今週の土曜日(1月16日)から、フランスの18時以降の夜間外出禁止がフランス全土に広がることになりました。18時門限となれば、通勤して仕事をしている人にとっては、なかなか厳しい制限となります。
この制限は、少なくとも15日間続けられるということです。
子供を預けて仕事をしている人(フランスでは、ほとんどの人がそうなのですが・・)にとっては、仕事を終えて、子供を迎えに行って、18時までに家に帰るというのは、なかなか大変なことです。
とはいえ、18時に子供を迎えに行けば、家に着くのも18時を過ぎてしまうわけですが、それに関しては、許可証を携帯すれば許可されることになっています。
今回のコロナウィルス対策強化に関しては、店舗の営業も18時までということで、日曜日営業に踏み切った店舗などは、この18時以降の外出禁止が全土に渡ることを見越しての対応であったと思われます。
もっとも、フランスは、共働きが多いので、日用品の買い物は、土曜日にまとめてしている人が多いので、土曜日の混雑具合が増すくらいでしょうか? しかも、日曜にまで買い物ができるとなれば、それも土日に分散されることになるので、買い物問題は、ハードルは低いかもしれません。
それでも、幼稚園や学校は、閉鎖することはありませんが、学校内、室内でのスポーツ等は禁止され、キャンティーンは、衛生管理、環境をさらに工夫、強化し、お弁当を持ってくることも推奨されるようになるとか・・高校に関しては、クラスを半分の数に規制する条件で開校、学校内では、週30万件のPCR検査を強化することを発表しています。
また、フランス入国に関しても入国条件を大幅に強化し、EU圏外からの入国者については、入国時に72時間以内の検査による陰性を提示することが必要となり、入国後も1週間の隔離が求められるようになります。
日本などに比べると、「まだやってなかったんかい!」と思われると同時にEU圏内からの入国者にこれを適用しないのは、ヨーロッパ中が感染の渦の中にいることを考えると、どうにも納得がいかないことでもあります。
また、多くのことが禁止されている中、高齢者施設への面会が「衛生管理に充分に気を配った上で」という条件は付くものの許可されていることや、18時以降に許可されることの中に動物の散歩という項目があることも(人間の散歩はダメでも動物の散歩はOK)少々、不思議というか、フランスらしいところでもあります。
特に、最もリスクが高い高齢者施設を最優先にワクチン接種を進めているとはいえ、まだ、充分にワクチン接種が進んでいない中、外部からの人との接触は、避けるべきではないかと思うのです。実際に、再び、高齢者施設でのクラスターも起こり始めているのです。
高齢者と動物には優しいフランスです。
18時以降の外出禁止となれば、かなり厳しい生活になりますが、感染症専門家の中には、これでは不十分としている人も少なくありません。
また、逆に18時以降の外出禁止は、17時から18時の時間帯に余計に混雑状態になると警告を発している人もいます。
しかし、完全なロックダウンになることを思えば、まだまだ全然、威圧感は違います。
とはいえ、夜間外出禁止が全国に広まるには、それなりの感染悪化の状況があるわけで、とりわけ、イギリス変異種の広がりは、脅威で、これは、従来のウィルスよりも30%から70%は感染力が強いとされ、潜在的に子供に対する感染力も強く、現在、フランスでは、100件の感染のうち、1〜1.5件がイギリス変異種によるものであり、毎日200件から300件の感染が確認されていることを思えば、これが今まで以上に広がる危険性は充分に考えられます。
現在の段階で、少しでも感染を抑えるためになんらかの措置を取ることは、やはり必須。
なんとか、この18時以降の夜間外出禁止で、感染状態が好転し、完全なロックダウン状態だけは、避けられますように・・。
しかし、ドイツが「少なくとも4月までのロックダウン」を発表していることを考えれば、淡い期待なのかもしれません。
<関連>
「夜間外出禁止に対応する営業時間変更から日曜営業するフランス」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_13.html
「フランス人の男性のお買い物」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/12/blog-post_27.html
「フランス人のダンナはよく働く」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_22.html