2022年6月27日月曜日

どうする?2回目のブースター接種(4回目のワクチン接種) 必要な場合と必要ではない場合

   一時は落ち着いていたコロナウィルス感染が再びヨーロッパで増加しています。残念ながら、フランスはこのヨーロッパの感染再拡大の先頭を切っているようです。 2020年の3月以来、何度となく感染の波を繰り返してきたので、もうこれが何回目の波になるのかわからなくなっていたら、感染増加とともに、また世間が騒ぎ始めたので、フランスの今回の波はどうやら第7波なのだそうです。 特に公共交通機関でのマスク着用義務化が撤廃されて、急速に消え始めたのは、マスクだけではなく、街中、いたるところに設置されていたはずのアルコールジェルやソーシャルディスタンスです。 マスクが外れ、これまで皆が控えていたビズ...

2022年6月26日日曜日

リヨンの保育園で11ヶ月の子供が保育士に殺された事件

   リヨンにある民間託児所 People & Babyで生後11ヶ月の女の子が死亡するという痛ましい事件が起こりました。水曜日の午前8時頃、託児所からの通報により 消防隊が駆けつけた時には、すでに子供の意識はなく、すぐに病院に搬送され、蘇生を試みるも子供が再び目を覚ますことはありませんでした。 事件当時、ただ一人その場にいた27歳の託児所職員が身柄を拘束され、彼女は「子供が泣いているので落ち着かせようとしたが、泣き止まず、子供の泣き声に苛立って、泣いている子供に苛性スプレーをかけた。怒りにまかせてやったことで、殺意はなかった」と自供しています。 同じ託児所に子供を預けている母親の証言によると、「数年前からこの託児所の経営はかなり悪化しており、スタッフが入っても、すぐに燃え尽き症候群のような状態になり、人出不足が蔓延化しており、気がつけば、9人〜10人の子どもたちに対してスタッフは1人で明らかに契約はまったく尊重されなくなっていた・・」とのことで、明らかにこの民間託児所の運営にも問題があったことが露呈しています。 同じ地域の同グループの託児所に子供を預けている父親も、「この事件には恐怖を感じるものの、驚きはしない・・」、また、「1年間で託児所の定員は増えたが、スタッフは増えなかった・・」と経営状態の悪化を証言しているものの、「それでも私たちには他に選択肢がないために、いつも恐怖を抱えたまま子供たちを預けてきました」と語っています。 とはいえ、泣いている子供に苛性スプレーをかけるなど、あり得ない話ですが、この託児所職員が子供を死に至らしめるような凶行を行うほどのストレス状態におかれる職場環境にも問題があったようです。 夫婦共働きが当たり前のフランスでは、出産後でも女性が仕事を続けるのは普通で、パリでも保育園問題は深刻で、「妊娠した時点で保育園の予約をしなければ・・」などと言われています。 私がパリで仕事を始めた時も、ちょうど、娘が1歳になるかならないかの、この殺された女の子と同じくらいの年齢だったので、とても人ごとには思えません。幸いにも公立の保育園に空きがあったために、娘は、わりとスムーズに保育園に入れてもらえましたが、娘が生まれてから、片時も離れることなく、べったりと一緒に過ごしてきた私は、子供を預けて働くことに少々不安もあり、お試しに半日、保育園に預かってもらうことから始めました。 娘を保育園に預けた初日は、私が帰ろうとすると、娘が火のついたように泣き出したので、ちょっとビビり、後ろ髪をひかれる思いで保育園を後にして、この後、どうなることかと思いましたが、数日後には、娘もお気に入りの先生を見つけて、すっかり保育園に馴染んでくれました。 その頃はまだパリではなく、パリ郊外に住んでいたために、大きな公園の中にある保育園で、環境もよく、また先生にも恵まれて、保育園では泣かないようになったどころか、「おたくのお嬢さんと、もう一人の女の子はお昼寝を全くしないで、周りの子供たちを起こしてまわるので、お昼寝の時間は、他の子とは、別の部屋にいてもらいます」と注意されたほどでした。 泣かずに保育園に通ってくれていた娘でしたが、夕方、お迎えに行くと、それまで遊んでいたおもちゃを放って、「ママ〜〜!!」と抱きついてきてくれたのは、その頃の私の1日の嬉しい瞬間でもありましたが、まだまだ、小さかった娘は、それだけ、親と一緒にいたかったということだったのかもしれません。 今年の初めに、オルペアという高齢者施設を運営するグループの高齢者ケアの惨状が暴露された本が出版されて以来、高齢者施設の悪徳運営が問題になっていましたが、このような民間託児所においても存在していることは、恐ろしいことです。 このような事件を見るにつけ、娘の保育園問題などは、私がフランスに来たばかりの頃のことで、私自身もフランスの保育園事情も全然知らなかったわけで、たまたまその頃住んでいた家の近くで保育園に空きがあり、そこがたまたま悪徳保育園でもなく、娘が無事に育ってくれたのは、本当に奇跡の連続であったような気がしてきます。リヨン民間託児所保育士女児殺害<関連記事>「フランスの高齢者施設オルペア...

2022年6月25日土曜日

初めての在外選挙投票に行ってきました! 参議院議員選挙在外投票

   恥ずかしながら、私はこれまで20年以上フランスで生活しながら、在外選挙投票というものをしたことがありませんでした。正直、仕事と子育てに忙しく、休みの日も不定期だったうえに、子供の学校や行事などが最優先で、とても、その合間を縫って大使館まで投票に行くということは不可能だと思い込んでしまっていたし、だいたい、日本の候補者についてもわからないし・・などなど・・無理だと決めつけていたところがありました。 しかし、娘にも手がかからなくなり、また、このパンデミックをきっかけに、フランスだけでなく、日本のニュースも気になり始め、それぞれの対応などについてをあらためて、目を通していると、また、外国にいるからこそ見える日本という国を見ていると、どうにもこのままではいけないのではないか・・と危機感を持つようになりました。 長く海外で生活しているとはいえ、私は日本人で、日本は私の祖国です。私が海外で生活しはじめて、約4半世紀が経ちますが、海外に出た当初は、アフリカは別においておくとしても、フランスは本当にダメな国で、日本はさすがだ・・と思うことばかりのような気がしていて、私にとって、やはり、いつも日本は誇らしい国でした。 フランスは、今もダメなところもたくさんありますが、この20年間、いつの間にかずいぶん変わりました。フランスの若い政治家が力強く国を動かしていく様子を毎日見る一方で、日本の政治をもどかしく感じることも多くなりました。 少子高齢化の問題などは、かなり前から問題にされていたのに、対策が講じられないまま、今まで来てしまいました。以前は、フランスの電化製品のお店などに堂々と並んでいた日本が誇る電化製品などの製品も、いつの間にか姿を消しています。 どうにもこのままではいけない!と思うけれど、とりあえず、日本を変えていく一歩は選挙で投票することから・・と思い、昨年、まず在外選挙登録をしたのです。これが想像以上に時間がかかり、大使館に在外選挙人登録をしてから、在外選挙人証というものを受け取るまでに3ヶ月以上もかかりました。 そして、今回の参議院議員選挙にようやく投票に行くことができました。選挙が公示されて、日本の7月10日の投票に先駆けて、在外投票は6月23日から7月3日まで、日本大使館、領事館で行うことができます。この間、9時半から17時まで、土日も含めて投票することができます。(通常の大使館業務は13時〜14時半までは昼休みですが、投票は可能です) 大使館なのに、昼休みも土日も投票できるのは、助かります。 あらかじめ、ネットで日本の政党、候補者の詳細をネットで調べてパリの日本大使館に投票に向かいました。大使館の前には、今までみたことのない行列・・しかし、この行列は、投票のための行列ではなく、投票のための人は優先的に入れてくれました。 久しぶりの日本大使館、さすが日本の大使館だけあって、今、パリで一番、マスク率が高い場所はここではないか?と思うほど、皆、マスクをしていることにびっくりしましたが、広くて、清潔な場所でした。通常のパスポートやビザの申請などの手続きとは、全く別の部屋が用意されています。 日本人の大使館職員は選挙対応のためなのか?大使館の受付はフランス人職員になっていました。 無駄足を踏むのは嫌なので、あらかじめ電話で開館時間などの問い合わせの電話をして、(電話もなかかなか繋がらなかった)、「投票について伺いたいのですが・・」というと、「選挙については、連絡先を教えていただければ、こちらからメールでお返事いたします」・・と・・。 「電話での問い合わせはできないのですか?なぜ?」と食い下がると、ようやく、「では領事部にお繋ぎいたします」とやっと繋いでくれました。それでも、質問をするたびに、「少々お待ちください・・確認いたします・・」が何回か続き、ちょっとうんざりした経緯がありましたが、行ってしまえば、なんのことはありませんでした。 まず、会場に入り、在外選挙人証とパスポートを見せると投票用紙申請用紙とそれを発送するための封筒に管轄選挙管理委員会宛の住所と名前を記入します。それを提出したところで、選挙人証と記入事項をチェックされ、投票用紙と投票用紙を入れる封筒をもらって、ブースのついたスペースで投票用紙に記入します。  候補者と政党がリストになっているファイル ...

2022年6月24日金曜日

EU27カ国 ウクライナとモルドヴァのEU加盟申請を承認

   EU・欧州理事会議長は、EU27カ国の首脳会議で、ウクライナとモルドバをEU加盟候補国として承認したと発表しました。かなり興奮気味に、「ロシアによる侵攻が続く中、これは歴史的な瞬間である」と言及しましたが、キエフが待ち望んでいたこの決定は、加盟のための長く複雑なプロセスのほんの始まりです。 このEU加盟申請の承認ということは、加盟の可能性に関する交渉を正式に開始するという意味であり、数十年かかるかもしれないプロセスの始まりです。ウクライナ戦争がもたらした政治的圧力によって、ウクライナのEU加盟申請は記録的な速さで承認されたものの、今後の審査の過程が短縮されるとは限らないのです。 ゼレンスキー大統領は、ロシア連邦による領土侵犯から4日後、自国のEU加盟を可能にする「特別手続き」の恩恵を受けるよう要請、その数週間後の3月、正式に加盟申請書を提出しました。...

2022年6月23日木曜日

国民議会選挙後初のマクロン大統領の8分間の演説

   国民議会選挙でマクロン大統領率いる右派連合「アンサンブル」が過半数を獲得できなかったことから、大きな波紋を呼んでいる中、夜8時からマクロン大統領の演説が行われるというので、注目していました。 マクロン大統領は、前日から、約2日間かけて、それぞれの政党のリーダーたちと個々に会談の時間を設け、今後の政権運営のためのヒヤリングと意見交換を重ねていました。 これまでの例を見ても、大方、どこか、違う場所での会合などでの演説ででもない限り、大抵は前もって録画されたものが、夜8時に放送されますが、今回ばかりは、その録画が行われたのが、放送15分前というギリギリのタイミングだったそうで、演説...

2022年6月22日水曜日

ウクライナ戦争の話題も吹っ飛ぶフランス国民議会選挙の波紋

    先週末に行われたフランスの国民議会選挙の決選投票で、マクロン大統領率いる右派連合「アンサンブル」が245議席を獲得し、多数派になったものの、過半数の289議席には届かなかったことから、今後のマクロン大統領の新体制に暗雲が立ち込め始めています。 これまで、フランスでは、今回のような過半数の議席を持たずに政権を運営するのは、非常に難しいとされてきており、ミッテラン政権(1988〜1991年)以来のことです。 この緊急事態に、これまで毎日のように報道されていたウクライナ戦争の報道が吹っ飛び、この選挙の波紋について、フランスでは大騒ぎして報道しています。 この選挙結果を受けて、5月半ばに就任したエリザベット・ボルヌ首相は、「今回の結果が生み出す政治状況は国際的な課題や国内のエネルギー問題や物価高騰問題に直面するフランスにとって大きなリスクになる」と認めつつも、「安定を確保しつつ改革を実現するために必要な多数派の確保に努めること」を宣言し、物価高騰に対応したフードバウチャーなどの家計支援措置や完全雇用、環境問題、教育、医療、産業、エネルギー、農業など、それぞれの安全保障などの分野で多数派を結集することは可能である」と述べていました。 しかし、今回の選挙で躍進を遂げた野党の勢いは止まらず、選挙から2日後、エリザベット・ボルヌ首相がマクロン大統領に辞表を提出したものの、マクロン大統領に却下されたというニュースで、さらに混乱が広がりました。 マクロン大統領が再選されたのが、4月末のこと、それから数週間おいて、発表された新内閣が誕生したのは、5月半ばで、マクロン大統領は多くの国民(国民の74%と言われていました)が望む女性の首相を指名し、史上2人目の女性首相として、期待されていました。 正直、私はそれまで、あまり彼女のことは知りませんでしたが、新旧首相交代の挨拶の際に、カステックス前首相が彼女について、「この2年間、一緒に仕事をしてきた中で、彼女の高潔さ、誠実さ、有能さ、自発性という計り知れない資質を確認している」、「彼女は信頼できる人物であると伝えたい」と語っていましたし、恐らく、それは間違ってはいないことだったと思います。 しかし、新内閣が組閣されて以来、一新した新しいマクロン政権の様子を見ると、首相にしても、政府スポークスマンにしても、インパクトが薄く、国民に訴えかけ、説得する迫力が失われたような印象を受けていました。 正直、マクロン大統領は、この新内閣発足以来、ルーマニアやモルドバ、ウクライナを訪問したり、国外向けの対応に追われていて、少々、今回の選挙を甘く見て、新内閣の結束を強固にすることを疎かにしていた感が否めません。 マクロン大統領にとって、今回の選挙の敗北?とともに、このボルヌ首相の辞任騒ぎは大きな痛手、指名した首相が辞表を提出して却下するなどというマイナスな報道が流れるなど、選挙結果に追い討ちをかけるようなもの。辞表を提出する前に、なぜ大統領と首相は話し合いができなかったのでしょうか? 辞意を示していたとしても、これは決して報道されてはいけないことだったに違いありません。 彼女が誠実であるがゆえに、提出した辞表だとも思われますが、対立する左派連合「環境・社会...

2022年6月21日火曜日

やっぱりマスクは侮れない フランスのコロナウィルス感染リバウンド

    ここ1週間ほどで、フランスは、1日の新規感染者数が2万人台から5万人台へと激増しています。 今さらではありますが、公共交通機関でのマスク着用義務化が撤廃されて、しかもフランス全土を襲った猛暑で40℃近い気温を記録したり、マスクは、日々、減っていっているような気がします。 4月に久しぶりの日本に行って、その日本のマスク率にあらためて驚いてきましたが、いい加減、あまりに厳しい空気(普段、ゆるゆるのフランスの生活に慣れてしまっているため)に、正直、日本もそこまでキチキチにしなくてもいいのに・・と思っていました。 私は、今でも公共交通機関の中ではマスクをするようにしていますが、屋外...