2023年4月11日火曜日

マルセイユでの大規模な爆発事故 夜中にこんなことあり得る?

  土曜日から日曜日の夜の午前 12 時 46 分、マルセイユ市内中心部で激しい爆発事故が起こり、この爆発のあった建物1棟は完全に崩壊したとともに、がれきの下で火災が発生し、その両隣にあった建物が午前7時頃になって、引きずり倒されるようにして倒壊するという大惨事が起こっています。 爆撃でも受けたのかと思うほどのちょっと目を疑うくらいの惨事です。 近隣住民の証言によると、爆発当時から朝にかけて、強いガスの臭いがしたという声が多数あがっており、少なからずガスが起因しているとは考えられているものの、爆発の具体的な原因については、現段階では不明と発表されています。 この事故がおこった地域は、旧市街で、建物自体も老朽化の監視対象になっていた建物ではなく、一体、なぜ、こんなに悲惨な事故が起こったのか疑問でもあります。 今回の事故では、消防隊、救急隊が非常に迅速に駆けつけて、救助作業にあたり、それからは昼夜たがわずに救出作業が継続されていますが、少なくとも、おおもとの爆発が起こった建物は、映像を見るにつけても、もうほとんど粉々の状態で、がれきをさらに崩さないように、警察犬を使いながら、下に人がいないかどうか確認してからの作業になっているとのことで、非常に時間がかかっているということです。 この事故が起こった時間帯(午前1時近く)からしても、爆発から建物が倒壊するまでの時間がどの程度あったかわかりませんが、いずれにしても、寝ていた人も多いであろうし、迅速に避難することが可能であったとは思えません。 月曜日の夜の段階までで、遺体は6体発見されていると報告されてはいますが、この惨状を見ても犠牲者が6人で済んでいるとは、とても思えないほどの倒壊ぶりです。 しかし、実際の爆発から、朝になって隣の建物が倒壊するという長時間にわたる事故は、考えるだけでも恐ろしく、近隣の200人が学校や体育館などに避難している状況です。 結局、爆発のあった建物と両隣の建物がほぼ、全壊しているわけで、パック(イースター)の祝日のまっさ中のこの悲惨な事故はマルセイユ市民を震え上がらせています。 このような救出作業は1時間遅れるごとに、生存者を発見する可能性が低下するといわれていますが、2日経った現在は、どうやら犠牲者を探す段階に入っているようです。 遺体の身元確認も簡単なことではなく、どうにか命からがら避難した人でさえも、自分を証明するIDカードも何もない状態で、生きていても、自分の証明ができないとパニック状態に陥っている人もいます。 また、倒壊した建物の中には、Airbnbとして貸し出されていた部屋もあったと言われており、犠牲者が外国人の場合は、その身元確認は一層、困難になると言われています。 この手の災害になると、必ず引き合いに出されるのが日本の災害に対する対応で、このような事故は、長いことトラウマを引きずることになり得る、日本の災害対応に学ぶことがたくさんあるなどと述べているジャーナリストもいます。 また、悲惨な現場の状況や救出作業、避難状況などが多く伝えられているものの、その原因については、深く掘り下げられてはいませんが、この皆が寝静まっている時間帯になぜこんな爆発事故が起こるのかは、とても疑問であり、この事故がテロのような、故意におこされたものであったのか、全く不慮の事故であったのかどうかの検証には至っていませんが、一応、検察は「故意ではない傷害事件」として捜査を開始しているようです。Comme...

2023年4月10日月曜日

12歳の少女を襲ったパリのメトロの痴漢は、あっさり釈放

   もうずいぶん前の話になりますが、日本の電車では、痴漢に遭ったことがありました。日本で通勤していた頃の話で、あの日本のギューギュー詰めの満員電車の中では、身をかわすのも大変で非常に嫌な思いをした覚えがあります。 それに比べれば、パリのメトロで日本ほどの満員電車というのは、非常時(ストライキで間引き運転になったりしている時など)を除いて、経験したことがなく、きっとパリのメトロには、そんなに痴漢行為に及ぶ人はいないんじゃないかな?と勝手に思っていました。 それほどギューギュー詰めに混んでいるわけでもなかったら、周知される可能性も高く、痴漢行為に及ぶ側もハードルが高いわけで、また、こ...

2023年4月9日日曜日

フリマサイトVinted(ヴィンテッド)(フランス版メルカリ)でコカインの転売をしていた男逮捕

   インフレが続く中、フランスでは、ディスカウントショップが急成長し、ともに業績を伸ばしているのは、Vinted(ヴィンテッド)というフリマサイト(日本でいうメルカリのようなサイト)で、ここ数年、フランス国内だけでなく、利用者はベルギー、スペイン、イタリアなどの国の人々とも取引ができるようになり、ますます業績を伸ばしています。 例にもれず、私もこのサイトをもう数年にわたって、利用しており(私の場合、もっぱら家の不用品を売るだけで買いませんが・・)、以前は提携店に荷物を届けに行っていたものが、多くの場合は、人を介することなく、指定のロッカーで、バーコードを読み込んで、荷物を置いてくるだけで済むようになり、より簡単で便利になりました。 私にしてみれば、断捨離の一環で、それを写真に撮って、載せておくだけで、売れたと通知が来れば、梱包して送るだけで、ちょっとしたお小遣い稼ぎになるので、大変、喜ばしいサービスで、日本のメルカリのように手数料なども取られないので、メルカリよりも割が良い気がしています。 もともと、中古品に対してあまり抵抗がなく、倹約家(ケチともいう)でもあるフランス人の間では、このようなサービスにはもともとポテンシャルがあり、ルボンカンというサイトも有名ですが、最近は、ヴィンテッドのサイトの方がサイト自体が簡潔で便利にできているので、こちらの方が圧倒的に人気になってきている気がしていました。 このように、時代の潮流にのって、利用者が拡大していけば、必ずよからぬことに利用する人が出てくるものですが、案の定、このヴィンテッドのサイトを利用して、コカインを販売していた男が逮捕されたというニュースを聞いて、なるほど・・と思ってしまいました。 たしかに直接、人と会って荷物を渡すわけでもなく、しかも広範囲の人に物が売れ、料金は、自動的に自分の口座に振り込まれるのですから、他のものとセットにして転売すれば、かなり発見されるリスクは少ないわけです。 どのようにして、この男の犯行に目がつけられたのかはわかりませんが、逮捕後の家宅捜索では、様々な薬物(コカイン300g、大麻樹脂315gなど)が押収されたほか、4,300ユーロの現金、拳銃、ライフル、12個のカートリッジが押収されたと言われています。 この男は、1年半にわたってVinted(ヴィンテッド)でコカインの転売を行っていたと自供しているようですが、自宅で発見された薬物に加えて、普通、家に置いておくにしては、高額の現金や拳銃やライフルなどの武器まで発見されたということは、Vintedでの販売は彼の商売の一端に過ぎなかったような気もしています。 それにしても、薬物と武器は、ここでもセットで、薬物の密売には武器が不可欠なものとなっていることを認めざるを得ないような気がしています。 当然、現在、彼のサイトはすでにクローズされていますが、他のものに紛れて、コカインの販売を行っていたことは間違いなく、現段階では、サイト上で彼と取引のあった10人が尋問を受けたと言われています。 1年半にわたる販売履歴はサイトでは確認できるものの、そのどれにコカインが含まれていたのかを特定するのには、かなり時間がかかることになりそうです。 Vintedには、一応、取引の際に相互に評価をつけるシステムになっていて、自分が取引する相手が信用に足る人であるかどうかの判断基準の参考にできるようにはなっていますが、顧客側とて、まさかこの評価にコカインのことを明記するはずもなく、たとえ他のものを買ったとしても、他にヤバいものを売っている人だった場合は、大変なことになってしまうこともあり得るということです。 まあ、特別なケースだとは思いますが、買い物をする場合は、注意しなければならないかもしれません。 便利になると、何かそれを利用して悪事を働く人がでてくるのは、これに限ったことではありませんが、私としては、けっこう身近に利用しているサービスなだけに、(今日もいらないTシャツが売れてロッカーに置きに行ったばかり)なんだか、ざわざわする感じがしたのです。Vinted(ヴィンテッド)コカイン販売<関連記事>「最近フランスに繁殖するハードディスカウントショップ アクション Action」「フランス版メルカリ ヴィンテッド...

2023年4月8日土曜日

マクロン大統領とボルヌ首相の不協和音

   年金改革問題は一向にけりがつかないどころか、迷走状態のまま、反発がやまない状態の中、マクロン大統領は、中国を訪問するため、3日間フランスを離れていました。出発前に、彼はマスコミの取材の前に側近を通じて「フランスの民主主義の危機」を否定し、年金改革には、明確な権限があることを強調し、止まない暴力行為に懸念の意を表していました。 引き続き、高圧的な態度を全く崩さないうえに、相対する国民の暴力を非難するという最悪のシナリオです。 もはや、彼の発する言葉にいちいち腹を立てるというよりは、もうすでに怒りは頂点に達している感じで、彼の発する一言一句に怒らないまでも、どうにも彼の発言はいちいち神経を逆なでするようなことばかりで、あれだけ「口が上手い」というか、お話が上手だった以前の彼からしたら、最近の彼から出る発言は、まるでシナリオライターが変わったのではないか?と思ってしまうほどです。 それに対して、マクロン大統領の留守を守るボルヌ首相は、ここにきて、「物事を急がないように細心の注意を払う必要があり、物事を休ませる必要があり、組合の面目を潰すべきではなく、...

2023年4月7日金曜日

マクロン大統領ゆかりのレストランが燃やされる! 11回目の年金改革反対デモ

  今年に入ってから、公式には11回目のデモが、色々な意味で盛大に行われました。CGT(全国組合連合)の発表によると 200 万人、当局の発表によると 74万人の人がデモに参加しました。 パリだけでも、少なくとも11,500人の警察、憲兵隊がデモの警備にあたる中、今回はプラスイタリー(イタリア広場)が集結場所として選ばれました。集結場所はプラスイタリーでも、そこに到達するまでにデモ隊は、抗議の声を挙げながら、パリ市内をあちこち行進していくわけで、その途中で、様々な摩擦が生まれるのは毎度のことです。 今回は、パリ6区にある有名なブラスリー「ラ・ロトンド」付近でデモ隊の一部と警察の衝突が起こり、レストランの赤いテントに発火筒が投げつけられ、赤いテントが燃え上がる火災が発生しました。MANIFS...

2023年4月6日木曜日

23年間務めたエリゼ宮の職員が突然の解雇で投身自殺未遂

  今回の事件が起こるまでは、私はエリゼ宮(大統領官邸)の職員には組合がないことを知りませんでした。とかく、組合が強すぎる傾向のあるフランスで、エリゼ宮というフランスの象徴的な場所に組合がないとは、びっくりです。 逆に私の中のイメージとしては、エリゼ宮など、どこよりも組合が強いような気がしていたくらいです。 一般人は容易に足を踏み入れることはできないエリゼ宮は、大統領をはじめ、政府の首脳や外国からの要人が招かれるたびに、しばしば、その中の様子をテレビなどで映し出され、その煌びやかな様子や、そこで供される食事や軽食などをチラッと垣間見ることはできますが、なんと300人の憲兵を含む82...

2023年4月5日水曜日

マルセイユ麻薬密売組織による銃撃事件で一晩で3名死亡

   日曜日の夜にマルセイユで一晩に3名死亡、12名が負傷する銃撃事件が起こり、世間を震撼とさせています。しかも、標的になったのは14歳、15歳、16歳の未成年だというのですから、さらに驚きです。 実は前日の土曜日の夜にも銃撃事件は起こっており、20代の男性4人が負傷し、警察は通報を受けて、現場にかけつけていますが、翌日の銃撃事件では死亡者が出たために、大きく報道され、前日の事件も併せて公になったと思われます。 日曜日の夜(日曜日から月曜日にかけての夜)、午前0時20分頃、3人のティーンエイジャーが銃撃され、そのうち1名(16歳)は現場で死亡、他2名(14歳と15歳)のティーンエイジャーは重体で入院、他21歳と23歳の男性が死亡しています。 この銃撃事件は麻薬密売組織の縄張り争いだそうで、麻薬密売組織の縄張り争いでなぜ?14歳・15歳・16歳の少年が撃たれて死ななければならないのか?標的にされるということは、この年齢で麻薬の密売にかかわっていたということで、麻薬やドラッグの取り引きにこんな年齢の子供が加わっている現状には、ちょっとため息も出ない感じがします。 たしか、2年前にも同様の事件がマルセイユで起こっており、その時に事件を受けてマルセイユ市長が発表した声明の中に、「マルセイユではパン・オ・ショコラを買うようにカラシニコフを買うことができる。この現実はなんとしても止めなけらばならない・・」という部分があって、衝撃を受けたことを記憶していますが、残念ながら、その状況は改善されていないようです。 麻薬密売組織=銃器などの武器を確保という図式は定番というか、もうセットになってしまっているのが現状のようで、麻薬密売組織の拠点を追跡すると麻薬やドラッグだけでなく、銃などの武器が押収されるという図式になっているようで、武装してまで守りたい縄張り争いとは、恐ろしいことです。 フランスは欧州一の麻薬消費国と言われていますが、彼らにとっては最高のマーケットとなってしまっている現状をフランスはなんとかしなければなりません。 この事件を受けて、内務相ジェラルド・ダルマナンは秩序維持に特化した部隊である...