング。

 彼女は、図らずも3回目のロックダウンが開始されたその日にパリに戻り、そして、今日から仕事という日にロックダウン強化という節目節目にピッタリ合わさるようになっているのが不思議です。

 学校だけではなく、仕事をしている人もできるだけリモートワークに切り替えてくださいという政府の方針から、「恐らく、リモートワークになるだろうけど、とにかく最初は、行かなくちゃいけないから・・」と出かけていったのですが、結局、彼女の仕事はリモートワークにはなりませんでした。

 仕事場が病院内ではないものの、病院に併設された研究所ということで、感染の危険もあるかも・・と、心配していたのですが、研究所内の人は、全てワクチン接種済み、彼女自身もワクチン接種を受ける権利をもらったのでした。

 ワクチン接種は、彼女が働いている病院ではやっていないため、別の病院にワクチン接種に行くのですが、今のところ、何度、電話を入れても予約が取れない状態で、すぐには、ワクチン接種はできそうもありません。

 しかし、今、フランスで、病院以外で全員がワクチン接種済みという職場もなかなかないことで、その上、年齢から行くと、(20代前半)ワクチン接種は、一番、後回しになりそうな彼女がスタージュのおかげでワクチン接種を受ける目処が立ったことは、思わぬ幸運なことでした。

 家にいても、救急車のサイレンが頻繁に聞こえてくるフランスなので、病院では、さぞかし、サイレンが1日中、鳴り続けていると思いきや、意外にもそうではないとのこと。それもそのはず、その病院には、もう空いている病床がないということなのです。(パリを含むイル・ド・フランスの集中治療室の占拠率は154.9%(4月13日現在))

 それはそれで、恐ろしいことです。

 彼女は、その研究所でその病院の医学部の教授の事務所で、研究の助手(データ管理など)をしています。彼女が進路について、考え始めた頃、彼女が理系の道に進もうと決意し始めた頃から訪れ始めた頃から彼女自身にも現れ始めた理系の人々独特の兆候の集団にどっぷりと浸かり始めた彼女の新しい生活が始まりました。

 ある日、夜7時になっても帰って来ない(夜間外出禁止で19時までに帰宅しなければならない)娘に「どうしたの?心配したよ!」と言ったら、「医者には、夜間外出禁止はないから、遅い時間になって、会議を始めたから・・」と。

 彼女(彼女自身は医者ではないので)が、「夜間外出禁止があるから、時間を考慮してください」と言って、初めて、夜間外出禁止に気が付くという浮世離れぶり、全然、悪気はないのですが、やっぱり、一般人とは、違うんだな・・と思わせられた彼女の新しい職場でした。

 悪気は全くないのに思わぬところで、とてもトンチンカンな理系の人にありがちなエピソードがこれからチョクチョク、聞けるかと思うと、私はちょっと楽しみです。しかし、彼女自身がすでにそのお仲間の一人・・彼女がその彼らの不思議な行動に気が付かない可能性もあります。

 とはいえ、前回のスタージュと違って、彼女の希望に近い職場が見つかって、その上、ワクチンまでできて、よかったな・・と少しホッとしていますが、彼女自身は、もう今年の秋からの次の学校への試験やスタージュ先を探す次から次へとなかなか忙しい娘です。

 しかし、フランス政府のコロナウィルスによる経済被害対策の一環として、加えられたスタージュ等の採用をすると、企業側が税金の控除を受けられるなどの対策のため、スターじゅの求人は、昨年よりも増えているようで、少しは余裕を持って探せる状態になっているようです。

 この時期、進路も色々と計画どおりには、ならなかったり、就職も大変だったりする人も多いと思いますが、諦めずに頑張っていって欲しいと思っています。


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2021年4月13日火曜日

パリ16区で起こった銃撃事件で1名死亡、1名重症の衝撃



 昨日、私が、パリ16区で起こった銃撃事件を最初に知ったのは、日本大使館からの一報でした。「報道によりますと、12日午後1時40分頃、パリ市16区アンリデュナン病院(ミケランジュ通り)の前で、銃撃事件が発生し、1人が死亡、1人が重症とのことです。犯人は、スクーターで逃走中とのことであり、邦人の皆様におかれましては、以上を念頭に外出は十分ご注意下さい」という内容のメールでした。

 このメールが届いたのは、この事件が起こった約2時間後の15時35分で、1日中ニュースを注意して見ているわけではない者にとっては、貴重なお知らせでした。

 パリ16区といえば、東京で言えば、田園調布のような高級住宅街で有名な場所、日頃、治安が決して悪くない場所で、銃撃事件が起こるということは、かなり衝撃的なことです。

 今年の3月にも、パリ16区の高校(Lycée Jean de la fontaine)前で、数十名が関与するグループ間の乱闘から3人が負傷し、1人が刺されるという事件が起こっています。

 この高校が公立高校でありながら、日本語セクションがあり、正課で日本語が学べる高校であることから、その存在を知っていただけに私にとっても、ショックはことさら大きなものでした。

 しかし、今回は、単なる暴力事件ではなく、銃が使われた犯罪で、その恐ろしさは、ひとしおです。

 目撃者の証言によると、犯人の男は、被害者の頭のかなり至近距離で数発の弾丸を発射して、かなり落ち着いた様子で、そのまま何事もなかったように去り、スクーターに乗って逃走したそうです。

 頭を至近距離で撃たれた男性は、死亡、そばにいた病院警備にあたっていた女性は、重症を負っていますが、この死亡した男性とは無関係の女性だそうです。

 この事件が発生した前の病院は私立で、赤十字が運営しており、予防接種センターとして機能している病院の前で起こったことから、ワクチン接種等へのテロ行為であることも疑われていましたが、パリ16区の市長は、この事件は、病院に対する反抗や無差別テロ行為ではないことを発表、被害者がこれまで何度も標的として狙われてきた経緯などから、犯人と見られる男は、1時間以内に以前から警察がマークしていた33歳の男であると特定、即時に指名手配されています。

 パリ検察庁は、これを組織的なプロのグループによる殺人事件、殺人未遂事件として、捜査を開始しています。

   

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 今年に入ってからも、パリでは1月に15区で14歳の少年に対する集団襲撃事件、2月に17区で日本人に対する塩酸襲撃事件」、3月に16区でグループによる乱闘事件など、パリの治安の悪化が叫ばれ続けてきました。

 今回は、再びパリ16区、よりによって16区で銃撃事件まで起こるとは、さらなる治安の悪化の象徴的な出来事である気がしてなりません。

 とはいえ、16区は、富裕層が多いこともあり、かつての日本大使の家族が路上で車に乗っていたところを強盗に襲われたなどという事件もあり、狙いうちされる危険は、少なくない場所でもあるのかもしれません。


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2021年4月12日月曜日

パリの闇営業レストラン、捜査強化を受けて続々、発覚・検挙

 


 先日のパリ・中心部にある「パレ・ビビエンヌ」での超高級レストランの闇営業事件がM6(フランスの民放テレビ局)によるスクープで暴かれて、大騒動になって以来、パリ、イル・ド・フランス地域の闇営業レストランの警戒と捜査が強化され、続々とパリの闇営業レストランが発覚しています。

 この闇営業レストランの捜査には、通常、街をパトロールしている制服に身を包んだ警察官とは別に、UPA(行政警察ユニット)、いわゆる私服警察官も多く動員されています。

 残念なことに、この捜査の強化により、パリ市内及びイル・ド・フランス地域では、続々と闇営業レストランが検挙され始めました。

 中でも、先週末、金曜日の夜には、パリ19区のレストランの闇営業夕食会の最中に地方警備局(DSPAP)の警察官が突入し、110人以上もの顧客が集まっていた夕食会が検挙されました。


 

 警察は、110人以上の顧客に対して罰金を課すとともに、この夕食会の主催者とレストランのオーナーの二人を闇営業と多くの人の命を危険に晒したという理由で逮捕しています。

 また、パリ2区をパトロールしていた警官が、シャッターは閉められているものの、レストラン内に顧客がいることに気付き、レストラン内に突入しようとしたものの、彼らは警察の介入、捜査を拒否し、警察を攻撃し始めたため、警察は、援軍を呼び、大掛かりな警察突入劇に発展し、警察を攻撃した人を含めたレストランのオーナー、主催者5人が逮捕、拘留され、現場の顧客30人に対して罰金が課せられました。

 特に、超高級レストランの闇営業が問題視されたことで、これまで口をつぐんで来た、知ってはいたけれど黙認してきた闇営業レストラン近隣の地域住民からの通報が後を絶たず、このような闇営業レストランが次から次へと(この他にも、パリ12区、13区、18区なども・・)検挙され始めています。

 しかし、このレストランの闇営業問題の突破口を開いた超高級レストランの闇営業に対しての捜査は、この超高級食事会の主催者であるピエールジャン・シャランソン氏は、当初は、「エイプリルフールのジョークだった」とか、「民主主義社会の中、やりたいことをやっているだけ・・」とか、「あれは、企業が会場の下見をするためのもの・・」など、言っていることが、二転三転していたものの、結局は食事会であったことがバレて、警察からの呼び出しに弁護士同伴で応じたものの、「警察の事情聴取は、緩いインタビューを受けているような丁寧なものであった・・」などと、富裕層・特権階級ならではの特別な扱いを警察からも受けたことを吹聴し、今度は、入れ替わり立ち替わり証言者が表れて、「しかし、あれは、私邸、プライベートスペースであり、レストラン営業ではない」という弁明を毎日のように続けています。

 ただでさえ、映像で流された超豪華で、しかも全くソーシャルディスタンスなどのコロナの予防対策は全く無視された、きらびやかな食事会の様子は、一般庶民の大反発を呼び、上流階級への反感も合間って、ヒートアップしています。

 しかし、それが贅沢な食事会であろうと、一般庶民の食事会であろうと、今のフランスのコロナウィルスの感染状況では、とても許されるものではないのです。

 ましてや、現在は、子供の学校まで閉鎖状態。子供が充分な教育を受けられない状況で、大の大人が隠れて行っている夕食会は、許し難いものです。

 ましてや、上層階級の人がお金と権力で、今回のスキャンダルを封じ込めることができてしまえば、それこそ、警察・法治国家の在り方までもが問われる大きなデモや暴動にまで発展してしまう危険もフランスには、あることを忘れてはなりません。

 コロナウィルスは、人を差別せずに全ての人に感染します。警察、国家権力も貧富の差別なく、平等に対処してもらいたいものです。

 内務省によると、「昨年、10月30日から7,345軒のレストランがチェックされ、約300軒のレストランが検挙され、1,000人以上の顧客に罰金が科せられた」とのことです。

 これでは、フランスの感染は、減るわけはないです。


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2021年4月11日日曜日

大寒波によるワイン農家の被害とカーフールのワインフェア

    

   

 4月に入ってから、大寒波に襲われたフランスのブルゴーニュなどのワイン農家は、作物の大部分を失うという大惨事に見舞われています。葡萄の小さなつぼみが全てタバコのように茶色になり、触るとカサカサと音がするような壊滅状態にワイン農家は、必死の対応に追われ、多額の対策費を投じるも、その被害状況は、壊滅的です。

 これまで、30年に一度と言われていたワインの生産地での、この被害が、今年に入ってからだけでも、3回もマイナス5℃以下の気温に見舞われているそうで、政府は、農業災害に対する補償の活性化を求められています。

 フランスのワインといえば、フランスの文化とも言えるフランスの農産物の代表格であるひとつ。国がかりでの支援は、必須です。

 ただでさえ、ここのところ、若者のワイン離れが叫ばれ、ワインの売り上げが低下している中、この新型コロナウィルスによるパンデミックにより、フランスのレストランは昨年の3月以来、まともに営業できた期間の方が短いくらい、レストランの営業停止は、ワインの売り上げに大きく影響します。

 また、人との集まりやアルコールの販売なども時間制限、人数制限がされていることもあり、ますます売り上げ減少に拍車をかけられています。 

  


 そんな中、先週、近所にあるカーフールに買い物に行ったところ、いつもは、年に一度、秋頃に行われるワインフェアを今頃、やっており(ロックダウン中とはいえ、なかなか良く売れていました・・)、そういえば、少し前にワインフェアの招待状と割引券が来ていたことを思い出し、その日は、下見だけして、カタログをチェックして、割引券を持って、後日、出直して、ワインを箱買いしてきました。




 以前は、ザルと言われるほど、お酒が大好きだった私も、最近は、あまり飲むことも減ったのですが、それでも染み付いた酒飲みの習性は、たくさん並べられた酒瓶、酒樽、積み上げてあるワインの木箱などを目にすると、なんだか自分の内側からムクムクと湧き上がってくるものがあり、なんだか一人でウキウキと嬉しくなってしまうのです。


 

 とはいえ、私は、特にワインが大好きというわけではなく、詳しいわけでもないのですが、フランスでは、ワインが圧倒的にコスパがよく、別にコレクションをしているわけでもないのに、毎年、良さそうなワインを買い貯めていたものが、もう相当数あり、最近は、たまにお料理によっては、ワインが飲みたくなったり、友人が家に来て一緒に食事をするときぐらいしかワインは開けないので、あまりストックも減らなくなり、そうそう、もういらないかも・・と思っていたにもかかわらず、このワインフェアのワインの瓶や木箱が積み上げられている様子に思わず興奮して、ついつい買わずにはいられないのです。

 ワインフェアに行くと、熱心なワインファンと思われるおじさま方に混ざって、ワインフェアのために、現地からワインを売りに来ている恰幅の良いおじさまなどに教えて頂きながら、ワインを選ぶのは、なかなか楽しいものなのです。

 最近は、高級なワインではなく、お手頃価格のワインの中から、思わぬ掘り出し物を見つけることが楽しくなり、失敗しても、お料理に使っても惜しくはない程度のワインに照準を合わせています。

 日本に一時帰国した際に日本でワインを飲むことは、まずないので、(せっかくだから、日本に行った時には、日本酒や焼酎などを飲みます)日本でのワインの価格がよくわかりませんが、本当にお手頃価格のものばかり、今年は、26本(3箱プラス2本)買いました。

 私は、個人的には、ボルドーの赤が好きなのですが、娘が白ワインが好きだというので、「そんなに高くなくて、辛口で美味しいもの」と言って、お店のおじさんに紹介していただいたのがこちら↓↓↓です。


     
      4.5 €と 8.5 €(600円〜1,100円程度)とお手頃価格のものです。


 そして、私が今回、買った赤ワインは、2020年パリ農業コンクール、リヨンインターナショナルコンクールで金賞を受賞したというボルドーのワイン、なんと一本 2.64 €(約300円)でした。(箱買い価格)↓↓↓
          
金賞メダルの二つ付いたワイン・・ワインのボトルって美しい・・


 まだ、味見はしていませんが、ワインを飲むには、チーズが欲しい・・今度は、お気に入りのチーズ(コンテ18ヶ月)を買って来よう!と思っている次第です。

 この値段ならば、もしも今ひとつであったとしても、お料理用に使っても全然OK!です。
私は、お料理にも結構、ワインを使います。和食を作る際にも、特に日本酒やみりんなどが手に入りづらく、高いので、白ワイン+お砂糖少々で、代用することが多いです。

 今は、旅行にも行けず、レストランにも行けず、ワインを買うくらいの楽しみしかないので、ワインくらい、箱買いしてもいいよね・・。安いし・・。

 ワインを箱買いするときは、フランスにいてよかった・・と思うひとときなのです。


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2021年4月10日土曜日

イル・ド・フランスの集中治療室の占拠率150%突破 医療崩壊と実世界のギャップ

  


 今週の木曜日は、久しぶりに政府の記者会見もなく、今週のフランスには、コロナウィルス感染対策に関する大きな変化はありませんでした。

 結局のところ、イースターの週末までは、ギリギリ国内の長距離移動も認められていて、フランスにとっての3回目のロックダウンが実質的に始まったのは、今週に入ってからのこと、まだ、その効果を期待するのは、時期尚早であるとしか言いようがありません。

 今回のロックダウンは、学校のバカンス期間に重ねての学校閉鎖(バカンス+リモート授業)と数種類の店舗が営業禁止になったものの、街中に、まるで緊張感はなく、晴天も合間って、すこぶる平和な光景。

 しかし、街中で見える平和な光景とはうらはらに、イル・ド・フランス(パリを中心とした地域)の集中治療室の占拠率は、とうとう150.5%にまで達し、フランス全体でも113.8%までに上昇しています。

 医療に関しては、全くの素人の私は、集中治療室が150%超えの状態ということは、どういうことなのか、わかりませんが、恐らく、他の病室の患者を移動させて、器材を揃えて、仮の集中治療室として使っているのだと推察しますが、これでは、コロナウィルスだけでなく、他の病気の人も助かる命が助からなくなっている状態で、これが医療崩壊ということではないかと思っています。

 手術の予定等を組み直しているという話は、聞いていましたが、ここまで集中治療室の占拠状態が膨れ上がれば、そうそう手術の予定をずらせる患者ばかりのはずもなく、加えて緊急を要する患者は、どうなっているのでしょうか?

 長引く、制限下の生活に、こんな深刻な数字にも、国民は鈍感になり、(ある程度は、鈍感でなければ、精神的に参ってしまうのもわからないではありませんが・・)ロックダウンがどんどん、その言葉の重みを失っている気がします。

 つい先日、パリの超高級レストランの闇営業のスクープが大スキャンダルになったばかりですが、これに続いて、昨日は、サン・トゥアン(セーヌ・サン・ドニ地域圏=イル・ド・フランス)の闇営業レストランが摘発されました。

 先日の超高級・闇営業レストランの摘発により、警察の警戒が厳しくなっている結果とも言えますが、昨日、摘発されたサン・トゥアンのレストラン(こちらは、庶民的なレストランでしたが・・)は、警察が突入した時には、店内には、62人もの客がおり、ソーシャルディスタンスもまるでなし、食事中ということでマスクもなしの大繁盛状態だったそうで、いかに危機感がないかが、伝わってきます。

 セーヌ・サン・ドニは、イル・ド・フランスの中でも、最も感染状態が深刻な地域。子供たちが学校へ行けない状態になっているというのに、ここまで他人事でいられる大人が情けないとしか言いようがありません。

 この日のこのレストランの客は、62人全員、135ユーロの罰金を課せられました。

 一方、先日の超高級・闇営業レストランの主催者とシェフは、弁護士同伴で、警察の事情聴取に応じているようですが、「これは、あくまで私的な空間での集まりであり、レストランではない」と主張しているようです。

 しかし、昨年の10月末にレストランの営業停止が再開して以来、招待状などから、少なくとも15回の食事会が開催されていたことがわかっており、それぞれのメニューには、決して少なくない金額が記載されており、場所はどこであろうと商売であることには変わりありません。

 恐らく、闇営業は、これだけではなく、想像以上に存在しているのではないかと思っています。

「あくまでも学校閉鎖は最終手段、その前にやれることは全てやる!」と頑張っていたフランス政府ですが、これらの闇営業のレストランの摘発は、その前にやれることの一つであったに違いありません。

 昨年末にもパリには、昼時になると、超満員になるレストランが今でもあるという話が聞こえてきたりしていましたが、警察も見て見ぬふりをしていると言われていました。

 将来のある子供の学校生活を犠牲にしても続けられている闇営業のレストラン、今からでもせいぜい、力を入れて摘発してほしいと思っています。

 子供たちに大してだけでなく、真面目に営業停止のままで、ずっと耐えている同業のレストランのオーナーに対しても、酷すぎる話です。


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