2025年11月6日木曜日

私の子育ては、「いかに子どもを疲れさせるか?」がテーマだった・・

  


 自分自身が子育てをしていた時は、とにかく必死で余裕がなくて、ただただ、ひたすら、毎日をこなしていて、あまり多くを考えることができていませんでしたが、「心身ともに健康な子どもに育てるためには、とにかく身体を動かせることを心掛けなさい!」という親族の中の教育関係の仕事に従事していた面々の助言を受けて、とにかく小さい頃からエネルギーを発散させることを常に考えていました。

 幸いなことに娘はとても健康で、また有り余るほどのエネルギーの持ち主で、私たち夫婦の鍛えにもビクともせずに、小さい頃から昼寝などもほとんどというか、全くといっていいほどしない(必要としない)にもかかわらず、夜まで全く問題なしに活動し続ける頑強な体力の持ち主で、むしろ、私たちの努力は、発散させるどころか、ますます娘のエネルギーを増大させる結果となっていました。

 なので、いつしか私のテーマは「いかに子どもを疲れさせるか?」がテーマとなっていました。

 しかし、実際には、娘は私が身体を動かすことを強いることはなくとも、例えば、一緒にでかけたりしても、駅の階段は、エスカレーターがあっても、隣の階段をあっさり登り切り、エスカレーターを使って上がってくる私を優越感満々の顔で出迎え、下手をすると、わたしがエスカレーターを登りきるまえに、せっかく階段で登りきったところをまた降りて、もう一度、登って見せる・・そんなことまでやっていました。

 実際に娘はなぜか階段の昇り降りが大好きで、階段が全面にそびえているサクレクール寺院などは、娘のお気に入りの場所でもあり、彼女はサクレクール寺院を「神様のおうち」と崇め、「お休みにどこに行きたい?」と聞くと、「神様のおうち」のリクエストがけっこう多かったのですが、この階段、娘を疲れさせる手助けになると、私にとっても、まさに救いの神でもありました。

 そんな荒業をやっても、息切れ一つせず、全く疲れた様子はなく、もう生半可なことでは、疲れなくなっていたので、もうこれは、水の力を借りるしかない・・とプールに連れて行くことも多かったのです。

 もう娘につきあって動いていると、休みの日などはもうヘロヘロで、お昼寝しようよ・・と娘と一緒にウトウトしかけたりもするのですが、娘の方は全く寝る気配もなく、一方、もう一瞬でも寝そうになるものなら、「寝ないで~!寝ちゃダメ~~!」と私にとっては拷問のようでした。

 公園などに行って、娘が走り出すと、もうとても追いつかなくなって、ある日、チュイルリー公園に寄った際に、いつものように駆け出して行った娘を「あ~また行っちゃった!」と後ろから小走りに追いかけたのですが、そのスピードたるや、ものすごくて、半ばあきらめかけていたところ、急に娘の姿が視界から消えたと思ったら、高い石垣のようなところから、落っこちてしまったのです。

 もう絶望的な気持ちと焦る気持ちで、この時ばかりは私も遅まきながら、全速力で駆け付けて、石垣の下を覗いたところ、なんと娘のコートが木の枝にひっかかっていて、娘は地面に落ちることなく、木にぶらさがっている状態だったのです。

 石垣の下にいたカップルが、「奇跡的!本当にラッキーだったね・・」と言いながら、ぶらさがっていた娘を助けてくれましたが、あの時ほど焦ったことはありません。

 しかし、子育てが終わった今になって思うのは、近年のキレやすかったり、突然、奇異な暴力行為に走ったりする青少年や若者を見ていると、心身のエネルギーのバランスをとれるようにするには、この「エネルギーを発散させる」ということはけっこう大切なことだったんじゃないか?と思うのです。

 これは大人にも同じことが言えるかもしれませんが、「心身ともに鍛えて健康になる・・「」という言葉の意味があらためて、単純だけど、心を突いた言葉なんだなと思う今日この頃なのです。


子育て


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2025年11月5日水曜日

青少年の電子タバコ使用の深刻な増加

  


 最近、フランスでは青少年の電子タバコの使用が深刻な増加を見せていると言われています。そういえば、最近、軒並み、大小かかわらず、近所のコマーシャルセンターの空き店舗だった場所に電子タバコのお店がオープンして、「えっ??こんなお店、需要あるの?」と、ちょっと不思議に思っていたところでした。

 電子タバコは、従来のタバコのように目立たないことから、周囲に青少年がいない私にとっては、全く気が付かなかった現象でした。

 たしかフランス政府は将来的には、タバコ撲滅に向けて、将来的には、タバコのない世界にしよう!みたいなことを言っていて、喫煙場所は以前に比べてかなり減ってきたし、以前は、歩きタバコが異様に多く、「だいたい、危ないよな~」と思っていたのですが、それもずいぶん減った印象でした。

 しかし、皮肉なことに、タバコの税金を爆上げし、街中からタバコを閉め出しつつある状況の中で、従来の紙巻タバコよりもずっと目立たず、使いやすく魅力的な電子タバコが次々と登場し、その需要が拡大し、しかも、以前よりもさらに低年齢層にも簡単に手が届きやすくなって、電子タバコ利用者が急増しているというのです。

 電子タバコが急激に拡散したのには、ニコチンの有無にかかわらず、風味付きのエアロゾル・人工煙を楽しめることから、入口が広くなったということにも原因があり、結果的には、ただの風味付きの人口煙だけでなく、ニコチンへの移行に繋がることになります。

 この傾向は、脳がまだ発達途上でニコチンに敏感な脆弱層に影響を与えるため、大変、懸念されるもので、青少年期に喫煙を始めた人は成人期に喫煙を始めた人よりもニコチン依存症になるリスクが高くなります。

 電子タバコが人気を集めているのは、使いやすく目立たないポット型電子タバコの登場や多様性のある魅力的なフレーバー、若者をターゲットとした巧みなマーケティング、入手しやすい使い捨てデバイスや比較的低価格であることなどが理由として考えられます。

 ニコチンは青少年の脳に有害な影響を及ぼす可能性があり、注意力、学習能力を低下させる可能性があります。

 また、健康リスクとしては、今さらですが、呼吸器系への刺激を引き起こし、急性肺疾患の発症リスクを高める可能性があり、長期的にはその他の慢性呼吸器疾患のリスクも高まる可能性もあります。

 さらに困ったことには、この電子タバコによってPTC・合成カンナビノイド(人工的な大麻成分)の人気が高まっていることで、この物質は電子タバコのリキッドとして消費されることが多くなっており、これがまたさらに深刻な健康リスクを生み出してしまうのです。

 具体的な症状としては、失神、健忘、意識喪失、発作、妄想、幻覚、自殺念慮、パニック発作、吐き気、嘔吐などなど、かなり深刻な症状です。

 保健当局は、ついには、電子タバコからのこのPTC中毒、入院を必要とする新たな事例についてなど警告を発し始めました。

 またもう一つの懸念は、自分でリキッドブレンドできる「DIY Do It Yourself」が人気を得ていることから、危険な物質を取り込んでしまう可能性もあるということです。

 しかし、電子タバコにせよ、紙タバコにせよ、ひとつを閉じ込めようとすれば、また違うところから、さらに芽が出て、さらに拡大してしまうというのも、なんだか、多くのことに当てはまるような気もするのです。


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2025年11月4日火曜日

初めてのコインランドリー体験

  


 もう四半世紀以上もパリにいるというのに、これまで私は、パリでコインランドリーというところに行ったことがありませんでした。

 私はふだん、ほぼ全てのものを家の洗濯機で洗濯して、家の中の空いているスペースに干しまくるのですが、空気が乾燥しているせいか、夜、洗濯して、だいたい一晩で乾いてしまうので、乾燥機というものも買わず(だいたい家が狭いので、乾燥機を置くスペースもない)、一晩、干してもいま一つスッキリ乾かないものは、アイロンをかけてしまうという荒っぽい?ことをしています。

 ただ、今の家に引っ越してくる前(パリに来た当初)に借りていたアパートは、アパートというよりステュディオのような狭いアパートで、乾燥機はおろか、家には洗濯機もなかったので、たいていのものは、私が手で洗濯し、大きなものだけ、まとめて休日に夫が車でコインランドリーに行って、洗濯してきてくれるという、そんな生活をしばらく送っていたこともあります。

 しかし、私自身は、コインランドリーには、行った記憶がほとんどありませんでした。

 今回、友人が家に来ていて、別に家で洗濯すればよいと思っていたのですが、彼女が家干しが嫌で、できれば、乾燥機にかけたいし・・コインランドリーに行きたいというので、一緒についていきました。

 自分が全く利用しないので、自宅付近でどこにコインランドリーがあるのか?また、コインランドリーとは、どうやって使うのかが全くわからず、おそらく、そんなところにわざわざ英語表示があるとも思えず、彼女も困るだろうと着いて行ったはいいけれど、私自身もさっぱりわかりません。

 一応、手順などは書いてあるのですが、具体的に使うとなると腰がひけるものです。

 今の時代だから、カードが使えるようになっているのかと思いきや、現金のみ。洗剤や柔軟剤などは、別売りで売っていましたが、それをどこに入れたらいいのか?表示がわかりにくいことこのうえないのです。

 結局、洗濯をしに来ていたお兄さんに、「すみませんが、初めてなので、使い方を教えていただけませんか?」と頼んだら、感じよくすんなり教えてくれました。

 私が驚いたのは、けっこうコインランドリーを利用している人というものは、いるもので、決して清潔そうに見えない人が多いのに、みんなちゃんと、こうして洗濯しているんだ・・すごいすごい・・えらいえらい・・と、へんなことを感心しました。

 これなら、私も大きなシーツ類とか、タオル類とか、大きな洗濯機で洗濯して乾燥機をかけるのも悪くないな・・と思ったのですが、家のすぐ近くにあるならいざ知らず、まあまあ歩く距離ではあるので、車もないのに、この大荷物をそこまで運ぶだけでも大変だ・・と思い直し、私は、引き続き、家の洗濯機プラス家干し、乾きが悪い場合は仕上げにアイロンのやり方を続けるかな?と思います。

 ちなみに料金は、洗濯ものの量によって使うマシンが違うので、それによって料金も変わってくるのですが、だいたい普通サイズで4ユーロ程度、乾燥機が10分1ユーロでした。


コインランドリー


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2025年11月3日月曜日

娘の仕事と契約交渉

  


 娘が日本で生活を初めて、そろそろ3年が経ちます。当初、仕事を始めた会社から1年ほどで転職をして、現在の会社に移ってから約1年半が経ち、その際の契約は、特別プログラムのようなもので、契約期間は、MAX2年間ということだったので、その後は、「どうしようかな?そのまま、その会社に正社員として契約しなおして残ってほしいというオファーのある人もいるし、むしろ、その期間をバネにして、他へ転職したりする場合もあるらしいけど・・」と決めかねている様子でした。

 どちらにしても、その時点では、MAXの契約期間までには、まだ3ヶ月以上も猶予があったので、とりあえずは、それまでは現状と変わらないのだろうと思っていました。もはや彼女の仕事に関しては、ほぼほぼ心配はしていないのですが、彼女の性格上?というか、仕事に対する考え方などを聞いていると、「また違う国で仕事をする」などということもあり得ないではないので、そうなると、また、別の意味で心配なこともあるかな?くらいに漠然と考えていました。

 ところが、数ヶ月後の契約期間完了を前にして、会社の組織上の編成の変更から、「社員契約をしてほしい」という話になったらしく、現在、その交渉にあたっているそうで(ほぼほぼ、決まっている話ではあるらしいけど)、どうやら、まだ、しばらくは日本で仕事をすることになりそうで、私としては、少しだけホッとしています。

 現在は、さまざまな条件等を交渉中とのことで、そうでなくとも継続している日常業務がかなり忙しいうえに、スキーなどのスポーツや旅行などにも忙しく飛び回っていて、つくづく若いな〜と感心するくらいで、一体、いつそのようなことを検討したり、交渉したり、手続きをしたりしているのだろうか?と思えば、ほぼほぼ全て携帯ひとつで、移動中などに・・ということで、側で見ているだけでも目が回りそうな感じです。

 それでも、ガッチリしている娘のこと、給与交渉をはっきりさせないでOKしてしまうなんてビックリ!と言ったら、「まあまあ、このくらいから、このくらいまでの範囲内」ということは、わかっているので、まあ、いいかな?ということで、けっこうゆったりと構えています。

 まあ、一人で生活していくには、充分な金額なので、そこは良いと思っているのかどうかは、よくわかりませんし、具体的な収入は私も聞いていませんが、同年代のおおよその収入の感じよりは、かなり良いようなので、あとは、会社の体制とか仕事の仕方とか、内容とか・・判断する内容は色々あるのでしょうが、そのあたりも納得いっているものだと思われます。

 むしろ、段階的に本契約に至ったことは、双方にとってよいことなのかもしれません。

 しかし、収入面でも良いかわりに、仕事もなかなか大変そうで、リモートワークが半分くらいとはいえ、家で仕事をしているときも、他の国との時差の関係で今日は朝9時から会議(というのは、ふつうだと思いますが、ヨーロッパの時間に合わせて午後8時からとか、アメリカの時間に合わせて午後9時からとか午後10時から会議とか、やっているので、その間、びっちり仕事をしているわけではないけれど、その準備の時間などを入れれば、結局、かなり拘束時間が長くなるわけで、大変そうではあります。

 もう親子がすっかり逆転していて、せっかく私が日本に来ているのに、「ママ、お仕事忙しくて全然、遊んでくれない・・」(実際には、忙しい中、かなりつきあってくれています)と子どもだったら、言うかもな・・と思う感じです。

 このまま、彼女が現在の仕事を続けていくかどうかはわかりませんが、とりあえず、またしばらくは、安泰で少しホッとしています。

 ただ、ちょうど来ていた、彼女の住民税の請求書?を見てびっくり!日本の住民税ってこんなに高かった?そもそも、わりと収入がよいうえに、世帯主、独身、子どもなし、扶養家族なしなので、高いのも仕方ないのでしょうが、それにしても、私の想像を大きく越えていたので、驚いた次第です。

 実際に私が日本で仕事していたのは、かなり昔の話、しかも会社のお給料から直に差し引かれていたため、住民税とか、厚生年金などが、それぞれいくらだったかなんて、全然、覚えていないのですが、もしかして、そんなに払ってたのか? それとも、私が日本にいた頃よりも、ずっと上がっているのか? どちらにしても、厳しいことです。


雇用契約 住民税


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2025年11月2日日曜日

今年のハロウィンの人気の仮装はルーブル美術館の強盗犯

  


 ハロウィン(フランスではトゥーサン)の季節を迎え、以前は、ハロウィンよりもトゥーサン(万聖節)、亡くなった人を祀る=簡単に言えば、お墓参りの日という印象が強かった(今でもお墓参りの日ではある)フランスですが、ここ数年で、だいぶハロウィン色が濃くなってきて、かぼちゃをくりぬいたり、いわゆるハロウィンの仮装をする人々が増えてきて、スーパーマーケットなどにもハロウィンの仮装用の衣装が店頭に並んでいます。

 仮装しているのは、子どもを中心としたその親たちや若者たちなのですが、まあ、吸血鬼だったり、ドクロだったり、魔法使いだったりとベーシックなものが一般的ではありますが、毎年、その年の象徴的なものがモチーフになることもあります。

 そんな中、今年は皮肉?なことに、わりと最近に起こったルーブル美術館の強盗の仮装がけっこう人気を呼んでいるようで、特にSNS界隈(TikTokなど)で若者たちがルーブル美術館の強盗が着ていた黒い服にジレ・ジョーヌ(いわゆる黄色いベストやオレンジの蛍光色のベスト)を着て、バラクラバ(つまり帽子とマスクを合わせたような帽子)をかぶって強盗を装い、動画を撮って、投稿するのが軽いブームになっています。

 今回のルーブル美術館の強盗たちは、作業員を装うつもりだったのか?皆、黄色いベストを着用していたのです。強盗に入るならば、真っ黒な服など、できるだけ目立たない服装を選びそうなものを、よりによってわざと目につきやすい蛍光色のベストを着て、目くらましをするとは、大胆な発想です。

 そもそもこの黄色いベストは、数年前の燃料税増税で起こった抗議運動に続いて、年金改革問題など、なにかの抗議運動の際のシンボル的衣装となっていますが、この蛍光色のベストは、そもそも、緊急時などに着用するためのもので、どこの家にでもふつうにあるもので、手軽に安く手に入るもので、今回、ハロウィンの仮装の衣装といっても、衣装?を揃えるのが極めてお手軽なのも、この現象が一気に広まった要因でもあるかもしれません。

 まさか、よりにもよって、世界一有名なルーブル美術館に強盗に入るなどということは、誰も予想すらし得なかったことで、今世紀最大の歴史に残る強盗事件です。

 盗賊といえば、フランスには、アルセーヌ・ルパンという小説上の大強盗が有名ですが、変装の名人といわれたアルセーヌ・ルパンを彷彿とさせる今回の大強盗事件。しかし、変装とはいえ、最も庶民的な、また、近年の度重なるデモや抗議運動の象徴ともなっている黄色いベストでの変装とは、世相を表しているようで、なんとも皮肉な話でもあり、また、それがさらに、ハロウィンの仮装のトレンドのようになるとは、シニカルなフランス人らしいアイディアでもあります。

 ただし、バラクラバで頭を覆うのは、本来ならば法律違反なので注意が必用で、公共の場で顔を隠すことは禁止されており、1,500ユーロの罰金が課せられる可能性があるそうです。

 安くついたはずの仮装が実は高くついた・・なんてことになりませんように・・。


ハロウィン 黄色いベスト


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2025年11月1日土曜日

フランス語って、本当にむずかしい・・

  


 今、パリに来てくれている私の友人は、けっこう海外経験も豊富な人で、英語も堪能な人です。彼女は言語というか、語学そのものが好きなようだし、パリに来ても、すぐに、スイスイ一人で動きまわるものだと思っていました。

 とはいえ、かなり長いこと、ヨーロッパには来ておらず、久しぶりということもあって、ちょっと戸惑いはあるようなのは、私には、とっても意外なことでした。

 運悪く、パリに到着した途端から、様々なトラブルに遭遇していることもあるのでしょうが、第一には、やはり「フランス語」という言語の壁が彼女にとって非常に高いということがあったようです。

 まあ、ふつうの日本に住んでいる日本人にとっては、フランス語というものは、あまり馴染みのない言語であるわけで、英語が堪能な彼女でさえも、「え?そうなの?そうか・・」とあらためて、気付かされます。

 というよりも、何より、私自身がほぼ最初はフランス語初心者で、渡航するまで(最初は西アフリカでしたが・・)には、直前に1カ月くらいアテネ・フランセに通っただけで、ほぼフランス語ゼロの状態で、アフリカに行ってから、大学に通って、本格的にフランス語の勉強を始めたものの、最初は、発音を聞いて、アルファベットの綴りをなんとなく思い浮かべるということが、フランス語においてはできなくて、辞書を引くのでさえも四苦八苦して、何度も何度も同じ単語を辞書で引かなければならず、大変、苦労していたことを思い出しました。

 当時は今のようにネットも発達していなくて、ひたすら、古典的に辞書を引いて、書いて覚えるという繰り返し・・もう中年に差し掛かってからのことだったので、覚える側から忘れていく・・しかし、ある程度、フランス語ができなければ生活が成り立たないという焦りもあって、なんだか必死に勉強した時期がありました。

 今では、その時のそんな苦労はすっかり忘れていて、フランス語だったら、こういう綴りであろう・・ということが予想がつけられるようになっているので、なんか、そんなフランス語が厄介な言語ということも忘れていました。

 しかし、そんなことを偉そうにいうほど、私のフランス語は今でも完璧には程遠いのですが、彼女が駅のマップなどを見ながら、「だいたいメトロの駅名でさえも読めないから、駅名からして探すのがた~いへん!もうフランス語アレルギーになりそう!!」などと言っているのを見て、フランス語ってそういえば、そうだった・・と、昔を懐かしく思い出します。

 今だって、正確にフランス語を書くということは、とても大変なことだし、私は決してフランス語が好きではありません。

 その点、英語は一応、世界の公用語でもあり、かなり単純な言語で、やっぱり、「なんて英語っていいんだろう!」と思います。

 彼女は現在、軽いフランス語アレルギー・・英語が恋しい恋しい・・といっており、あたりまえのことながら、街中はフランス語であふれていて、英語を見つけると嬉しい!と「FIVE GUYS」というお店の看板を見て、「ああ~英語があって、なんだかホッとする!」などとのたまっています。

 しかし、パリは以前に比べれば、格段に英語で応対してくれるお店なども増えていることも、同時に感心しているところでもあります。


フランス語


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2025年10月31日金曜日

行く先々でトラブルに遭遇・・友人とのトラブル続きのパリ観光

  


 ものすごく久しぶりにヨーロッパに来た友人と彼女が行きたいところをピックアップして、少しずつ廻ることにしていますが、この日は、彼女は自分の好きなミュージシャンのアルバムのジャケット写真の表紙に使われている場所で写真を撮りたい!ということで、まったくベタな話ですが、エッフェル塔が全景で見える場所=トロカデロ(シャイヨ宮の正面)に行くつもりで出かけました。

 ところが、6号線の一部が工事中のため、思っていたとおりのルートが利用できずに急遽、ルートを変更。パリ・リヨン駅経由で乗り換えて、目的地へ・・。

 ところが、パリ・リヨン駅で改札を通ろうとしていたところに、浮浪者のような人がウロついて、他人が改札を通ったあとに紛れて改札を通ろうとしていた様子はなんとなく見ていたのですが、近くにいた人が「ポケットに気を付けて!」と大きな声で注意してくれた時点で、この浮浪者が改札を他人と同時にすり抜けるのと同時にスリを働こうとしていたことが、発覚。慌てて、友人の袖をつかんで、「この人が通るのを待ってからにした方がいい・・」とストップ。

 結局、この人は、別の人と一緒に改札をすり抜けて行きましたが、友人はぞっとしたらしく、「なんなの?怖い!パリ!」とドキドキしてしまったようでした。

 そして、今度は無事に電車に乗ったと思ったら、今度は検札官が3~4人でやってきて、「チケット拝見!」と・・。友人曰く、「本当にこんな感じで検札が来るんだ!威圧感半端ない・・」と、またまたドキドキ・・。

 さらに、ようやくトロカデロに着いたと思ったら、なんとこの日はフォーラムをやっているので、終日通行止めの進入禁止とのこと。「え~~?楽しみにしてきたのに、なんで~~?」とまたショック。

 そして、気を取り直して、フレンチのレストランでランチをして。なんとなく、トラブル続きの本日の気分を変えられたのかな?と思って、ヤレヤレ・・と清算を頼みました。すると、持ってきたレシートは、なんだか?思っていたよりも、ずいぶん高い・・。おかしいと思ってよくよく内容を確認してみたら、どうやら、私たちの分のレシートではなく、別の人の分のレシートと間違えて持ってきたようでした。

 「これ、間違ってます・・私たちのものではないのでは?」とレシートを突き返すとウェイターさんは一旦、戻って確認すると、「すみませんでした。こちらでした・・」と。危うく高い請求分を支払うことになるところでした。

 「まったく、パリってのは、全てにおいて、気が抜けないところだね・・」といいつつ、超有名なカフェでお茶していこう・・とカフェのテラス席へ・・。

 しばらくすると、ホームレスがテラス席に座っていたお客さんに向けて、お金をせびりに来たところで、お店のスタッフた数名、すっ飛んできて、追い払ってくれたのですが、その追い払い方が容赦ないというか、なんだかすごい勢いと迫力。

 歴史あるカフェだけに、お店の品格と信用を落とさないための措置だとは思いますが、なんだか微妙な気持ちになりました。

 一日を振り返って、結局のところは、何一つ被害に遭ったわけではないのですが、すんでのところで何度危ない、危うい目にあったことか・・と。

 ふだん、私が一人で出歩いている時には、そうそう一日にこんなにトラブルに見舞われることは少ないことですが、そのひとつひとつを振り返ってみれば、どの出来事もパリでは起こり得ることには違いなく、やっぱり注意が必用なことばかりかもしれません。


パリ トラブル


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