2024年8月18日日曜日

WHOが最高レベルの世界的警戒を発令した今回のサル痘はどのくらい危険なのか?

  


 数日前にWHO(世界保健機構)が「サル痘」に関する最高レベルの世界的警戒を発令したというニュースは聞いていました。しかし、まあ、そのうちおさまるでしょう・・と、正直、あまり関係ないような感じもしていて、そのままスルーしていました。

 ところが、このサル痘の世界的流行のニュースはフランスでは、けっこう引き続き報道し続けていて、なんだか不穏な気がしてきました。そもそも毎日毎日、いくらでもあるニュースの中で、特にテレビのニュースの時間枠は限られており、そのニュースに毎日のように食い込んでくること自体、ふつうの話ではありません。

 今は、バカンス中で多くの人々が世界中、あちこちの国を行き来することもあり、このような感染症が拡大する危険性は高いかもしれません。

 特にオリンピックの後、パラリンピックを控えているフランスにとっては、まだまだ世界中から人が集まる場所でもあり、特に警戒しなければならないことなのかもしれません。

 サル痘は2022年にも流行し、その後、今年、再流行の波を迎えており、始末の悪いことに、今回流行しているのは、以前のサル痘よりも新しいクレード 1b 変異種というもので、感染力と致死性がより高いということです。

 コロナウィルスの際も次から次へと現れる変異種というものに、恐れおののいた記憶がありますが、サル痘の場合もまた威力を増した変異種の登場が今回の騒ぎの原因のひとつのようです。

 アフリカ連合保健局がまず、「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、これに続いてWHOも翌日、最高レベルの世界的警戒を発令。そして、アフリカ以外での最初の症例はパキスタンとスウェーデンで検出されましたが、今後数日から数週間のうちに欧州でも新種の輸入症例が出現すると予想されているとWHOは警告しています。新しい変異種は感染力と致死性がより高く、世界的な蔓延の懸念を引き起こしているというのです。

 2022年には、これまでウイルスが流行したことのなかった先進国を中心に、世界の他の地域に広がり始めましたが、今回の変異種はさらに感染力、致死性がより高くなって流行しているというのですから、WHOが警戒を呼び掛けるのもわからないではありません。

 そして、先週末、ついに、フランスでも、ガブリエル・アタル首相がフランス保健当局はサル痘に対しての最大限の警戒状態をとり、すでにあらゆる事態に対応できるように準備していると発表しています。

 サル痘は、動物から人間に広がるウイルス性疾患ですが、ウイルスに感染した人との濃厚な物理的接触によっても伝染するそうで、以前の株は口、顔、または性器に発疹や局所的な病変が現れるのが特徴でしたが、現在問題となっているクレード 1b 株は全身に発疹を引き起こすようです。

 アフリカで前例のない数の感染者が発生していることに加え、WHOが懸念しているのは新たな変異種の出現で、この新株は以前のものよりも重篤な疾患を引き起こすという点にあるようです。

 また、感染者に幼児が多いことは、主な媒介者として男性同性愛者コミュニティとの性的関係を介して広がった以前の株よりも、汗や唾液などの体液を介して感染がより容易に起こることを示唆していると言われています。

 現在までのところ、比較的、患者は若く、おそらく免疫システムが未熟なため、死亡率ははるかに高くなります。成人(15歳以上)の2.4%と比較して、乳児では8.6%、1歳から4歳までの子供では7.4%、5歳から15歳では3.7%となっています。

 汗や唾液などの体液を介して感染するとなれば、全く油断ならない話です。

 このサル痘のワクチンはデンマークの研究所バイエルン・ノルディック社が製造しており、また、このワクチンは新しいクレード 1b 変異種にも有効であると製造元は発表しています。

 フランスでは1月から4月までに107件の感染者が発生しているそうで、4月以降は毎月20人から25人の感染者を出し続けているようです。この数を多いと見るべきなのか?少ないと見るべきなのか?ちょっと見当がつかない気がしていますが、致死率が高いという点から考えれば、特に常に多くの疾病のリスクにさらされている幼児、高齢者、病人、妊婦などは、注意が必用だと呼びかけています。


サル痘 WHO最高レベル世界的警戒


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2024年8月17日土曜日

フランスの新首相候補の女性 ルーシー・カステッツ 

  


 オリンピックムードの盛り上がりで、一時の騒ぎが嘘のように搔き消されてしまった感のあるフランスの首相任命、新内閣の組閣問題がそろそろ、取り上げられるようになってきました。

 そういえば、マクロン大統領は、ガブリエル・アタル首相からの辞表は受理したものの、オリンピックを滞りなく行うことにまず注力するということで、首相の任命はオリンピックの終わる頃に発表するとしていました。

 そして、フランスでは、大いに盛り上がったパリオリンピックのために、国民のこの内閣組閣への関心も少し逸れた感じもあり、マクロン大統領自身もオリンピック後半になってくると、中継されている試合の会場には、「えっ?マクロン大統領また来てる?」と思うほど足しげく、オリンピックの試合会場に姿を見せており、私が言うのも何なのですが、「仕事してる?」と思うほどでした。

 そして、オリンピックは一応、無事に終了して、一息ついたかと思われるようになった今、ようやく、そういえば、首相はどうなった?とばかりに首相任命問題が取りざたされ始めました。

 どうやら、フランスの次期首相は、ルーシー・カステッツという女性を第一党となった新人民戦線(NFP)が推しており、マクロン大統領もこれに依存はないようで、8月23日には、各会派の議長や党指導者らをエリゼ宮に招き、話し合いを行ったうえ、首相任命の運びとなるようです。

 このルーシー・カステッツという女性は1987年生まれの37歳(さすがにガブリエル・アタル氏には負けますが、やはり若い!)、パリ科学院(通称シアンスポ)、国立行政学院に学び、上海のフランス総領事館(文化武官補佐)勤務を経て、世界銀行のマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策部門のコンサルタント、秘密金融回路、マネーロンダリング、テロ資金供与との戦いを担当する諜報機関である Tracfin、パリ政治学院で経済学教授など、若いながらに、多くの職責をこなしてきた才女のようで、財政、金融に強い人のようです。

 経歴を聞くだけでも、かなりの秀才ぶりがうかがえますが、これに加えて、彼女は約10年間テニス、そしてハンドボールやテコンドーもやってきた、かなりのスポーツウーマンでもあるようです。

 まだ確定情報ではないようですが、マクロン大統領の側近の話として、「それが集団的な要請であり、NFPの政治勢力が意見交換が建設的なものになるのに有益であると判断するのであれば、大統領は明らかにそれに反対しない」、「マクロン大統領は、ルーシー・カステッツを首相に迎える準備はできている」と報道されています。

 しかし、あくまでも負けず嫌いのマクロン大統領らしく、彼自身は、「誰を首相に据えること以上に議会の多数派を築くことが大切である」と語っているようで、その点においては、ルーシー・カステッツ氏もRN以外の国会議員に書簡を送り、「NFPの枠を越えて議会の多数派を築くよう説得する」つもりであると説明しています。

 どちらにしても、もうあっという間に8月も半ばを過ぎ、あと2週間ほどで、もうフランスは新年度が始まり、新たにやらなければならないことが山積みなはず。

 マクロン大統領にしても、さすがにもうこれ以上は引き伸ばせないギリギリのタイミングなのだと思います。

 新年度になれば、皆がバカンスから戻り、学校も始まり、仕事も再開するとともに、フランスではデモも再開されます。

 フランスの首相は、大統領が任命するというカタチになっているし、日本の首相とはまた、位置づけが異なります。このルーシー・カステッツという方がどんな感じの方なのかはまだよくわかりませんが、とりあえず、それが37歳の女性らしいというだけでも、ずいぶんと違うものだな~と思っているのです。


フランス新首相 ルーシー・カステッツ


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2024年8月16日金曜日

パリのメトロ9号線の車内で侮辱された女性が告訴状提出

  


 オリンピック期間中は平和だったかに見えていたパリのメトロの中で、一人の男がユダヤ人の女性及びその家族を攻撃する暴言を吐き、つばを吐きかけるという事件が表沙汰になりました。

 事件は、早朝のメトロ9号線の車内で起こり、一人の男がユダヤ人に向け反ユダヤ主義的攻撃を続けていたところ、この女性は、恐怖を感じつつも、勇敢にも携帯で撮影しながら、「黙りなさい!やめなさい!と言いながら、この男が暴言を吐き、彼女たちを攻撃し続ける模様を撮影し続け、警察に苦情を申し立てる!」とその言葉どおりに彼女は本当に警察に告訴状を提出しました。

 イシー・レ・ムリノー警察署(オー・ド・セーヌ)はこの女性からの告訴状を受理し、この男は現在、指名手配されています。

 直接、本人には関わりのないことで侮蔑を受けたりすることがあり得ないことではないパリではあり、実際に、コロナウィルスが発症したばかりの頃に、中国がその拡散元であったことが公になり始めた頃、いわれのないアジア人差別が沸き起こったことがあり、私自身は、直接そのような被害に遭ったことはありませんでしたが、アジア人が人々の嫌悪の攻撃の対象となったこともありました。

 今回のユダヤ人への非難や攻撃は、明らかにハマスとイスラエルの問題が影響していると思われ、この被害者の女性の撮影した動画の中で、この男は、「あなたたちは子供を殺している」、「あなたたちは人道に対する罪を犯している」、「ヒットラーは正しかった、君たちは皆、命を奪われなければならなかった・・」などと物騒なことを叫んでいます。

 メトロの中にはこのような直接的な侮辱行為ではなくとも、時々、おかしな人をみかけ、なんとなく、怖いな・・と思うこともありますが、パリでも多くの場合は、皆、なんとなく気にしつつも見て見ないふりをしているのがふつうです。また、パリのメトロの車内は比較的狭い場合が多いので、このような明らかにおかしな人物がいた場合は、恐怖感も大きく感じられると思います。

 若い女性ながら、ものすごく勇敢な女性だ・・と感心していたら、実にこのような反ユダヤ主義的な攻撃は1,200件以上も報告されており(ハマス・イスラエル問題以来)、内務大臣ジェラルド・ダルマナン氏は、2024年上半期だけでも「887件の反ユダヤ主義行為」が記録され、これは昨年の同時期のほぼ3倍であると述べています。

 争いがまた別の場所で争いを呼び、放置すれば、エスカレートしかねないこの争い。私だったら、このようにののしられても、黙って我慢してしまいそうなのですが、もしかしたら、この女性、これが初めてのことではなかったのかもしれない・・度重なれば、自分たちの命も危険にさらされるという危機感を覚えていたのかもしれません。


メトロ内での侮辱行為


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2024年8月15日木曜日

オリンピックの終わった8月のパリはいつも以上に空いている

  


 今年の夏のパリは、当初、オリンピック効果を目論んで、ものすごい数の観光客を期待して、1年前にオリンピック期間中のホテルの予約が始まった当初は、おそらくパリ及びパリ近郊の宿泊施設が足りなくなるであろうと見込み、それにつれて、パリ市内のホテル価格は、2倍、3倍どころか、10倍以上にも価格が吊り上がる異常な事態になっていました。

 ところがオリンピックが近付くにつれて、予約が思ったほど入らず、ホテル業界は、冷水のシャワーを浴びている・・ともっぱらの評判になりました。

 実際に、オリンピックのための観客どころか、通常、夏の間に来ていた観光客までもがパリを避け、パリ市民たちも警備のための厳しい規制を避けてパリから逃げ出してしまい、「こんなの見たことない!」と思うほどのどこへ行ってもガラガラのパリになりました。

 オリンピックが始まってみると、それでも、オリンピックがけっこう盛り上がり始め、結果的には、ホテルの予約も少しずつ上向きになったようでしたが、結果的にパリのホテルは平均、約85%程度の稼働率になったようです。

 これはあくまでも平均なので、人気の地域(つまり価格が妥当であり、許容範囲内であるところ)は、100%超のところもあったようなので、酷いところの結果はあまり公にはされていないと思います。

 おかげさまで、オリンピック期間中は大した混乱も起こらず、多少、規制のために不便な思いをしたものの、住民にとっては今までにない7月の空いているパリを楽しむことができましたが、はて?いつもは、フランス人のバカンス本番はなんといっても8月で、オリンピックのために前倒しに7月にパリを去ってしまったパリジャンが8月には戻ってくるのでは?と思っていたのですが、どうやら、あんまり戻っていないようです。

 また、もう海外の観光客からも、今年の夏のバカンス先からパリは排除されてしまったようで・・観光客もいつもの夏よりも少なく、オリンピックの警戒も緩和されて、現在のパリは空いています。

 オリンピック騒ぎでまったく忘れていたのですが、8月のパリはお店も閉めてしまうところが多く、昨日は、最近、お気に入りのパン屋さんにいったら、9月まで休みと書いてあって、「あ~8月のパリはお店もけっこう閉まっちゃうんだった・・」ということを思い出したくらいです。

 オリンピック期間中は、あんなにいた警察官や憲兵隊も大幅に減少しましたが、昨日、メトロに乗ろうと思ったら、警察官の軍団が下りてきて、「えっ?まだ、メトロの中にまで警察官が乗ってるんだ・・」とビックリ!、主要な駅には、まだ憲兵隊等も通常よりは多くの人数が配置されているようです。

 まだ、パラリンピックが控えていることから、このオリンピックからパラリンピックへの移行期間も一定以上の警戒体制は保っている模様です。

 なんだか、パリでは、オリンピックのボランティアのユニフォームがすごい人気らしく、パラリンピックのボランティアにも応募が殺到しているとか、このオリンピックボランティアのユニフォームがフリマサイトに高額で出品されているとかいう話で、フランスのスポーツメーカーDecathlonが一般向けの商品化を検討しているということです。

 昨日もこのオリンピックのボランティアのユニフォームを着た人を見かけたので、「あれ?オリンピック終わったのに、なんであの人、あんな恰好しているんだろう?」と思ったばかりです。

 とはいえ、私は、人の少ない8月のパリが大好きで、パリジャンはパリからいなくなり、せいぜいいるのは観光客くらいなものなので、8月には、ぜったいにパリに留まりたいと思っているのですが、今年はその観光客でさえも、少なめというのですから、天国です。

 ホテルの価格を吊り上げたり、メトロのチケットも2倍近くに値上がりし、そのうえ、オリンピックのために様々な規制を設けられて自由に動けないとなったら、パリを避けようと思うのは当然のことです。

 しかし、住民にとっては、なにはともあれ、これからしばらくの間は静かなパリが楽しめそうです。


8月のパリ


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2024年8月14日水曜日

クロスボウの矢を頭に受けた女性が危篤状態

  



 パリオリンピックが終わって、堰(せき)を切ったように凶悪事件が報道され始めて、残念ながら、通常モードのフランスが戻ってきたことを実感しています。

 最初に目にしたのは、ヴィルジュイフ(ヴァル・ド・マルヌ県・イル・ド・フランス・パリ近郊)の寺院で、32歳の女性が頭に矢が刺さった状態で発見されたというもので、またその犯行に使用された凶器(武器)がクロスボウという私にとってはあまり聞きなれないもので、調べてみたら、「西洋で用いられた弓の一種、洋弓銃」というものらしく、その凶器に使われたものが、耳慣れないものであることは、余計に不気味に感じられるものでした。

 被害者は発見後、頭に矢が貫通した状態で病院に運ばれ、手術を受け、矢は頭蓋骨から取り出すことができたそうですが、生命予後は依然として危険な状態にあると言われています。

 ナイフとか、銃などなら、まだよくある話ではありますが、矢で頭を射抜かれるというのは、初めて聞きましたし、被害者を発見した人は、ちょっと信じ難い光景であったのではないかと思います。

 このクロスボウという洋弓銃というものは、どんなものなのか?そんなに出回っているものなのか?不安になります。

 この事件の容疑者3人は被害者が発見された翌日には逮捕され、取り調べが続いていますが、クロスボウが使用されたという状況と動機はまだ正確に解明されていないということです。というのも彼らは、障害のある人々のようで、全員が就労支援サービス事業所(Esat)で働いていました。この施設は障害のある者が医療の恩恵を受けながら専門的な活動を行えるようにするものです。

 この障害が精神障害であるかどうかは明らかにされていませんが、このような場合は、まず責任能力の問題が登場し、一定の期間、入院施設に保護されますが、いつの間にか、また世に解き放たれてしまうのが、よくあるケースだという印象を受けてしまいます。

 捜査はヴァル・ド・マルヌ司法警察に委託され、当初は配偶者による殺人未遂容疑で開始されましたが、被害者も同施設に所属していた者だったようです。

 事件の取り調べとともに、同時に彼らの精神鑑定も進行中とのことです。

 いずれにしても、パリオリンピックが終わった途端に、このような事件が堰を切ったように出てくるにつけ、オリンピック開催期間中は、このような事件がたとえ起きていても伏せられていたのか、または、報道されなかったということ?

 いずれにしても、オリンピック関係者や観客がこのような事件に巻き込まれることがなかったことは、全く、日常のパリ、パリ近郊、フランスからしたら、奇跡的なことだったと今さらながら思っています。


クロスボウ殺人事件


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2024年8月13日火曜日

38℃に怯えて過ごした一日

  


 もう数日前から、来週の初めには、38℃まで気温が上昇すると聞いていて、身構えていました。最近、体力にめっきり自信をなくしていることもあり、これはもう無駄な抵抗はやめようと、この日は、出かける予定は入れずに終日、家にこもっていることにしていました。

 出かけた先には、最近では大抵は冷房が入っていることがほとんどではあるものの、そこへ到達するまでの炎天下の路上を歩くことも、もう恐怖に近く、公共交通機関も必ずしも冷房車ばかりとは限らないのがパリなので、もう無駄な抵抗はしません・・という気持ちでした。

 この間、暑いときに、プールに出かけて泳いでいる間にめまいを起こして、立ち上がれなくなって以来、今まで以上に臆病になっています。

 とはいえ、我が家にはエアコンもないので、涼しくはないのですが、朝のうちに部屋の空気を入れ替え、ベランダの野菜に水をたっぷりとあげて、あとは窓を閉め切って、光を遮断した薄暗いなかで過ごせば、まあまあ耐えられないこともありません。

 もちろん、熱を発するお料理はしたくないので、朝、早いうちにサンドイッチを作って冷蔵庫にいれておき、あとはフルーツやヨーグルトやゼリー、アイスクリームなどで凌ぎます。

 パレオを濡らして、肩からかけて身に纏い、時々、それが熱くなってくれば、また水の中をくぐらせては、身体にまとい、しまいには浴槽に水を張って、そこでパソコンやタブレットを持ち込んで、静かに過ごしました。

 もう夏の間にパリが数日間は40℃近い猛暑に襲われるようになってからは、少しずつ対応策を自分なりに構築してきたのですが、年々、自分の体力は低下しているのは、最近、とみに自覚してきているので、もう絶対に無理はしないことにしました。

 いい加減、エアコンを買えばいいのに・・と思わないでもありませんが、まあまあ、こんな日は一年のうちにそんなにあることでもないし、暖房としては、セントラルヒーティングになっているので必用ないので、やっぱりもったいないな・・とけちな私は買わないのです。

 最近では、このような人間の体温よりも高い気温になる猛暑日が夏の間には、何日かあるために、オリンピックの期間にあたってしまっては、選手も気の毒だな・・と心配していたのですが、幸か不幸かオリンピックが終わった翌日のこの気温です。

 RATP(パリ交通公団)では、珍しくサービスよく、ペットボトルの水を配ったりしていたようですが、これも恐らく、オリンピックの際にこの猛暑日にあたった際のために準備されていたものではないか?と思われます。

 今回のオリンピックは、結果的には、ギリギリでこの猛暑を避けられましたが、なぜ?もう少し気候の良い時期にやらないのかな?と疑問です。しかし、これは、またオリンピックをパリでやってほしいという意味ではありません。

 今年はどういうわけか、7月に入っても、気温が上がらずにお天気もパッとしなかったので、いつもの夏ほどではありませんが、いずれにしても、パリでは、多くの人が家にはエアコンを入れていないし、どちらかというと家の中は暖房はキッチリしていても、冷房は完備していない場合が多いと思います。

 ようやく窓から涼しい風が入ってきたのは夜中の1時頃でした。

 


猛暑日


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2024年8月12日月曜日

やっと終わったパリオリンピック 

  


 今回のパリオリンピックが始まる直前までは、フランス人にとっては、突如として行われることになった選挙の方に注目が傾きがちで、また、パリでは数々の警備のための厳しい交通制限などが続いて、パリを脱出してしまった人も多く、また、観光客でさえも、通常よりも少なくなるという事態になって、オリンピックはあまり盛り上がらないのでは?とさえ疑いを持つほどでした。

 しかし、いざ蓋を開けてみれば、お祭り好きのフランス人。また、かなりフランスの選手がメダルを獲得したりして、日々、盛り上がりを見せてきました。

 まず、どうしても貫きたかったらしいセーヌ川での開会式は、けっこうな雨のうえ、演出なども、かなりぶっ飛んだ内容が織り込まれていて、賛否両論を巻き起こしましたが、そこはフランス。否定的な意見があることも充分、承知のうえで、ふつうのものでは終わらせないなにかを入れてくるところはフランスらしいところでもありました。

 また、選手の宿舎にエアコンがないとか、食事がマズいとか、色々と苦情もあったようですが、一般的な食事のレベルはそんなに高くはないし、エアコンがないのも現地の人間からしたら、そんなに驚くことでもありません。

 今回のパリオリンピックで指摘された悪い点は、そのままのフランスで、良いところも悪いところもそのままよく表れていたと思います。

 個人的には、あの、どう見ても、泳げるとは思えないセーヌ川でのトライアスロンを強行して、病人まで出してしまったのは、どうかと思いますが、概ね、日常のフランスからしたら、上出来なオリンピックであったと思います。

 何より、この世界情勢が決して穏やかとは言えないご時世のなか、テロのようなことがほぼ起こらなかったことは、何よりでした。常日頃から、他の都市に比べて格段に警察の多いパリでも、これほどの警察官や憲兵隊が、ほんの数メートル歩くたびに警察官の団体(あるいは憲兵隊)とすれ違うほどの警戒をこのオリンピック開催期間中続けていたことは、これまでもなかったことだし、今後もそうそうないことではないと思われます。

 しかも時期的には、フランス人にとって何よりも大事なバカンスシーズン、その期間にこれだけの人を動員できたということだけでも、歴史的な記録だと思います。

 私は、競技自体を見に行くことはありませんでしたが、それでもオリンピックのために設営された施設などは、ひととおり見て歩いて、それなりにいつもとは違った、今だけのパリの景色を楽しみました。

 そんな中、驚いたのはボランティアをやっている人々のレベルの高さで、ボランティアをどういう基準で選んでいるのかはわかりませんが、彼らには、ある種のカラーというか、ある一定以上のレベル(といったら失礼ではありますが・・)の人たちという印象を受けました。

 まだ学生?と思われる若い人々から、もう引退しているんだろうな・・と思うような人々まで、私が直に接したボランティアの人々は、ふだん、あまりパリでは目立たない感じ人なんだろうな・・と思いましたが感じの良い人ばかりでした。

 特にもう引退しているであろうおじさんやおばさんのボランティアなどは、やはりフランス人らしく、話好きで、けっこうおしゃべりしたりもしたのですが、地に足がついた感じの人が多いのには、大いに関心したところでもあります。

 しかし、私個人としては、やっとオリンピックが終わってくれた・・というのが正直なところで、通常の日常に戻り、とりあえず、ふつうにバスやメトロが動いてくれることにちょっとホッとしています。

 でも、同時にこの期間中、いつもは定期的に家にいても聞こえてくるパトカーなどのサイレンの音がこの間、ほとんど聞こえてくることがなかったことに気付いて、そういやそうだよな・・あれだけ交通規制して、警察が四六時中、街中にウヨウヨしていたら、事故も事件も起こりにくかっただろう・・と思うのです。

 逆に考えれば、あれだけの警戒体制をとらなければ、パリは安全ではない場所と言うこともできるのかもしれません。

 でも、とりあえず、無事に終わってヤレヤレというところですが、この間のパリを懐かしむ時がいつか来るかもしれません。

 しかし、閉会式も長かったなあ・・。トム・クルーズが出てくるまでが長い長い・・。


パリオリンピック閉会


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