
ここ1ヶ月ほどで、コロナウィルスが急激に感染拡大しているフランス、もはや、一部では、コロナウィルスの話題は、流行遅れ・・とでも言いたげな風潮もあります。「いつまで、コロナウィルスのニュースを一喜一憂して見ているのか?・・」「まあ、頑張ってみてれば・・」みたいな感じです。 新規感染者が1万人〜2万人といっても、もはや、その数字に慣れてしまったのか? まるで、その驚異的な数字がほとんど彼らには、響いていないことを街の人の様子に感じます。 一体、どこからそんな、余裕が生まれるのか? 余裕と言うよりは、現実から目を逸らしたいのかもしれません。 バーやジムが閉鎖されたとはいえ、マスク着用が義務化されているだけで、ほぼほぼ、普通の生活を送ることができていることから、緊張感がまるで感じられません。(マスク着用の取り締まりもほとんど見かけることはありません・・次々と他に起こる凶悪事件などで、警察もそれほど暇ではないのです) 検査数も拡大され、検査の陽性率が11%を超えたとはいえ、その11%の人々には、症状のない人も多く、陽性者の隔離生活が徹底されておらず、「マスクさえしていれば、いいでしょ!」とばかりに検査で陽性になった人も普通に外出している例が少なくありません。 これでは、何のための検査なのか?わけがわかりません。フランスで感染が拡大するのも当然です。マスクを嫌悪しているくせに、マスクさえしていれば、それで全てが解決するかのような安直なご都合主義には、閉口してしまいます。 マスクさえしていれば、外出してよい・・と自分で判断して、そのとおりに行動してしまうところが怖いところですが、これには、フランス人の仕事に対する認識の仕方にも起因していると思われます。 例えば、フランスでは、学校の先生の仕事は、学校で勉強を教えること、それ以外の私生活の指導などは、しません。学校を一歩出れば、あとは、生徒が何をしようと先生は知ったことではない・・と言うのが、フランス人の仕事に対する認識です。つまり、フランスには、金八先生は、いないのです。 生徒にも掃除当番や給食当番なるものもなく、学校の掃除には、掃除の人がおり、学校のキャンティーンには、給仕の人がいるので、生徒が掃除をしたり、食事を配ったりすることもありません。 それと同じように、検査機関の人は、検査をして、検査結果を通知しますが、その結果によって陽性となった人に対しても、その後の生活に関する特別な指導はしないのです。検査機関の仕事は、検査をして、結果を通知するまでなのです。 陽性者の隔離生活を管理、指導するのであれば、それは、また別の人の仕事で、検査機関の関知することではないということです。検査後の陽性者の管理が今のフランスのコロナウィルス対策には、抜けているのです。 普通の仕事をしていても、フランス人はよく、「それは私の仕事ではない」と言います。ですから、余計な仕事を抱え込むことはありません。 せっかく検査をしているのに、これではザルで水をすくうような状態で、マスクさえしていればいいと、陽性になった人も街を出歩いているのです。 現在、海外在住者の多くが、日本に一時帰国するのを断念しているのは、日本に入国後、公共交通機関を利用することもできず、その上、2週間の隔離生活を強いられることから、滞在予定プラス2週間の予定を取らなければならないことを考えると、二の足を踏んでしまうのです。 たとえ、検査で陽性にならなくとも海外から入国した人は、外出できない日本と比べたら、陽性になっても大腕を振って普通に外出するフランスのコロナ対策は、ザルです。 夏の間と比べるとコロナウィルスが活発に動き、一度付着したコロナウィルスが生存する期間も長くなっています。 CSILO(Commonwealth...