2020年3月21日土曜日

世界は、オリンピックどころではない 日本人は、世界のニュースを見るべき





 「復興五輪」を掲げる東京オリンピックで、聖火は東日本大震災の被災地に到着し、此の期に及んで、まだ、オリンピックを開催するか否かで、喧々諤々としながらも、26日からは、日本国内の聖火リレーが行われるといいます。

 この時代に、海外からのニュースが入らないわけはなく、今やコロナウィルス(COVID-19)の蔓延は、世界規模になり、ヨーロッパをはじめ、世界の様々な国が、国を閉鎖しているというのに、予定どおりに東京オリンピックの開催の姿勢を崩さず、オリンピックの話題が横行している日本の状況は、本当に恥ずかしいです。

 オリンピックの開催国としては、致し方ないこともあるかもしれませんが、フランス(ヨーロッパ)では、オリンピックの話など、誰もしていません。

 それどころではないからです。

 オリンピックは、世界の祭典であり、日本人だけが参加するわけではありません。
この世界の状況で、オリンピックを予定どおりの期日で迎えることが、不可能であることは、明白です。
 
 コロナウィルス対策にせよ、オリンピックにせよ、国のトップである人が、「慎重な対応を求める」などという曖昧な言葉ではなく、毅然とした態度で、国民に向けて説明できないことが、日本をまるで、違う惑星のような状況にしています。

 もとより、その清潔さ、安全さなどから、まるで、違う惑星のように感じを受けることもありますが、今回、私が感じている「違う惑星」というのは、世界の潮流からズレているということです。

 それもこれも、国のトップがしっかりと国民をリードしていれば、本来、日本人は、自制心が強く、他への思いやりもあり、衛生観念も優れ、規則はしっかりと守る国民なので、このような世界に恥じるような状況には、陥ることはないはずです。

 日本のマスコミは、明らかに偏っていますから、自らが海外のニュースにも積極的に目を向け、何が今、世界で起こっているのか? 何が本当なのか? 今、何が必要なのかを自分で見定めなければなりません。

 ここへ来て、コロナウィルスへの警戒が緩んでいる日本を心配しています。


<関連>
「コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html

 

 

2020年3月20日金曜日

フランスのコロナウィルスのための外出禁止による二次災害




 新型コロナウィルスの感染が急激に広がっているヨーロッパでは、最も深刻なイタリアに続き、フランス、スペイン、オーストリア、ベルギーなどの国で不要不急の外出禁止令が敢行され、各国の人口の合計で外出禁止対象者は、2億人に上ります。

 フランスでは、違反者には、最大135€(約16000円)の罰金が課されることになっていますが、にも関わらず、外出証明書を持っていればいいだろうと言わんばかりに、外出する人が後を絶ちません。

 あるフランス人の女性の医療従事者は、テレビ局のインタビューに対して、「私たちが、必死でウィルスの蔓延を阻止しようと命がけで、働いているのに、(私の同僚は、妊婦であるにも関わらず、働いている!)外出する人が後を絶たないのは、許しがたいことだ! 今は、バカンスではないのだ! どうか、外出を控えてほしい!」と強く、訴えていました。

 また、こんな状況の中でも、それを逆手にとり、警官を装って、罰金を取ろうとする詐欺や、所持品検査を装って、財布から現金やクレジットカードを抜き取ろうとする盗難、防疫官を称する者が自宅に入ってきて、貴重品を奪われるなどの被害も出始めています。

(現在、フランスにおいての罰金徴収方法には、その場で現金で支払うことはありません。)

 そして、今やフランスでは、軍の管理下となっているマスクは、軍の手によって、各病院に配布されていますが、その病院において、そのマスクの転売のための盗難事件までもが起こっているのです。そんな盗難のせいで、命がけで、医療に当たっている人に充分なマスクが行き渡っていないのです。

 マクロン大統領が仰っている「ウィルスとの戦争」は、本来ならば、味方同士であるはずの人々の中でも、混乱を起こしています。

 また、事実上、軟禁状態にある人々の中で、さらに深刻な状況なのが、DV被害に遭っている人々です。ただでさえ、外出できずに、精神的な均衡を保つのが難しい状況で、DVが日常的に起こっている家庭での惨状は、察するに余りあります。

 ただでさえ、表面化しにくいDVは、この状況下では、さらに深刻化する懸念があります。このような事態を予測して、政府も外出禁止状況でのDVからの救済も呼びかけています。@gouvernementFR

 先日、ドイツのメルケル首相は、国民に向けて訴えていました。

「私たちの誰もが同じように、ウィルスにかかる可能性があります。今、誰もが皆、協力する必要があります。まず、第一の協力は、今日、何が重要なのかについて、真剣に考えることです。パニックに陥らず、自分には、関係がないなどとは、一瞬たりとも考えないことです。この戦いが、どれだけ他の人への思いありのある行動にかかっているか、どれだけ、私たちが力を合わせて行動することで、自分たち自身を守ることができるかということでもあります。」

 
 フランスは、このメルケル首相の演説の内容を肝に銘じる必要があります。

 コロナウィルスだけではなく、二次災害までが蔓延することのないように、祈るばかりです。


<関連>
「フランスでコロナウィルスが広まる理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html

 










 




2020年3月19日木曜日

フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由




 当初、日本の方が危うかったコロナウィルスの蔓延が、一気に日本を上回り、ヨーロッパ(フランス)で蔓延したのは、なぜでしょうか? 

 当時、日本には、ダイヤモンド・プリンセスの対応で世界中の批判が殺到したものの、現在の状況は、ヨーロッパの方が危機的状況を迎えています。

 比較的気温が低く、乾燥している気候も原因の一つであると思います。

 フランスでも先週、木曜日にマクロン大統領からの、コロナウィルスに関する詳細な説明等の注意勧告の声明の発表があり、週末には、買いだめに走る人でごった返したにも関わらず、屋外とはいえ、土曜日には、感情的になり、興奮状態の黄色いベスト運動のデモが行われ、日曜日には、マルシェがいつもどおりに開き、大勢の人でごった返し、公園では、たくさんの人で賑わっていました。

 先週の木曜日の声明で、充分に、外出禁止のような気分になっていた私には、信じられない光景でした。はっきり言って、「この人たちは、バカなんだろうか?」と思いました。

 一昨日、再度、マクロン大統領からの声明では、「私たちは、今、ウィルスとの戦争状態にある!」と何度も繰り返し、更なる厳しい外出制限・外出禁止が発表されました。

 日本がヨーロッパのような蔓延には、至っていないのは、日本の優れた医療制度によるものも大きいかもしれませんが、私は、その国民性や文化に大きな理由があると思っています。

 日本は、とにかく清潔な国です。フランスから日本へ帰ると、慣れ親しんだ国ながら、毎度のように、空港のきれいなことに眩しいような気持ちにさせられます。きれいというのは、単に綺麗なばかりではなく、清潔という意味でもあります。

 日本の空港は、トイレでさえもピカピカで、フランスの公衆トイレを見慣れている私にとっては、眩しいほどです。フランスの公衆トイレは、ウォシュレットはおろか、便座さえないトイレが多いのです。駅のトイレに至っては、(場所によっては、駅自体)悪臭を放つほどです。

 それに比べて、日本は、常日頃から、テレビをつければ、健康に関する情報が常に流され、毎日、入浴し、除菌・抗菌と常に身の回りを清潔に保ち、少々、度が過ぎるとさえ感じていたほどです。

 衛生観念がヨーロッパの人とは、全く比べものにならないほど違うのです。

 また、挨拶するたびにビズ(お互いに頰を合わせる)したり、握手をしたりする習慣も関係あるでしょう。

 そして、何よりも大きいのは、日本人の真面目さです。人の言うことに従順に従う日本人の真面目さは、時に、ヨーロッパでは、バカにされることもありますが、こうした非常時には、とても重要なことです。

 フランスでは、コロナウィルスに対して、騒ぐだけ騒いで、実際の現実的な対応は、緩慢で、ついに、レストランやカフェが閉店されるという日の午前0時に大勢の人が集まって、その瞬間を楽しむような輩までいて、なぜ、閉店することになっているのかが、理解できない人で溢れていました。

 外出禁止になった今でさえ、パリのマルシェには、食料品の買い物なら、外出許可証さえ持ち歩けばいいんだろうと言わんばかりの日頃と変わりない人出の多さに、取り締まる警官でさえ、為す術もない感じでした。

 自分が感染するリスクは、自業自得ですが、もしかしたら、発症していないだけで、すでに自分が感染していて、他人に感染を広げる可能性だってあるのです。

 この意識の低さ、衛生観念の低さがフランス(ヨーロッパ)の現状を生んでいると私は、思うのです。

 今、私は、フランスにいて、改めて、思うのです。

 日本人の真面目さ、清潔さ、衛生観念、周囲の人を思いやる意識の高さは、とても、素晴らしいことなのだと・・。



<関連>
「コロナウィルスにも屈しないフランス人のデモ・ストライキ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_4.html

「フランスの駅のトイレの先進国とは信じ難い臭さ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_27.html

 

2020年3月18日水曜日

フランスのコロナウィルス対策・非常事態宣言 外出禁止・フランスのロックダウン


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  一昨日の夜のマクロン大統領の非常事態宣言から、開けた翌日、その日の正午には、フランス全土で外出を禁止するという日の朝のスーパーマーケットは、開店前からのまさかの大行列でした。

 もうすでに数日前から、連日、買いだめに走る人で、開店早々のスーパーマーケットは、商品がないのか、間に合わないのか、早々に陳列棚は、空だらけの状態で、それでも、少しでも買い置きをしておこうという人で、いっぱいでした。

 日本と違って、日頃、マスクをする習慣のないフランス人の中で、ほんの1週間ほど前までは、マスクをしていると、逆に、「あの人は、感染しているのではないか?」と怪訝な顔をされましたが、フランス人の中にもマスクをしている人が見られ始め、(それでも、ちらほらという程度ですが・・)、もはや、マスクをしていて怪訝そうな顔をされることもなくなりました。

 ここ数日の間に、外務省、日本大使館からは、何通ものコロナウィルスに関する情報が届いていましたが、今回は、フランス政府から、携帯に「外出禁止」、「止むを得ない外出の際は、外出証明書を必ず携帯する旨」のSMSが、私の携帯にも送られてきました。
 https://www.gouvernement.fr/

 私は、正直、私のような外国人の末端の人間に対しても、きっちりと一斉にメッセージを送ってくることと、一体、どこから、私の携帯番号がわかったのかということに驚いたのです。思い当たることと言えば、税金の申告の書類くらいでしょうか?

 少々、不可解ではありますが、この非常時に、この発信力は、スゴいなと思いました。

 かくして、今後、しばらくの間は、移動中の証明書なしには、外出できない状態になり、たとえ、やむなく仕事に行く場合は、移動中の証明書に加えて、出勤証明書を所持していなければ、罰則、罰金まで課せられるという徹底ぶりなのです。
https://mobile.interieur.gouv.fr/fr/Actualites/L-actu-du-Ministere/Attestation-de-deplacement-derogatoire 




 この封鎖には、10万人の警察官や憲兵が動員されています。

 例外として、認められている、最低限の食料品・医薬品の買い物や、医者に通うことの他に、犬の散歩(付き添い一人のみ)などが含まれているのも、フランスらしいなと感じます。

 幼稚園から大学に至るまで、すでに学校は、全て休校になっているので、パリに住む人も、別荘を持っている人など、また、持っていない人は、借りてまでも、パリを脱出する人も多く、また、一人暮らしの学生などは、実家に帰ることを促されています。

 そのため、地方行きのTGV(新幹線)などは、帰省する人のラッシュで、これまた、感染には、明らかにリスキーと思われるほどの大混雑。
https://twitter.com/thaljazzy/status/1239941243569872896

 ここ一両日中には、大移動も済み、街は、ゴーストタウンのようになることでしょう。

 いみじくも、マクロン大統領が、「我々は、コロナウィルスとの戦争状態にある。」と発表していたとおりに、街には、軍用車が通り、まさに戦争のような光景に、ホンモノの戦争を知らない私のようなものでも、ウィルスという見えない敵と戦う戦争のような気がしてきます。

 フランスのLVMH社は、ゲランの香水の工場で水性アルコールジェルを製造し、病院に無料配布を行うそうです。

 長い人生には、色々なことがありますが、まさかのこのような状況、しかも、海外で・・。しかしながら、できることをする以外は、あとは、深刻になりすぎても精神衛生上、良くないので、もとより、家にいることが、好きな私にとっては、どこか、緊張感を感じつつも、今のところは、あまり負担にも感じていません。

 今週は、お天気も良さそうなので、自宅のアパートの小さなベランダで、土を耕して、日本から買ってきた野菜の種を少しずつ撒こうと思っています。








 
















2020年3月17日火曜日

フランス人の買いだめは止まらない フランスの外出禁止令



週が明けて、月曜日になって、少しは、落ち着いたかと思い、近所のカルフールへ行きました。土曜日には、商品の棚はカスカスになっていましたので、朝、開店と同時だと、いつもの調子だと、まだ、品物が出しきれていないと思い、わざと、開店1時間後くらいに行ったのですが、これがまさかの、もの凄い人出。

 店内に向かう途中も、これまでは見かけなかったマスクをしている人も、ちらほら見かけられるようになり、店内は、まさかの大混雑。相変わらずの買いだめモードは、止まらないどころか、さらに拍車がかかっている様子で、どのカートにも山盛りの商品が詰め込まれ、相変わらずの大人気(?)のトイレットペーパーやパスタやパンが品薄のためか、まさかの大きなじゃがいもの袋までが山積みに・・。



 フランス人は、お金がなくなると、日頃、「じゃがいもを食べて過ごすしかないな・・」などと、冗談のように言いますが、まさに危機的状態の食べ物は、じゃがいもなのです。


 以前に、カルフールで、朝、店員さんに「私たちは、朝番で、4時から働いている・」という話を聞いたことがあり、「朝4時から働いてるのに、なんで、商品が出しきれていないの?」と思いましたが、今日は、従業員も気合が入っているのか、いつになく、キビキビと働いていて、私は、こっそり、「やればできるじゃん!」と思っていました。

 こんなにキビキビ働くカルフールの従業員を見たのは、初めてです。

 お客さんの方も、心なしか、皆、歩く速度が早く、どこか、焦っている感じが伝わってきます。

 レジにも、1メートルの間隔を開けて並んでくださいという張り紙がしてあり、(これは、誰も守っていませんでした・・というより、守れないくらいの混雑ぶり・・)店員もタートルネックを伸ばして、口に塞いで、お客さんに対応していました。


 これだけの人が仕事には、行かずに買いだめに、必死になっている様子を目の当たりにすると、嫌でも危機感を煽られる気がしてきます。

 きっと、買い物に来ていた人々も同じように感じていることでしょう。この焦りのような危機感の連鎖がパニック状態にならないことを祈るような気持ちです。

 とうとう、マクロン大統領からのさらに厳しい外出制限の声明が発表されました。先週、木曜日の発表では、徹底しきれなかった人々の外出、マルシェでの人混み、公園での結構な数の人出等に関しても苦言がありました。

 食料品の買い出し、医者、どうしても避けられない仕事以外の外出が禁止となった今、次なる課題は、このスーパーマーケットの混雑への対応を何とかする必要があるかもしれません。

2020年3月16日月曜日

コロナウィルス対策のためのフランスの学校閉鎖




 今週から、フランスの全ての学校(保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校・大学)は、閉校となります。

 娘が小さい頃に学校から、風邪をうつされてきて、鼻をぐずぐずしていたり、ちょっと咳をしていたりすると、それは、たちまち娘を通じてパワーアップされて、私を襲いかかり、娘は、鼻がグズグズしていたりする程度で、あっという間に完治したにも関わらず、娘よりも、体力的に衰えている私には、あっという間にヒドい風邪となって襲いかかって、私は、寝込む寸前の状態になり、それでも仕事は休めずに、ふらふらになりながら、通勤するという目に遭ったりしていました。

 今回の学校閉鎖も、たとえ、子供がコロナウィルスに感染しても、発症する可能性が低くとも、他の人に感染を拡大させるという意味があるのだと思っています。

 フランスでは、小学生以下の児童を保護者なしに放置することは、厳しく禁じられていますので、仕事を持つ親にとっては、大変な負担となるのは、明白です。ましてや、フランスは、専業主婦の割合が極端に低く、ほとんどの女性が働いているので、なおさらのことです。

 今回は、仕事をしている場合もできる限りのリモートワークが勧められており、また、仕事に行けない場合の社会保障もあるようなので、鼻からしばらくの休業状態を決め込んんでいる人も多く、その社会保障に該当しない人でも、医者に頼んで、ドクターストップの書類を用意し、有給状態で仕事に出なくてもすむ方法を取り始めているようです。

 以前、ストライキで学校が一ヶ月近く閉校になり、だからといって、仕事を休むわけにもいかず、途方に暮れたことがありました。その時は、単なる?ストライキでしたから、社会保障は、何もなく、慌てて探し出したフランス語も教えてくれるという女性を頼んだら、大変な出費になった上、その女性が、主人を誘惑しようとするとんでもない女性だったりしたこともありました。(注1)

 そんなことに懲りて、娘は、ストライキのない私立の学校へ入れたのですが、今回ばかりは、公立であれ、私立であれ、全ての学校は、休校です。休校といっても、その間のネット授業や宿題等は、用意されているようですが、毎日の、キャンティーン(給食)での食事の代わりに、各家庭で用意しなければならない子供達の昼食だけでも、大変な負担になります。

 スーパーのパスタやパスタソースなどが軒並み売り切れになっていましたが、さしずめ、今週からのフランスの子供達は、いつもの何倍もの量のパスタを食べることになることでしょう。

 こんな犠牲を払ってまで行う学校閉鎖をよそに、フランスでは、未だ行われているデモや、今日も大勢の人で賑わっているマルシェなどの人混みに、フランス人の意識の低さを感じずにいられません。





(注1)関連ブログ
「主人を誘惑しようとしたフランス人の女性の話」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_20.html


















2020年3月15日日曜日

コロナウィルスがみるみる変えていくフランスの景色





 私は、先月、2週間ほど、日本に一時帰国をしていました。すでに、コロナウィルスの感染騒ぎが始まっており、特に、クルーズ船内での感染者の拡大が問題になっていて、日本は、アジアがその拠点とされている中、なかなかの注目を集めており、日本からフランスに帰国する際には、フランスに入国させてもらえるか、心配したほどでした。

 そしてフランスに帰国して、2週間、みるみる事情は、変わってしまいました。

 もはや、フランスからどこか別の国に行くことの方が難しいような状況になってしまいました。

 騒いで、アジア人を避けたり、マスクや消毒薬が手に入らなくなっているわりには、街中には、マスクをしている人は、あまり見当たらないなぁ・・と思っていましたが、ついに、数日前にマクロン大統領から、来週から、全ての学校が閉校となることが発表され、いよいよ、本格的にコロナウィルス対策が始まった感がありました。

 マクロン大統領の声明のあった前日に買い物に行った際も、すでに、備蓄モードの買い物をする人が目立っていましたが、この週末の世間の買い物の様子は、もう備蓄モード全開で、近所のかなり大型のスーパーマーケットの陳列棚(特に食料品)は、のきなみガラガラで、あれだけ大規模なスーパーマーケットの食料品がこんなにガラガラになっている様子は、ちょっと、それだけで危機感を煽るような感じを受けるものです。
 (特にパスタやパスタソースのコーナーの売り切れ状態は、圧巻でした。)

 しかしながら、この週末の世間の買いだめモードは、容易に想像できたはずで、スーパーマーケット側もそれを見越して、仕入れを拡大するなどの対策が万全でないところも、さすがにフランスだと感じることも事実です。

 日本のスーパーやコンビニなどは、日常から、天候や世間の動き、もしくは、テレビ番組の内容に沿って、仕入れの量や内容を工夫して対応していることを考えれば、この状況で、このタイミングで、陳列棚を空にしてしまうような仕入れの仕方は、フランスならではと思ってしまうのです。

 そんな食料品の買い出しに走っている人も大勢いる中、信じられないことに、まだ、黄色いベスト運動のデモも続いており、いつもよりは、多少、マスクをしている人が見受けられたものの、結構な規模で騒いでいる人々のウィルス感染への意識が到底、理解できません。

 そんな中、ついに、フランス政府からは、さらに、ステージ3への引き上げが発表され、15日深夜0時から、レストラン、カフェ、映画館等が閉鎖されることになり、都市間の移動、人との接触を避け、会合は制限し、公共交通機関は、職場に物理的に存在することが、必須で職場に向かう際のみ利用することとされています。

 食料品、薬局、ガソリンスタンド、銀行等の生活に必須のものを扱う店舗は、閉まることは、ありませんが、また、さらに街の景色が変わっていくように感じています。

 こんなことなら、しばらく、日本に留まっていた方が良かったかも・・と、思わないでもありませんが、やはり生活の基盤をフランスに置いている以上、準備なしに、日本にい続けることも、どこか落ち着かず、長期間、フランスを留守にすることも、容易ではありません。

 幸いにも、今は、日本から持ってきている食料品もたくさんあり、家での籠城生活もそんなに苦ではありません。冷静に、状況を見極め、静かに生活を送っていこうと思っています。