2022年12月20日火曜日

フランスサッカーチーム帰国後のコンコルド広場の盛り上がりは多分、歴史的な出来事

  サッカーワールドカップでフランスチームが優勝したら、シャンゼリゼで凱旋パレードを行うつもりにしていたようですが、残念なことにギリギリのところで優勝を逃してしまい、選手たちは、想像以上に悲嘆にくれていたようで、このパレードはどうなるのか?と前日の段階では行方を見守っていました。 観客側からしたら、ギリギリのところで猛反撃して、延長戦、そしてPK戦にまで持ち込む手に汗を握る素晴らしい試合でしたが、選手たちにとっては、本当にあとちょっとのところで優勝を逃してしまったことは、普通の試合であっさり敗れるよりも、ずっと悔しい試合だったのだと思います。 当初、選手たちは、フランスに帰国後、公に姿をあらわすことを望んでいないと伝えられていて、そんな気持ちもわからなくはないと思っていましたが、試合が終わってすぐに、マクロン大統領は、おそらくコンコルド広場に皆があらわれることになると公言していました。 結局、フランスサッカー連盟の説得で選手たちは、カタールからのフライト到着後すぐにサポーターに感謝を伝えるために、コンコルド広場にやってくることになりました。 前日は、フランス敗退と同時にお通夜のようになったシャンゼリゼから一変して、シャンゼリゼと繋がる場所に位置するコンコルド広場には、夕方からサポーターが集まり始め、最寄りのメトロの駅(コンコルドとチュイルリー)は閉鎖され、あたりは通行止めになり、選手たちの到着を選手たちに「ありがとう」の感謝を伝えたいと約5万人の人が集まりました。 選手たちは、コンコルド広場に面したホテル・クリヨン(日本の天皇陛下もご利用になる五つ星の高級ホテル)のバルコニーから挨拶しました。 選手たちの乗った飛行機が到着する様子から、実況中継が始まり、タラップから降りてくる選手をADP(パリ空港公団)の職員が「Paris...

2022年12月19日月曜日

ワールドカップ決勝戦 フランス敗退 喜びも落ち込みも激しいフランス

   フランスはサッカー・ワールドカップを勝ち進み、とうとう決勝戦にまで進出し、勝ち進むにつれて、その盛り上がりもどんどん増して、準決勝の時点でも、すでに大騒ぎであちこちで花火が上がり、シャンゼリゼは人に埋め尽くされ、決勝戦は大変なことになると思っていました。 在仏日本大使館からは、「試合当日には、シャンゼリゼ近辺は混乱が生じたり、思わぬ騒動に巻き込まれる可能性がありますので、試合開催時間以降には、この周辺には、近づかないことをお勧めします」などとお知らせが来ていました。 私は、特にサッカーファンというわけでもなく、言われなくとも出かけるつもりはありませんでしたが、SNSを通じて、朝、日本のテレビ局から、「ワールドカップで盛り上がっている街の様子を撮影してきてもらえませんか?」というメッセージが入ったので、「取材のご依頼ですか?」と聞いてみたら、「いや、動画を撮影して送って頂くだけですので、取材ではありませんので、お支払い等はできません」とのことで、見ず知らずの人間をパシリに使おうとする日本のテレビ局の勘違い?になかなか不快な気分でお断りしました。 以前にも、ロックダウンの際に外出禁止の中、街の様子を撮影してほしいとかいう依頼が突然あったりして驚かされたこともありました。 当日は朝からマイナス3℃、当然、出かけるつもりもなく、試合はフランス時間で午後4時からだったので、それまでは、家の中の仕事をしばらくして、一休みしてから見ようと思っていたら、ついついウトウトしてしまい、突然、隣人の「ウェ~い!」という雄たけびに目を覚まして、サッカーの試合が始まっていることを知りました。 慌ててテレビをつけると、その時はすでに2-0でフランスが負けており、しばらく見ていましたが、どうにも今回はフランスは精彩にかける感じ、なんだか試合の流れが全くアルゼンチンになっていて、フランスの選手たちの顔つきも冴えないし、依然として2-0で残り15分くらいになったところで、あ~あと15分で2点は無理・・今日はさすがにダメそうだから、なんか、他の映画でも見ようかな?とiPadをつけたとたんに、テレビから歓声があがり、フランスが1点を得点し、それからは試合の風向きが一転して、あっという間に同点になりました。 こうなってくると、もしかして、一番感動的なパターンかも?とテレビにくぎ付けになりました。 延長戦に入って、またアルゼンチンに先行されたものの、延長戦でも1点ずつをとって、試合はとうとうPK戦に突入。今回の試合はメッシ対エムバッペのように煽られていましたが、いかにもフランスで最も活躍したのは、エムバッペに違いありません。 フランスの敗退が決まって、フランスの選手たちは、呆然状態、特にエムバッペ選手は、フィールドに呆然と立ち尽くしていたかと思うと、その後は長いこと、涙するわけでもなく、怒りを爆発させるわけでもなく、ただただ深い感情を押し込めたような表情で足をかかえて座り込んでいました。 大物はそんな姿・表情もカッコいい・・やっぱり普通の人じゃない・・静かな怒りや悔しさのあらわれまでが、さすが王者の感じ。 そこへ、彼をなぐさめに現れたのは、まさかのマクロン大統領で、彼に声をかけて、彼の肩を抱き寄せて、励まそうとしていましたが、彼はほとんどマクロンとは目も合わすことなく、うなだれていました。 マクロン大統領は彼自身、大変なサッカーファンであるということもあり、サッカーはフランスの大切な原動力であると考えているところもあって、以前、エムバッペ選手がレアル・マドリードに移籍の話が上がった時にもマクロン大統領自らが彼のもとに出向いて、「君はフランスの宝だ!」とパリサンジェルマンに引き留めたとも言われています。 準決勝に続いて、決勝までやってきたマクロン大統領には、「政治利用だ」とか、「こんなことは大統領の仕事ではない」などという声も上がっていますが、政治利用しているかどうかは別として、試合がエキサイトしていくにしたがって、上着を脱いで、両手をあげて歓喜して応援している様子は、一青年のようでもあり、彼のサッカーへの気持ちの表れでもありますが、試合後に、フランス選手のロッカールームに訪れて、「非常に残念だったけど、このチームは多くの人を歓喜させ、チカラを与えている、私たちはあなたたちを誇りに思っています。これからも頑張ってほしいです」というような演説めいたことをした様子が報道され、また物議を醸しています。Fiers...

2022年12月18日日曜日

フランスと日本 政府と国民の関係性 防衛費増税

   私がフランスに来たばかりの頃は、「なんで?フランスって、こんなにデモやストライキばっかりやってるんだろう?」と、「フランス人って、ほんと、しょうがないな・・少しは我慢しろよ!文句言うまえにしっかり働けよ!」などと腹立たしく、彼らのデモ行為は全く理解しがたいものでした。 特に学校や交通機関のストライキなどには、もろに被害を被り、学校がストライキをやっているからといって、私は仕事を休むわけにもいかず、子供の預け先に右往左往したり、長期間にわたる交通機関のストライキには、間引き運転のために、通勤時間も倍増し、ひと月近く続いたときには、もうこっちがヘロヘロ状態で、「RATPやSNCF...

2022年12月17日土曜日

ワールドカップ フランス対モロッコの試合 大フィーバーの影の超極右勢力の暴挙

   14日のワールドカップの準決勝フランス対モロッコの試合はフランスでは大きな盛り上がりを見せ、さらにフランスが勝利したことで、パリではシャンゼリゼには信じられない数の人々が集まり、その勝利に歓喜していました。 なにか一つのことに対して、国全体を挙げてこんなに感動でき、人々を喜ばせることができることを素晴らしいと思い、在仏日本人の私としては、フランスの勝利を嬉しく思いつつも、少々、フランスがうらやましいような気もしていたのです。 この応援や勝利を祝う集い?には、在仏モロッコ人など、どちらが勝っても嬉しいというようなモロッコのユニフォームを着ながらフランス国旗を振り回して喜ぶような人たちもいて、日本を応援しつつも、フランスも応援する自分ともダブる気もして、そんな様子を微笑ましいな・・などとも思っていたのです。 しかし、このフランス対モロッコの試合に際しては、残念ながら、フランスの超極右勢力の一部の人々がパリ、リヨン、ニース、モンペリエなど、いくつかの都市で動員されており、パリ17区では、12月14日夜から15日にかけて、暴力的な右翼運動関係者38人が逮捕され、拘束されています。 警察関係者が報道関係者に語ったところによると、彼らの中にはブラスナックルやスパナなどの武器や大量破壊兵器を持っており、シャンゼリゼ通りでモロッコ人サポーターと攻撃しようとした疑いが持たれています。 彼らは、「暴力や損害を与える目的でグループに参加した」「危険カテゴリーに入る武器を携帯した」「武器や顔を隠した集会への参加」で逮捕され、検察は司法調査を開始し、彼らが「人種差別的な性質の暴力を振るう」ことを望んでいた疑いがあるとしています。 戦うのはルールにのっとったスポーツの場だけでよく、なにも対戦国のサポーターを攻撃するのはお門違いだと思いますが、彼らにとっては、サッカーの試合は単なるきっかけに過ぎず、彼らは常に攻撃する機会を探っているのだそうです。 フランスという国は、単に群衆が集まる危険だけでなく、このような危険な集団が何かのお祭り騒ぎに乗じて、ことを図る危険もはらんでいるのです。 また、次は決勝戦ともなれば、さらに高まる興奮で危険が高まるかと思いきや、政治学者の見解によれば、超極右勢力のターゲットはマグレブ諸国(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどのアフリカ北西部の地域の国々)であり、アルゼンチンとの間に特に争いはないことから、彼らの動員は起こらないのではないかと見ています。 超極右勢力の活動家はフランス全体でも数十人に過ぎないとも言われていますが、このような機会に乗じて、武器まで携えて、人を埋め尽くしているシャンゼリゼなどに現れれば、騒ぎは大変なことになることは間違いなく、彼らは危険人物としてリストアップされ、内務省によって、追跡されているといいます。 「フランスが負けるようなことがあって、フランスが屈辱を受けることは許されない」という彼らの理屈は理解できませんが、彼らの目的は攻撃することにあり、サッカーの勝敗などは、口実なのです。 このような暴力行為が目的の人もいれば、単に興奮して騒ぎを起こすサポーターなど、サッカーの試合は、歓喜を引き起こすとともに、衝突も巻き起こしています。 それを数千人の警察官がガードしながら、みんなが喜びあうあたり、デモ行進を警察や憲兵隊がガードしつつも、決してデモの権利を損なわないように保つ日常とも似ている気がして、そんな様子もフランスらしいな・・と思うのです。ワールドカップ 超極右勢力暴動<関連記事>「2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出」「...

2022年12月16日金曜日

カルトヴィタル(健康保険のカード)が壊れた・・

   日本ではマイナンバーカードと保険証が一体化するという話を聞きましたが、フランスのIDカードと保険証のカードは別々になっています。 現在のフランスのIDカードにはICチップが入っていますが、そのICチップまでが必要とされるIDカードのチェックなどは滅多にあるものではなく、たまに身分証明書として求められても、チラッと目を通されるくらいで、IDカードはいつも携帯しているものの、ほとんど持っているだけで使うことはありません。 それに比べて、カルトヴィタル(健康保険カード)は、考えてみれば、ここのところ、このパンデミックで使用頻度がかなりの割合で増え、通常、たまに医者にかかるとき、処方された薬を買うときなどだけだったカルトヴィタルは、コロナウィルスのワクチン接種、度々行ってきたPCR検査、これまではしなかったインフルエンザのワクチン接種などのたびに必要で、いままでの数倍の頻度で使用することになっていたのです。 そして、これまた考えてみれば、IDカードの書き換えは10年に1回(ビザの年数にもよるけど)ですが、カルトヴィタルの書き換えはこれまでしたことがありませんでした。 フランスに来て以来、最初にカルトヴィタルを作って以来、一度、ポルトガルを旅行中にスリに遭い、財布の中に入っていたIDカードやカルトヴィタルまで全て盗られた時に作り直して以来、ずっと同じものを使っていました。それさえも、いつのことだったか、覚えていないくらいです。 このカルトヴィタルがないと医者にかかれないわけではありませんが、保険で返金される分をいちいち申請するために手続きの用紙を送らなければならなかったりで、その後の手続きがなかなか面倒なのです。 今回、3ヶ月に一度、常用している薬の処方箋をもらいにかかりつけのお医者さんに行くと、「あなたのカード使えないわよ・・、寒いせいなのか?磁気がおかしくなっているのかわからないけど、確認した方がいいわよ・・今日は払い戻しの用紙を書いておくから、これ記入して送りなさい」と衝撃の事実が発覚・・。一体、いつの間に?? このカルトヴィタル、時々、「アップデートしてください」とかいう通知がメールで来たりするので、その時は、薬局にある機械に差し込むとアップデートできるようになっているのですが、今回はそれ以前の問題。 このご時世、いつどんな病気になるかもわからず、カルトヴィタルはある意味、命綱でもあり、使えない状態にしておくわけにはいきません。 もしや、別の機械なら大丈夫かもしれない・・と儚い期待を抱いて、そのまま、書いてもらった処方箋をもって薬局に行って、カードを出すと、ここでもやっぱり、「あなたのカード、使えないわね・・」と。 幸い薬局は商売だけあって、すでに登録してあるナンバーと名前とで、支払いすることなく、薬は出してくれましたが、結局、ここでもカードがなぜ使えないのか解明することはできませんでした。 健康保険組合のサイトで質問してもカードを見なければわからないといい、電話で問い合わせようにも電話もつながらず、「久々に出ました!フランスのこのたらいまわしの感じ!」と思いながら、仕方なく、国民健康保険の事務所にカルトヴィタルの問い合わせに行くことにしました。 当然と言えば、当然なのですが、以前は何かと行く用事があった健康保険の事務所もかなりの部分をネットで処理できるようになったためか、調べてみると、以前に行ったことのあった事務所は閉鎖されており、場所が格段に減っていて、見ず知らずの「なんで?こんなところにあるの?」という場所まで行くハメになりました。 その事務所はネットで調べて出かけたのですが、以前、調べてでかけたところがオープン時間と書いてあったにもかかわらず閉鎖されていて、延々歩いて行ってもまた、閉鎖かも・・とあまり期待しないで歩いていきました。 しかし、幸いにも今回はしっかりオープンしていて、カードを見てもらうと、「これは、カードの磁気がダメになっているから、作り直さないとだめね!」と軽くひとこと。そして「手続きはネットでできるから・・」と冷たいひとこと。 ネットだといっても、また、「サイトがメンテナンス中・・」などということも多く、常にスムーズに進むわけではありません。これを逃してはまた、いつになるか、また更なるトラブルが積み重なることもありえる・・と、「せっかく、私はここまで来てるんだから、ここで手続きしてください!」と食い下がり、その場で、新しいカードの手続きを済ませてきました。 考えてみれば、こんなことは久しぶりで、以前はこの手のやりとりが日常茶飯事だったな・・と思いながら、一仕事片付けた感じで少しだけホッとしながら、家に戻ってきました。 後になってから、カードを見ると、カードを作った日付は、2011年となっていて、なんだかんだでもう10年以上使っていたわけで、銀行のクレジットカードなどもせいぜい2~3年で新しいカードが来るし、もう寿命だったのかな?と思いました。 しかし、いずれにしても、フランスに住んでいると、すべてが滞りなく、静かに暮らせているという期間は、めったになく、一つ片付けば、また一つなにかトラブルが起こる・・そんな感じです。 良いように考えれば、このカードの故障がノエルのバカンス期間より少し前に起こってくれたことは、おそらく不幸中の幸いだったということで、ノエルのバカンスから年末年始はただでさえ時間がかかるお役所仕事がさらに輪をかけて進まなくなる時期でそれよりも少し前倒しに手続きできたことはラッキーでした。 これ以上、トラブルなしに平和に年が越せますように・・。カルトヴィタル 健康保険カード<関連記事>「...

2022年12月15日木曜日

2022年サッカーワールドカップ フランス決勝進出

   フランスにとってのサッカーは国民的なスポーツで、今回のようなワールドカップがあったりすると、国民の熱狂ぶりで、サッカーがどれほどの位置を占めているのかを痛感させられることになります。 今回のワールドカップで、フランスは順調に勝ち進み、昨日のフランス対モロッコの試合は準決勝というのに、決勝並みの大騒ぎで、パリだけでも2,000人、全国で5,000人の警察官が動員され、シャンゼリゼには2万人以上が集まる大フィーバーとなりました。 今回の準決勝進出を先に決めたのはモロッコでしたが、アフリカ大陸から初の準決勝進出ということや、フランスには、モロッコの人、アラブ系の人々も多いために、その時点でもすでにモロッコ勢はシャンゼリゼに集結し、大いに盛り上がっていました。 フランスが準決勝進出を決めたときは言うまでもありません。 モロッコ対フランスの準決勝当日もモロッコを応援する人、フランスを応援する人に紛れて、モロッコのユニフォームを着て、フランス国旗を振っているようなどちらも応援しているような人も少なくありません。 今回の準決勝には、まさかのマクロン大統領までがカタールに応援に出向くという熱の入り方、しかし、一応、メディアは彼にも注目はしますが、大統領でさえも存在感が小さく感じられるほど、フランスのサッカーチームは、いまをときめくスーパースターなのです。La...

2022年12月14日水曜日

未成年強姦容疑で身柄拘束されたフランスの人気ユーチューバー YouTube広告収益撤廃

   1200万人の登録者を持つフランス第3位の人気ユーチューバーであるノーマン(Norman Thavaud)が、複数の10代の少女や若い女性を巻き込んだ未成年者強姦の容疑でパリ検察庁に身柄を拘束されたという衝撃的なニュースから約1週間、検察庁に身柄拘束された彼は、取り調べに応じ、涙ながらに、陰謀にはめられたとか、相手の女の子があまりにも熱狂的、情熱的だったとか、犯行の事実を否認していると報じられ、結局、48時間の身柄拘束は延長されずに現時点では、起訴されないまま解放されていました。 しかし、彼の身の潔白が証明されたわけではなく、今後も捜査は継続して行われるとのことで、彼はグレーな存在のままです。 彼の身柄が拘束されて、すぐに、すでにフランスで最も重要なYouTubeチャンネルを制作しているウェブディア(Webediaグループ)は、「ユーチューバーのNorman...