2023年5月12日金曜日

マクロン大統領が発表したフランスの再産業化 

 


 年金改革問題の火が消えないまま、マクロン大統領は逆風の中、前向きな姿勢を崩さず、フランス産業関係者の前でスピーチを行いました。

 マクロン大統領は、この場で閣僚理事会に提出される予定の「グリーン産業法案」の骨組みと、この加速を実現するために重要視される措置について説明しています。

 フランスの再産業化を加速する戦略の中で、特に小さな街や貿易に関して、研修や訓練などの学びの場を設けるために7億ユーロを投入する計画を予定しています。

 また、電気自動車購入に対するエコロジーボーナスは、電気自動車の生産による二酸化炭素排出量を考慮したもので、ヨーロッパで製造された自動車を優遇するように改革される予定となっています。

 そして、さらに風力タービンやヒートポンプなどの主要な脱炭素製品の環境基準を以前発表していた2026年から2024年7月に前倒しにすると述べています。

  また、ヒートポンプ、風力タービン、ソーラーパネルの生産を支援するための新たな「グリーン産業税額控除」も導入される予定です。

 これらは「グリーン産業法案」の一部であり、2030年までに国内で200億ドルの投資を引き起ことが可能になると見込んでいます。

 マクロン大統領は、このために近日中にダンケルクにあるヨーロッパ最大のアルミニウム工場を訪問し、来週には、ベルサイユ宮殿で行われる海外投資誘致を目的とした第6回「Choose France」サミットに出席する予定にしています。

 また、この機会にマクロン大統領は、環境制約に関する「欧州規制の打破」を呼び掛け、「欧州連合はすでに近隣諸国よりも多くの規制を行っており、今はフランスの業界が安定を必要としている時期である」とも述べ、現在の規制に手を加えないとしています。

「規制の面で、我々は、アメリカ、中国、あるいは世界のどの強国よりも進んでいる!」とし、これらのルールに関しては新たな変更を加えることは、資金調達などの面でリスクを引き起こし、これらの事業参入を遮ることになるため、控えなければならない時だと言っているのです。

「フランスは世界のどの強国よりも進んでいる!」と言い切るとは、相変わらず、自信満々で自画自賛するあたりは、また反発を呼びかねないところですが、早速、数人の左派や環境活動保護家の懐疑的、また批判的な反応を引き起こしており、これは大統領の環境への配慮低下の表れとみなしています。

 臆面もなく、「世界一!」だとか、「今は、その時ではない!」というマクロン大統領に対して、「フランスを統治する未熟なティーンエイジャーだ!」など、これまたちょっと言い過ぎなキツい声も上がっています。

 今回のマクロン大統領の提案に対しては、この「現在の規制に変更を加えない」という部分が反発を生んでいるのですが、彼は「既存のルールに従って欧州大陸で生産する方が、世界の他の地域よりも優れている」と言っているのです。

 日本でも太陽光発電やソーラーパネルなど、環境問題に対応する産業については、その産業促進のための保護や支援などが様々な問題を生んでいる面もあるという話も聞こえてきますが、彼自身も公言している200億ドルの投資が見込まれているという大金が動く産業は、単に環境問題だけでは片付けられない大事業であるということです。

 しかし、それにしても、行く先々で鍋を叩かれ、反発の声が上がっても、相変わらず自信満々にスピーチし続けるマクロン大統領、しかも、いかにも反発を生みそうなことを平然と言ってのけるあたり、やっぱり彼のハートは強いな・・と感心するのです。


フランスの再産業化


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2023年5月11日木曜日

さんざん待たされた検査にちょっとドキドキした・・

  


 ここのところ、私は老人なみに医者通いばかりしている気がします。そんなに深刻な状態ではありませんが、そもそも私には心臓などの持病があり、だいたい3ヶ月に一度はかかりつけのお医者さんに通い、一応、チェックしてもらって処方箋を書いてもらって、薬を飲みながら生活しています。

 2~3回、心臓専門医にもかかったことはあったのですが、しばらくご無沙汰していたので、かかりつけのお医者さんに行った時に、ずっと心臓専門医にかかっていないんじゃない? そろそろ、また行ってチェックしてもらった方がいいから、まず血液検査をして、その結果を持って、また心臓専門医に行った方がいいかもしれない・・と言われて、血液検査をしたのがそもそもの始まりでした。

 血液検査はすぐにできたものの、心臓専門医の予約が数ヶ月先になるというので、一応、血液検査の結果を持って、いつものかかりつけの医者に行きました。すると、心臓の他に肝臓の数値に問題があると言われて、今度は別の検査をするように、そのための処方箋を書いてくれたのですが、今度はその検査の予約が1ヶ月後と言われて、まぁそんなに緊急にというわけでもないだろうから、まあいいか・・と検査の日を待っていました。

 そもそも検査なんて気が進まないものです。

 過ぎてしまえば1ヶ月など、すぐに過ぎてしまうもので、検査の日の前日の夜9時以降は何も食べないで朝も水だけにしてくださいなどと言われたものだから、なんだか余計に前夜からドキドキして、私もけっこうチキンだな・・などと思いながら、当日の朝はいつもよりずっと早起きして検査に行ったのです。

 今回の検査は病院内の放射線科に予約を入れていたので、他の患者さんもたくさんいる中、やはり検査の場所は前日から食事がとれなかったりすることもあるせいか、早朝というのに結構、混んでいて、時間を決めて予約しているのにもかかわらず、結構、待たされるハメになりました。

 まあ、それ以前にもう1ヶ月も待っているので、ここでちょっと待たされるくらいで腹をたてても仕方ないし、なんだか検査を受けたくない気持ちもありました。

 健康診断と違って、明らかに異常があるから受けに来ている検査で、一体どんな結果が出るのか知りたくないという気持ちもあって、正直、入院した方がいいとか、手術が必要だなど言われたら、どうしよう? あまり積極的な治療はしたくないしな・・などと思いながら、しかし、この検査を先延ばしにしたところで、いつまでも不安な気持ちが残るだけだと自分に言い聞かせていました。

 かかりつけのお医者さんには、ラジオを受けてきなさいといわれていたので、私はてっきりレントゲンだとばかり思っていたら、実際の検査はエコグラフィーで、そういえば、エコーなんて、妊娠していた時以来のことだな~と思いながら、検査を受けました。

 仰向けに寝てください、こっち向いて横になって、あっち向いて横になって・・などと言われながら、私には、エコーで映し出された画面は見えず、また見たところで全く私にはわからないけれど、検査をしている人には、その場で結果が見えているわけで、びくびくしながら、まな板の上の鯉状態。黙って彼女の言う通りにしていると、彼女の方から、「特別に深刻なことではないから、お医者さんに結果を持って行って、薬を処方してもらうか、食餌療法をしてみるかになると思います」とその場で言われて、診断結果をもらって、まずはホッとして、帰るとすぐにかかりつけのお医者さんに予約をとったのです。

 相談の結果、「しばらく食事に気をつけて様子を見て、改善されるようだったら、それに越したことはないし、それでもダメなようだったら、薬を飲むようにしましょう。一度、薬を飲み始めると一生つづけなければならなくなるから・・」と言われて、嬉しいような哀しいような気持ちでした。

 最近でこそ、できるだけ野菜を多くとるようにしようなどと、少々、食事には気を付けているものの、私は若い頃からお酒が大好きで、結構、飲んでいたし、熱いもの、辛いものなど、およそ身体に悪いものばかりが好きで、「身体にいい・・」などと言われるだけでマズそうな気がしていました。

 それでも、フランスに来てからは以前よりはずっと飲まなくなっていたし、ここ半年ほどは、あんなに好きだったお酒が全然、飲みたくなくなっていて、冗談みたいに「お酒が飲みたくないなんて、私、死ぬかもしれない・・」などと思っていました。

 身体というのはうまくできているようで、私がお酒を飲みたいと思わなくなったのには、身体が拒否していた状態だったのかもしれません。

 とはいえ、長年の習慣で、飲みたくなくても、スーパーマーケットなどでワインの瓶などが積みあがっていたりすると、なんだかワクワクする気持ちは残っているので、なんだか少し哀しいです。

 ひとまずは、食事に気をつけて様子を見るということで、一件落着したのですが、もはや食べることくらいしか楽しみがないのに、食事に気を使わなければならない=好きなものを好きなだけたべられないのはとても悲しいことです。

 しかし、好きなものを好きなだけ・・といいつつも、その大部分は食い意地の方が勝っていて、実際にそんなに食べられるわけでもありません。

 体力も低下してきて、食べられるものも減ってきて、できなくなることが増えていきますが、身体の調子が悪いのは何よりも辛いこと・・死んでもいいけど、死ぬまでは元気でいるために、それなりの努力をしていかなければならないんだな・・と戒められる検査でした。

 

検査 エコー 食餌療法


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2023年5月10日水曜日

世界の料理ランキング 今度は3位だったフランス料理 フランス人の反応は?

  


 夏のバカンスシーズンの予約戦線模様が高まる中、バカンス先を選ぶにあたって、旅先で、その行先を左右する大きな項目の一つとなり得るとして、CNNトラベルが世界の料理ランキング発表しています。

 たしかに、私もバカンスの目的地を選ぶ時、美味しいものが食べられる場所というのも重要なポイントになっています。

 今年のランキングの堂々1位は、イタリアで、パスタ、ピザ、リゾット、生ハムやサラミ、チーズなどなど、イタリア料理は何世紀にもわたって世界中の味覚を魅了し続けていると評されています。どうやらイタリア料理の人気は、不動のもののようで、この手のランキングには、たいていイタリア料理が君臨しています。

 2位に選ばれたのは中華料理で、同じ国とは思えないほどの多様な郷土料理、点心や酢豚、鴨の丸焼きなどが挙げられています。私は中国には行ったことがないので、本場の中華料理はわかりませんが、逆にけっこう、色々な国を旅行していると、そのクォリティは別としても、どこの街にも中華料理のお店があるということは、それだけ多くの人に受け入れられている料理であると言えるかもしれません。

 昔、イギリスを車で旅行してまわっていた時、かなり閑散とした田舎町でも、フィッシュアンドチップスと中華料理だけは、どこにでも必ずあるんだなぁ・・と感心した記憶があります。

 そして、今回、フランス料理は、3位に入ったのですが、フランスでは、3位になったということを「表彰台を完成させるのは、フランス料理だ!」などと、その3位をことさらに重要視するような書き方をするところがフランスだな・・と失笑してしまいます。

 ミシュランガイドの発祥地であるフランスでは、食べることは芸術であり、上質なワイン、洗練されたチーズ、カスレ、シチュー、カタツムリ、フォアグラ、マカロン、そして伝統的なバゲットは、最も美食家の味覚を喜ばせると豪語しています。

 昨年末にWorld Atlasが発表した世界の料理ランキングでは、フランス料理がアメリカよりも下にされたことに憤っていたフランスは、今回のランキングでは、アメリカを引き離した結果になったことには、そこそこ満足しているものの、フランスは美食の国!フランス料理は1位の座を奪還しなければならないと息巻いています。

 我々は、もっと観光客を歓迎しなければならない!工業生産ではないフランスの本当の美味しさをあじわってもらいたい!と・・。

 しかし、実際には、いわゆる観光地と言われる場所の近辺には、明らかに観光客仕様と思われるレストランも多く、若干、値段が高めの設定がされているうえに、その値段のわりには、クォリティがイマイチだったりすることも多いので、パリでレストランを選ぶ時には、観光客目当てのお店と思われるレストランは、避けるようにするのも現実です。

 今回の4位以降のランキングには、スペイン、日本、インド、ギリシャ、タイ、メキシコ、アメリカが続いています。

 個人的には、食べ物ならば、圧倒的に日本なのですが、日本人の私にとって、日本は圏外というか、殿堂入り的な存在です。日本に帰国する際には、旅行と言うよりも所用も多いのですが、なんといっても食べに行って、食料をたくさん買って帰ることも重要な目的です。

 しかし、旅行先として場所選びをする場合は、もうあまり長旅は嫌だということもあるのですが、やっぱり、比較的、気軽に行けて、美味しい場所として、イタリアを選びがちで、今年は久しぶりにイタリアに行こうと思っていたところです。

 イタリアは、何を食べてもハズレがなく、旅行していると、つい、その土地の料理に飽き飽きしてきたりすることも多いのですが、イタリアなら、全然、飽きることなく大丈夫。食材はもちろんのこと、その組み合わせなどもセンスがよく、シンプルな素材が引き立つような感じで、これまで何度もイタリアには行っていますが、今まで一度たりとも、「これは、ハズレだ・・」と思ったことはありません。

 逆に、フレンチの場合は、正直なところ、いくら美味しくても、数日続くと、「ちょっと、しばらくはいいかな・・」と思ってしまうのも事実です。

 まあ、フランス、特にパリならば、フランス料理だけでなく、色々な料理が楽しめるので、不自由はしないのですが・・。

 それでも、フランスにはけっこう長くいるので、そこそこ国内旅行もしてはいるのですが、あらためて、国内旅行したいと強くは思わないのは、私にとって、そこに特に食べたいものがあるわけではないからかもしれません。

 つまり、CNNトラベルが言っている、食べるという目的が旅先の選択に重要な役割を果たしているというのは、本当だな・・と思っているのです。


世界の料理ランキング フランス料理3位


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2023年5月9日火曜日

海外在住の場合、お墓はどこに入るのがよいのか?

  


 年齢を重ねると、友人との話題も健康問題やお墓の話題が多くなるなどという話を聞いたことがありますが、今のところ、私たちは、健康問題については、はたまに話すことはあってもお墓の話についてはあまりしたことがありません。

 一度、従妹の一人が嫁ぎ先は代々、医者の家系?で遺体は遺骨もろとも献体しているためにお墓というものがないとのことで、自分が死んでもお墓というものがないので、実家のお墓に入れてほしい・・なんならお墓には家名を掘らずに、誰でも入れるように墓碑銘として、この食い意地の張った家系にふさわしい「食」とう文字を刻んだらどうか?などという話はしたことがあります。

 私の場合は、日本の実家のお墓か、夫の眠るフランスのお墓かなのですが、そもそも私はこのままずっとフランスに住み続けるかどうかも、はっきり決めているわけでもないので、どうなるかはわかりません。

 もしも、フランスにお墓がなければ、私のためにわざわざお墓を立ててもらうつもりはなかったのですが、思わぬことに、夫が急に亡くなった時に、夫が走り書きのように書き残していたメモのようなものを偶然にも義理の息子が発見し、それには、「自分が死んだ時には、お墓は家から一番近い墓地にしてほしい・・」というようなことが書いてあったので、夫のお墓は近所の市営墓地に決め、思いがけずに、フランスでまさかこんな買い物をするとは思わなかったお墓を買うことになったのでした。

 そもそも、夫が亡くなったのは、夫がまだ50代の時で、しかも、倒れてから数日後のことだったので、まさか亡くなるとは、まるで思ってもみなかったので、夫とお墓の話などはしたことがありませんでした。

 夫の両親が入っているお墓は義兄夫婦の家の比較的近くにあり、当時は夫も羽振りがよく、やたらと立派なお墓を建てたみたいなのですが、なぜか夫はそこに一緒に入りたいとは思っていなかったようです。

 そんなわけで私には、もしも私がフランスで死んだ場合には、自分で買ったお墓が待っているので、そこに入ることもできます。というよりも、自分で買っておいて、そこには入らないというのもなんか損な気もします。

 しかし、妙な話ですが、市営墓地なので、場所を借りているというようなカタチになっているので、夫が入った時の契約では、30年契約にしてあるので、それ以降になる場合は、契約を更新しなければなりません。契約を更新しない場合は、次の借り手のためにお墓は潰されてしまうので、まあ合理的といえば合理的なシステムです。

 つまり、私が買ったのは、墓石だけなのですが、私としては、けっこう大きな買い物でした。

 もしも、日本にいた時に死んだ場合は、実家の両親や祖父母が入っているお墓ということになるのだと思いますが、特に私には、どこのお墓に入りたいという希望はなく、娘には、遺体や遺骨を運ぶのは大変だろうから、フランスで死んだ場合はフランスのお墓に、日本で死んだ時には日本のお墓にと、一番、簡単な方法にしてほしいとだけ頼んであります。

 よく、仲の悪い夫婦や義家族などと一緒のお墓に入りたくないなどという話を聞くこともありますが、骨になってまで、それがどこにあろうと、あまりこだわるつもりは全くありません。なんなら、海にでも捨ててくれてもいいと思うくらいなのですが、それはそれで結構面倒なことらしいので、本当に簡単にしてくれて構わないと思っています。

 わりと最近にお父様を見送った友人が父上の遺言で海に散骨して、とても清々しく良かったという話なども聞いたこともありました。

 フランスでは、最近は火葬も増えたという話も聞きますが、一般的には未だに土葬にする場合が多いのですが、日本人の場合は火葬にして、日本に遺骨を持って帰るか、もしくは、火葬のできる墓地(ペーラシェーズなど)では、特にお墓を持たない人のために、遺骨を撒く場所もあります。

 フランスの火葬の場合、遺骨というよりも遺灰にしてしまうので、遺骨というよりは、灰(砂)とよぶくらいなので、土にそのまま撒いてしまうという感じにもなるのです。

 私の知人の何人かも灰になって、ペーラシェーズの土となっています。

 私自身は、すでに両親も亡くし、夫も亡くしているのでお墓問題以上に死後の手続きや後片付けがどんなに大変なことなのかはわかっているので、娘一人にかけてしまう負担はできるだけ少なくしたい・・と思うばかりです。

 こうして家の中を見渡してみるだけでも、私一人が生活している空間にどれだけたくさんの物があるのかと思うと本当にこれを少しでも少なくしていかなければ・・と思うばかり、しかも、両親が残してくれた?家や物でさえも、まだ全然、片付いていません。

 自分の後始末は自分でしなければ・・と思うものの、人間は一生の間に1人の人間が一体、どれだけのものをため込んでしまうのか?と思うとおぞましい気さえしてくるし、ましてや自分の身体は、自分では片付けられないし、迷惑をかけてしまうんだな・・とそんな妙なことを、最近は考えているのです。


墓問題


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2023年5月8日月曜日

年に一度の税金の申告 ついつい先延ばしにしてしまう書類も数字も大の苦手な私

  


 嫌なことは、ついつい後回しにしてしまうのが、人情・・というか、私のだらしないところなのですが、特に書類関係、家では総じてパピエ(フランス語で紙)と呼んでいますが、この何か提出しなければいけない書類というものが、心底、嫌いで苦手です。

 まあ、フランスに住んでいるのだから、当然のこと、書類は全編フランス語なのも、私の書類嫌いをより一層、激しいものにしています。こういう書類、普段は使わない言葉も多いので、おそらく日本語でもダメだと思います。

 そんな私は、先月あたりにメールで届いていた「税金の申告をしてください」という知らせに毎年のことながら、「あ~、また今年もこの季節がやってきた~」と、締め切りの日だけを確認して放置してあったのでした。

 税金の申告となれば、私の嫌いな数字が羅列する書類でもあり、夫が生きていたときには、夫に丸投げし、夫が亡くなったあとには、夫の元同僚の女性にお願いしたりしていましたが、ここ数年はネットでの申告になったこともあり、しぶしぶ自分でやっていますが、なんとなく、心もとないことこのうえありません。

 しかし、税務署だけは、しっかり働くフランスで、これを忘れていたまま放置していると、怖いことになるのでは・・と勝手に怖がってもいます。

 「税金の申告をしてください」というメールが来て、まず締め切りの日を調べて先延ばしにするというのもなんなんですが、そもそもそのメールに何月何日までに・・と書いていないことが妙でもありました。

 調べたところ、紙の書類で提出する場合は全国共通5月22日まで、オンラインで申告する場合は、地域によって、どういうわけか、5月25日、6月1日、6月8日までとズレがあります。この地域によって差があるというのも不思議です。

 パリは一番、遅くてもよい6月8日までなので、本当はもう少し猶予があったのですが、やらなければならないことを自ら先延ばしにしておきながら、このあと1ヶ月を「税金の申告しなきゃいけない・・」という、なんかやらなければならないことがずっと心のどこかにひっかかっている状況を引きずるのも、これまた嫌だし、1ヶ月くらいあっという間に経ってしまい、結局、忘れてしまった・・なんてことにもなりかねないので、今日は、とにかく何をおいても税金の申告をする!と身構えていたのです。

 とはいえ、もう書類はほぼ出来上がっていて、その書類に訂正箇所はないかを確認し、訂正箇所があれば訂正するだけなので、そんなに身構えることもないのですが、そこはもう、ちょっと苦手意識と嫌悪感、アレルギーみたいなものです。

 必要だと思われる数字を用意して、税務署の個人アカウントを開けると、やはり既に数字は入っており、数字にも間違いはなく、あっさり完了。しかも、たしか去年までは、「確認」という欄があったと思うのですが、それさえもなくなっていて、「間違いがなければ、このままにしておけば、自動的にこの内容で申告ということになります」というあっけないものでした。

 おそらく、申告忘れを防ぐために、このようなスタイルになったのかと思われますが、相変わらず税務署だけは抜け目がないもんだな・・と感心させられたのでした。

 それにしても申告しなくても申告されるという状況は、私のわずかな資産でさえも、全て国が把握しているということで、やっぱり税務署恐るべし・・と感心させられるのです。

 もう長いこと日本には住んでいないので、日本の税金の申告がどのようになっているのかわかりませんが、日本もそれなりに進歩しているんだろうな・・と、日本に帰ったとしても、たとえそれが日本語であったとしても、気が重いんだろうな・・とも思っています。


オンライン税金申告 フランス


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2023年5月7日日曜日

チャールズ国王載冠式に熱狂するフランス人 フランス人は英国王室が大好き

  


 毎回、イギリス王室のセレモニーとなると、まるで自分の国の王室のように騒ぎたてるフランス人を、なぜなんだろうか?と思います。ことにエリザベス女王ご逝去の際などには、危篤状態だという一報が入ってからというもの、ほぼ、生中継でイギリス王室のメンバーの動向を追い、それが訃報に変わってからというもの、テレビ局もほぼキー局のメインジャーナリストがロンドンに飛び、その様子を伝えながら、エリザベス女王の軌跡を辿る過去映像などを編集した映像が絶え間なく流され、週刊誌などの表紙は全てエリザベス女王が飾るという熱狂?ぶりでした。

 今回のチャールズ国王の載冠式では、やはり前日あたりから騒ぎだし、もちろん当日は多くの局で生中継、エリザベス女王ご逝去から8ヶ月後、1953年以来の載冠式という歴史的なセレモニーに様々なイギリスの伝統的な載冠式ならではの装飾品やセレモニーの中の一つ一つのアクションについての説明や、沿道に出ている多くのイギリス国民やフランスからわざわざこのチャールズ国王の載冠式のために現地を訪れているフランス人のイギリス王室ファンをつかまえてのインタビューなどが延々と放送されていました。

 もちろん、このためにわざわざ沿道に出ている人々はこの行事に好意的な人ばかりですが、何よりもこのインタビューにあたっているジャーナリストもスタジオでそれを解説しているジャーナリストもイギリス国民以上に興奮している感じなのがうるさいくらいで、なんなら、フランス人の解説は入れずに、そのままBBCの映像を流してくれればいいのに・・と思うくらいでした。

 まあ、これだけ各局が生放送で延々と中継するということは、それだけ視聴率が望めるということなのだと思いますが、ハッキリ言って、フランスでは、エリザベス女王ご逝去までは、残念なプリンス・・などという番組が作られたりするくらいで、あまり人気がなかったチャールズ国王とカミラ王妃の載冠式がここまで熱狂されるものとは思っていませんでした。

 しかし、考えてみれば約1,000年の歴史を持つ世界一有名な王室であるイギリス王室の70年ぶりの新国王の伝統的な儀式といえば、フランスだけでなく世界中が注目するのは当然のことでもあり、また世界各国から2,200人以上の要人が招かれているともなれば、なおさらのことで、これは、おそらく全世界規模でオリンピック以上の視聴率ではないか?などとも言われています。

 没後四半世紀が経った今なお、絶大な人気を誇るダイアナ妃の存在は、彼女が亡くなったのがパリであったことも手伝って、おそらくフランスでは、一段と大きく、人気があり、「イギリスで最も嫌われていたカミラがついに王妃になった・・」と、以前、チャールズと不倫関係にあった過去や生い立ちを細かく辿ったり、ちょっと意地悪な感じの報道も併せて流されていました。

 しかし、ともかくもフランス人がイギリス王室の話題が大好きなのは、それが喜ばしいことであろうとスキャンダルであろうとお構いなしで、まるで自分の国のことのように大騒ぎするのは、やはり、フランスには王室がないことや、歴史を尊ぶフランス人の習性と美しいセレモニーや伝統的な儀式に畏敬の念を持ち続けているからなのかもしれません。

 フランスからはマクロン大統領夫妻が参加していましたが、つい先日、チャールズ国王夫妻の公式フランス訪問を政情不安(デモの悪化)のためにキャンセルしてしまったばかり、少々バツの悪い立場でもあったに違いありません。

 延期されたチャールズ国王の公式フランス訪問は9月に延期されたようです。チャールズ国王の来仏よりも、9月には、フランスのデモもさすがにおさまっているだろうと見込んでいるということだろうということが気になります。

 私は個人的には、あまり王室に興味があるわけでもありませんが、このような華やかなセレモニーを見るにつけ、これがダイアナ妃だったら、どんなに素敵だっただろうか?などと思ってしまう人も少なくないのではないか?と思っています。


チャールズ国王載冠式 フランス人と英国王室


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2023年5月6日土曜日

エリザベス ボルヌ首相のパートナーのスキャンダル

  


 フランスでは歴代2代目の女性首相となったエリザべス・ボルヌは、昨年、マクロン大統領が再選されて、組閣した際に任命され、当初は女性の首相が起用されたことで、特に注目を集めてきましたが、ここ最近、ことに年金改革問題が世間を賑わすようになってからは、マクロン大統領とともに支持率がガタ落ちになり、特に問題の憲法49.3条(首相の責任のもとに採決を取らずに法案を通す法律)を発表してからは、矢面になる感じで奮闘しています。

 フランスの歴代初の首相、エディット・クレソン(ミッテラン政権時の首相)は、とにかく過激発言が多かった人らしく、彼女の首相就任期間は正味10ヶ月程度という短命の首相であったようです。

 エディット・クレソンの反日発言は、なかなかなもので、当時、日本がバブル真っ只中の頃、海外の物件などを買い占める日本人を敵と称し、「日本人は兎小屋のようなアパートに住み、2時間もかけて通勤し、高い物価に耐える蟻のような生活をしている」とか、「日本人は黄色い蟻だ!」とか、「フランスに黄色い蟻はいらない!」などと公式の場で発言し、日本政府から正式な抗議を受けたにもかかわらず、一連の日本への嫌悪発言への謝罪を拒否し続けたという記録が残っているようです。

 今の時代なら、あり得ない発言(当時でも充分ありえなかった)ではありますが、彼女の発言は日本に対してだけでなく、アングロサクソン嫌悪発言なども記録に残っており、「ほとんどのイギリス男はホモだ!」などという問題発言もあったりで、彼女の政権は長くは続かなかったようです。

 初代の女性首相に比べれば、ボルヌ首相は彼女自身に何の咎があるわけでもないのですが、正直、今回の年金改革問題で、マクロン大統領の影というより表に立って、一番、割を食っているのは彼女かもしれないと思うくらいです。

 そんな彼女は、経歴を見ると、大変な苦学生で大変な努力家な上に大変な秀才で、そして野心家でもあるようで、とにかく勤勉でよく働く人のようです。彼女は27歳の時に大学職員であった2歳年下の男性と結婚し、子供が一人いますが、19年の結婚生活の後に離婚、その後、独身ということになってはいますが、彼女には、コンパニオン(パートナー・連れ合い)として、周囲に紹介している男性がいるそうです。

 離婚後に別の男性と交際していることは、なんら珍しいことではないし、バリバリに働いていて、あまり女を感じさせることがない(失礼!個人的見解です)彼女もさすがフランス人、ちゃんとパートナーがいるんだ・・などと思っていたのですが、その相手の男性には実は2年前からPACS(事実婚)の届け出が出ているということが物議を醸しています。

 実際のところはわかりませんが、要は不倫に近いようなスキャンダルです。まあ不倫自体も珍しい話ではないし、個人的な恋愛問題を非難するような風潮はフランスにはあまりありませんが、彼女があまりに猛烈に仕事に取り組んでいたことが原因だったのかどうかはわかりませんが、彼女には一時、同性愛疑惑も上がったりしたこともあったとかで、彼女は同性愛に関しては全く否定しているし、実際、結婚歴もあり、子供までいるので、これはデマではないかとは思いますが、そのデマをかき消すためのカモフラージュにこのパートナーを利用していたのではないか?という声も上がっています。

 年金改革問題でマクロン大統領だけでなく、彼女に対しても国民の矢が向いているのは仕方ない話でもあり、そんな折になんとかアラさがしをしてマスコミがつついている結果、こんな話が出てきているのかもしれません。

 まあ、個人的な恋愛問題が首相の立場を揺るがすようなことはないと思いますが、現在62歳の彼女もこんなうわさが出てくるくらい、やっぱり女を捨てていないということなのでしょうか?


女性首相 エリザベス・ボルヌ パートナー


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