「スーパーマーケットチェーン カジノCasinoは、日曜日の値上げを廃止する1」という見出しを見て、逆に「えっ??日曜日は値上げされてたの?」とビックリしました。
これによると、スーパーマーケットチェーン・カジノは「1月末をもって日曜日のダイナミックプライシングを適用しないことを決定した」と同社広報が発表しています。
そもそも、日曜日には、ほとんどの商店が営業していないフランスでは、パンデミック以降、日曜日も営業するスーパーマーケットなどが少し増えて、我が家の近所のカーフールなども、午前中だけではありますが、日曜日も営業するようになりました。
しかし、今回、話題に上っているカジノブランドのスーパーマーケット(特にハイバーマーケット)では、2018年12月以来、消費者に安心感を与えるサービスとして日曜日の全日営業を行っていましたが、この実験的?な試みには、日曜日限定で、商品の価格を少し変えるという試みも加えられていました。
消費者に安心感を与えるサービスと同時に日曜日に商品の値上げをするというのは、どうにも矛盾する気もしますが、同社は、このダイナミックプライシングを航空運賃などの変動価格にヒントを得て導入したと言われています。
ある調査機関の調査によると、同系列のハイパーマーケット5店の価格調査を公開し、調査対象の約半数が土曜日の午後と比べて日曜日には値上げされている事実が浮上しています。
大きなものでは36%の値上げで、全体的には約15%の値上げが認められたと言われています。(全商品が値上げされているわけではない)
商品一つ一つに値札がつけられているわけではない現在、価格変更の原理は簡単で、電光掲示板によって店内に表示する商品の価格を1日ごとに、あるいは1時間ごとに変更することができ、連動してバーコードの価格が変更されるのです。
カジノチェーンは、日曜日の値上げを、店を一日中開けておくための「コスト」として正当化しており、「店の運営費、警備員の人件費、日曜に空いた店を月曜の朝から片付けるための追加シフトなど、これらのことから、一部の製品を値上げせざるを得なくなった」と経営陣は説明していました。
年中無休が珍しくない日本では、このような休日出勤の雇用契約がどのようになっているのかわかりませんが、フランスの場合、一般的に、日曜営業をするには、特別な許可を申請する必要があり、そのうえ、従業員に対して、休日出勤手当として、ドゥーブルペイエと言われる割り増し料金を支払わなければならず、同じ商品を同じ価格で売るためには、人件費だけでも余分なコストがかかるため、割の悪い商売になるのです。
私自身は、フランスに来た当初、ほとんどの店舗が日曜日には閉店してしまうことに、ちょっと驚き、平日、子育てをしながら平日は仕事をしている身としては、「なんで?みんなが買い物に出られる日に休みなの~~?」とウンザリしていましたが、土曜日には、子供のお稽古事の送り迎えのハシゴをしながら、その合間に買い物をするという超忙しい土曜日にも慣れ、日曜日には、ぐったりして一日休息の日、あるいは、まったくの余暇の一日となることにも慣れ、たまに日本に行ったりして、日曜日にもお店が開いていることに、「えっ?そうか・・日本は日曜日もお店、やっているんだった・・」となんとなく、買い物の予定を日曜日を避けて日程を組んでしまっていたりして、逆に、「なんか曜日の感覚が崩れるなぁ・・」などと思ったりしたものです。
今では場所によっては、日曜日も開店しているお店が増えたとはいえ、なんとなく、未だに私の中では、日曜日はお休みの日という刷り込みが消えず、日曜日に買い物をするということはないのですが、まさか値段が変えられていたということは、全く知りませんでした。
このダイナミックプライシングをなぜ、やめると発表したのかはわかりませんが、インフレが続いているこのご時世、消費者が値段の変動に敏感になったことが原因なのかもしれません。
今のところ、他のスーパーマーケットチェーン等は、この件に関して、あまり積極的にはコメントを出していないし、カーフールなどは「この手法は使っておらず、ダイナミックプライシングの原則はない」と述べています。
いちいち、細かい商品価格のチェックを日替わりで行う趣味はないものの、日曜日に値上げされていた・・などという話を聞けば、一応、値上げする理由などは、理解できるものの、あまり気分のいいものではなく、やっぱり日曜日には買い物しない方がいいのだな・・と思ってしまうのです。
ダイナミックプライシング カジノ Casino
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