2025年10月31日金曜日

行く先々でトラブルに遭遇・・友人とのトラブル続きのパリ観光

  


 ものすごく久しぶりにヨーロッパに来た友人と彼女が行きたいところをピックアップして、少しずつ廻ることにしていますが、この日は、彼女は自分の好きなミュージシャンのアルバムのジャケット写真の表紙に使われている場所で写真を撮りたい!ということで、まったくベタな話ですが、エッフェル塔が全景で見える場所=トロカデロ(シャイヨ宮の正面)に行くつもりで出かけました。

 ところが、6号線の一部が工事中のため、思っていたとおりのルートが利用できずに急遽、ルートを変更。パリ・リヨン駅経由で乗り換えて、目的地へ・・。

 ところが、パリ・リヨン駅で改札を通ろうとしていたところに、浮浪者のような人がウロついて、他人が改札を通ったあとに紛れて改札を通ろうとしていた様子はなんとなく見ていたのですが、近くにいた人が「ポケットに気を付けて!」と大きな声で注意してくれた時点で、この浮浪者が改札を他人と同時にすり抜けるのと同時にスリを働こうとしていたことが、発覚。慌てて、友人の袖をつかんで、「この人が通るのを待ってからにした方がいい・・」とストップ。

 結局、この人は、別の人と一緒に改札をすり抜けて行きましたが、友人はぞっとしたらしく、「なんなの?怖い!パリ!」とドキドキしてしまったようでした。

 そして、今度は無事に電車に乗ったと思ったら、今度は検札官が3~4人でやってきて、「チケット拝見!」と・・。友人曰く、「本当にこんな感じで検札が来るんだ!威圧感半端ない・・」と、またまたドキドキ・・。

 さらに、ようやくトロカデロに着いたと思ったら、なんとこの日はフォーラムをやっているので、終日通行止めの進入禁止とのこと。「え~~?楽しみにしてきたのに、なんで~~?」とまたショック。

 そして、気を取り直して、フレンチのレストランでランチをして。なんとなく、トラブル続きの本日の気分を変えられたのかな?と思って、ヤレヤレ・・と清算を頼みました。すると、持ってきたレシートは、なんだか?思っていたよりも、ずいぶん高い・・。おかしいと思ってよくよく内容を確認してみたら、どうやら、私たちの分のレシートではなく、別の人の分のレシートと間違えて持ってきたようでした。

 「これ、間違ってます・・私たちのものではないのでは?」とレシートを突き返すとウェイターさんは一旦、戻って確認すると、「すみませんでした。こちらでした・・」と。危うく高い請求分を支払うことになるところでした。

 「まったく、パリってのは、全てにおいて、気が抜けないところだね・・」といいつつ、超有名なカフェでお茶していこう・・とカフェのテラス席へ・・。

 しばらくすると、ホームレスがテラス席に座っていたお客さんに向けて、お金をせびりに来たところで、お店のスタッフた数名、すっ飛んできて、追い払ってくれたのですが、その追い払い方が容赦ないというか、なんだかすごい勢いと迫力。

 歴史あるカフェだけに、お店の品格と信用を落とさないための措置だとは思いますが、なんだか微妙な気持ちになりました。

 一日を振り返って、結局のところは、何一つ被害に遭ったわけではないのですが、すんでのところで何度危ない、危うい目にあったことか・・と。

 ふだん、私が一人で出歩いている時には、そうそう一日にこんなにトラブルに見舞われることは少ないことですが、そのひとつひとつを振り返ってみれば、どの出来事もパリでは起こり得ることには違いなく、やっぱり注意が必用なことばかりかもしれません。


パリ トラブル


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2025年10月30日木曜日

久しぶりに行った シャルティエ(BOUILLON CHARTIER)が激混みしていてビックリした

  


 日本から来ている友人のリクエストで、「このレストラン!行ってみたい!」という写真を覗いたら、「BOUILLON CHARIER」で、久しぶりに出かけました。

 ここは、庶民的でありながらも、レストランの中のつくりが、ちょっと古き良きフランスの時代を彷彿とさせる雰囲気があり、王道というか、定番フレンチのメニューが単品から気軽に頼めるお店です。

 日本からパリに来た人には、けっこう喜ばれるお店です。なんといってもお値段がお手頃価格で、この円安の現在でも、まあまあ許容範囲・・というか、ヘタをすると、ファストフードだって、もっとかかってしまうのでは??と思うほどです。

 いつ、行っても変わることなく、いつでも混んでいるのですが、今回は、これまでにない混みようで、お店に着いたのはお昼時12時半くらいではあったのですが、とにかく行列が何重にもなり、他のお店の前を超えて道をはみ出るほどの並び方。

 現在、フランスはバカンス期間中で家族連れのお客さんなどもけっこういることもあるのか、こんな行列、初めて!というほどでした。


 延々の行列・・といっても、お店の中はけっこう広いので、回転は悪くなく、もっともっと永遠に待たされるのかと思いきや、行列が最後の直線コースに入った(お店の正面が見える位置)ところまで進んだ時点で、前には4~5人の家族や人数の多いグループばかりが並んでいたためなのか?「お二人ですか?では、お先にどうぞ・・」と最後の最後に30人抜きくらいで急に前に進めて、並んだのは結局、30分~40分くらいでした。

 店内は、あまりギューギュー詰めに座席を詰めて置いていないので、一端、入ってしまえば、ほぼ満席ながらも、そこまで混んでいる感じがないのもこのお店の良いところです。

 今回は、超忙しい時間帯のウェイターのおじさんたちのあまりの機敏な働きぶりと嫌な顔ひとつしない、しかも間違いなく正確で素早い対応に思わず、目を見張ってしまいました。



 このお店のウェイターさんたちは、一人一人は、そんなに若い人はむしろほぼほぼいなくて、中年以降のおじさんばかり、黒を基調にした制服とエプロンに身を包み、皆、ものすごく誇り高く働いている感じがとてもいいな・・と思いました。


地鶏のローストと牛タン


 一見、あまり年配の人がやらなそうな仕事ではありながら、「なまっちょろい小坊主には、この仕事なんか務まらないだろう・・」とでも言っているような、プロの仕事人・・そんな感じがしました。

 

生クリームたっぷりのシュークリーム

 お料理はいつものように美味しかったし、完璧?でしたが、そんなウェイターのおじさんたちの心意気を妙に感じてしまった今回のレストランでした。

 なんといっても、このお値段、この日はメイン、デザート、コーヒーをそれぞれ食べて、一人、15ユーロくらいでした。今どき、パリでこんな値段でそこそこの食事ができるところって、そうそうありませんから、混んでいるのも当然です。

 しかし、並ぶ価値はあります。


シャルティエ(BOUILLON CHARTIER)


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2025年10月29日水曜日

観光客の観光客用のメトロ・バスのチケットについて

 


 友人がパリにやってきて、パリに滞在中の移動のために使うチケットは、どんなチケットを買ったら良いのだろうか?と、ちょっと迷いました。

 私がこちらで日常的に生活するために使用しているNavigo(パリ市内を利用できる定期券のようなもの)は1ヶ月分をチャージするのがふつうなので、その他のNavigoについてよく知りませんでした。

 本当は、空港で1週間分パリで使えるチケットを買ってしまったら、ラクかな?と思っていたのですが、空港のチケットを売っているマシンへ行って、いざ、買い進めようと思ったら、観光客用の「Forfait Paris Visit」(パリ観光パッケージ)というものしかなくて、それが、1日分29.90€、2日分44.45€、3日分62.30€、5日分76.25€となんだかふつうのNavigo(1ヶ月 88.80€ )に比べて、めちゃくちゃ割高なのにビックリ!ちょっとあまりに高いんじゃない?とちょっと引いてしまいました。

 ネットで調べていたところ、たしか、短期用のパスには、Forfait Semaine (1週間用のパッケージ)というものがあったはずなのに・・と思って聞いてみたところ、このForfait Semaineをチャージするためには、まず、パリ市内のメトロの駅でカード(Le Passe Navigo Découverte)(ディスカバリー・パスナビゴ)を作る必要があるそうで、まずこのカードを作らなければなりません。しかし、このカードを作るのは、意外にも簡単です。

 このカードを作るためには、本人の顔写真が必用ですが( 2.5 cm*  3cmくらいの小さめ・・あまり写真の正確なサイズはうるさく言われませんが大きすぎるとカードに貼れないのでダメだと思います)、写真が必用というだけで、写真さえあれば、メトロの駅の窓口でこのカード(Le Passe Navigo Découverte)(ディスカバリー・パスナビゴ)を作りたい・そして、「1週間分をチャージしてください」と頼めばその場ですぐにできます。5分でできます。

 このカードをまず作る(5€)と、その後、このカードにチャージできます。そうすると、1週間分(Zone 1~5)が31.60€でチャージできます。なので、最初はカード分5€を加えると36.50€かかりますが、その後、追加するときには、1週間分31.60€でバスもメトロも乗り放題になります。

 いわゆる一番買いやすい「Forfait Paris Visit」(5日分)を買うよりも安い金額でメトロもバスも乗り放題のカードが手に入るのでお得だと思います。

 あまりメトロやバスを使わない方には、必用ないのかもしれませんが、ふつうに自分でバスやメトロなどの公共交通機関を利用してパリを観光して歩くには、こちらの方がずっとお得なのでは?と思います。

 また、バラでバスやメトロのチケットを購入したり、チャージしたりする場合は、バスとメトロのチケットは料金も違い、パスも別々のものになるので、ややこしく、よく、バスの中で観光客が、運転手さんに、「これはバスのチケットじゃなくて、メトロのチケットだから、別に、今、携帯で払えるから今ここでチャージして・・」などと言われているのを目にすることも多々あるので、けっこうややっこしく、そんな光景を見かけるたびに、「じゃあ、携帯持ってない人はどうすんのよ!」と思います。

 「だったら、もっとわかりやすく表示しておけよ!」と思いますが、バス停などに、そんな表示をしてあるのは、あまり見かけたことはありません。

 それで、正しいチケットを持っていないときに、検札にあたれば、観光客でも容赦なく罰金をとられるので、まず、正しいチケットを確保しておくことをおススメします。

 このLe Passe Navigo Découverteは、どこの駅でも発行できるのかどうかはわかりませんが、とりあえず、駅の窓口に行く必要があります。

 友人は「パリって物価が高いんだね~」と驚いていますが、とりあえず、交通費もなかなかバカになりませんから、少しでも自分の滞在にあった、お得なチケットを見つけることは、けっこう大切かもしれません。

 ちなみに1週間分のカードは、月曜日から日曜日までとなっています。


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2025年10月28日火曜日

CDG空港で電車が不通になって大変だったけど、お兄さんがとても親切だった話

  


 日本から友人が来てくれるので、彼女も久々のヨーロッパというので、「じゃあ空港まで迎えに行くよ!」と空港まで出向きました。といっても、私は車を持っているわけではないので、電車で行って、一緒に電車で帰るだけなのですが、それでも、久しぶりに会える友人に少しでも早く会えて、電車の中でもぺちゃくちゃおしゃべり出来たら楽しい・・そんな呑気な気分でした。

 ところが、飛行機は定刻よりも早くに到着し、通関もスムーズでわりと早く出てこられたまではよかったのですが、いざ、さて、家に帰ろうか・・となったら、空港からの電車(RER B線)が不通になっていました。まさにフランスあるあるです。

 空港でのチケット売り場にいたお兄さんに、「どのくらい動かないの?」と一応、聞いてみると、「RERは17時半までには動くと言っているけど・・(その時点ではあと30分くらいな感じだった・・)」との回答も、そんなの絶対にあてになるはずはありません。

 「となると、タクシー以外になにか選択肢はありませんか?」と聞くと、自分のスマホを出して、スラスラと調べてくれて、「このバスに乗って、ここまで行って、その先はこれがいいんじゃない??・・」と教えてくれました。

 それなら、バスでもいいや・・と思ったのが甘かった・・。そりゃそうです。RER B線が動かないのですから、バスの混雑ぶりは恐ろしいほどです。すでに一台がギューギュー詰めになっているのに、まだ出発せず、しかもバスに乗れなかった人の山がもう一台でも、恐らく乗り切れないだろうと思われるほどの黒山の人だかり・・。しかも、次のバスが出るのはさらにその40分後・・。

 もうバスは諦めて、タクシーで帰ろう・・となって、タクシー乗り場に行くと、こちらもけっこうな人・・それでも、タクシーの運転手さんが出てきて、「パリまで100ユーロはかかるよ!今日は・・」と意味不明の警告。

 「今日は電車が動いていなくて、人も多いから、100ユーロはかかる・・」と言い張ります。定額料金なはずでしょ!と言っているのに、ぼったくる気満々・・。

 もうそれでは、空港バスでオペラまで行くか・・と一回、空港に戻り、チケットを買おうかと思っていたところに、最初にバスを教えてくれたお兄さんがいたので、これまでの経緯を説明して、「どうしよう!」と泣きついたら、「じゃあ、Uber頼めば・・」と・・。

 でも、私は、「アプリも入れてないし、Uber なんて使ったことないから・・」といったら、私の携帯でサラサラとUber の予約をしてくれました。

 若い、おそらく20代の移民らしきお兄さんでしたが、嫌な顔ひとつせず、ロクに携帯も使いこなせないおばさんのために、「これは、こうして・・運転手に連絡取りたい場合は、ここを押して・・」と、ウーバーが来るパーキングの場所までちゃんと教えてくれて、あまりの親切に感動してしまいました。

 お兄さんは空港の職員のようでしたが、こんな親切な空港職員、初めて会いました。

 そんなわけで、友人とともに、タクシーよりも格段に安い値段で無事に家に帰ってくることができました。

 なんだか、腹を立てたり、慌てたり、お兄さんの優しさに感激したり、忙しい1日でした。


CDG空港からのタクシーとUber


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2025年10月27日月曜日

麻薬密売のための隠れ蓑になっている店舗の拡大

  


 ヨーロッパ1が明らかにした警察の報告書によれば、食料品店、ケバブ店、理髪店、ネイルサロンなどの店舗の新規開店が麻薬密売に端を発する大規模なマネーロンダリング計画の隠れ蓑として機能していると警告しています。

 全国的に拡大しているこの怪しい現象は、当局の深刻な懸念を引き起こしています。

 シャルルヴィル・メジエール(フランス北部アルデンヌ県)、市内中心部郊外にある夜遅くまで営業している食料品店(何でも売っている小さなスーパーマーケットのような、営業時間が長い点ではコンビニのようでもある・・けど日本のコンビニとは全然違う)は、今年の夏に開店したばかりでしたが、ここが麻薬取引の拠点であることが判明し、店長に有罪判決が下っています。

 2025年6月に開店したばかりのこの店は、すでに近隣住民から不審な活動が多く見受けられることから、懸念を持ち、市当局に通報していました。

 市民からの通報により、この食料品店では、警察がまず店長の身元確認を行った後、店内を捜索しました。現場捜索の結果、押収された品物には合計500グラムを超える大麻樹脂と大麻草のほか、コカイン、ヘロイン、秤、携帯電話、包装袋、数十箱のタバコ、香水瓶、衣類などが含まれていました。

 この品目を見ると、まるで違法販売の物品の倉庫みたいな感じです。

 シャルルヴィル・メジエール検察庁はこれらの事実を公開し、「警察の拘留下において、この食料品店の店長は、これらの品物の所有権を認めている」ということです。

 この食料品の店長は、麻薬取締法(CRPC)に基づき、麻薬の使用、所持、取得の罪で起訴され、懲役10ヶ月と携帯電話の没収と800ユーロの罰金を言い渡されたそうです。

 しかし、お店でこんなもの扱っておいて、懲役10ヶ月と携帯電話の没収と800ユーロの罰金だけって、ずいぶん甘くない?と思うのは私だけでしょうか?

 パンデミック以来、パリでもたくさんの店舗が潰れて、新しい店舗に入れ替わっている感はあるのですが、まさか、ケバブやネイルサロンなど、一見、あまり警戒感を感じないような店舗にまで、この麻薬密売組織が絡んでいる可能性が拡大しているなんて、本当に恐ろしいことです。

 地域にもよるのでしょうが、この手のお店などが新規開店した場合、ちょっと疑ってかかって用心するのは、ありだな・・と思うのでした。


麻薬密売の隠れ蓑の店舗拡大


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2025年10月26日日曜日

RER C線の暴行男から被害者女性を救い、動画まで撮影して犯人逮捕に貢献したのは勇敢な女性

  


 友人がパリに行くという話をしたら、同僚のカナダ人から、パリは危ないから、メトロなどの公共交通機関に乗るときには、「バッグを前に抱えたりして、充分、気をつけなきゃダメだよ!」と言われたという話を聞いて、苦笑してしまい、「今は、そこまでだとは思わないけど・・、まあ、気を付けるに越したことはないけど・・」という話をしたばかりでした。

 数日前にRER C線の中でブラジル人の若い女性が車内で襲われ、暴行を受けたというニュースがSNS上で出回っていました。

 普段、私は、ほとんど郊外線に乗ることはないのですが、せいぜい、郊外線を利用するといえば、空港に行く時くらいのもの(しかもオルリー空港はメトロ14号線で行けるようになったので、シャルルドゴール空港に行くとき乗るRER B線)です。

 しかし、ふだんは、ほとんどパリ市内から出ることはない私にとって、郊外線というものは、乗るたびに、パリをちょっと出ただけで、いきなり景色が変わる・・グッと開けていない感じの空き地の多い、のどかなエリア・・つまり田舎に突入することに驚かされます。

 私は、東京で生まれ育ったので、東京都内だけでもずっと広いし、たとえ、都内を過ぎても、しばらくは、ビルが建て込んでいるエリアが続くので、すぐにのどかな景色に変わるパリ郊外というものに、驚かされるのです。

 そんな途中の駅では、ほぼほぼ降りることはないのですが、人の量も警備の人数もパリとは全然、違います。

 今回のRER C線での暴行事件は、この拡散された動画に出ている時間を見ると、夜の8時半頃でしたが、若いブラジル人の女性が暴行被害を受けているところに、近くに居合わせた乗客の女性が介入して、被害者を救い、それだけではなく、諦めて去っていく犯人を動画撮影していました。

 たまたま近くに居合わせたのが女性だったのかもしれませんが、そこが男性ではなく女性だったということにもスゴイな・・私だったら、同じようにできただろうか?と思ってしまいます。

 この勇敢な女性は、この被害者女性が被害届を出すのを手助けして、一緒に動画を警察にも渡していました。

 被害者の女性は、唇を噛まれ、引っ掻かれ、殴られ、性的暴行を受けたと被害の様子を語っています。

 そこに割って入っていくのは大変なことですが、結果的には、また別の女性がこの様子を見つけて悲鳴をあげたことで、この男は暴行を諦めて、動画をとっていることについて、脅迫しながら、逃げていきます。

 なんと勇敢な女性なんだろうか!と感服しますが、この勇敢な女性は、「何もしないで見過ごすという選択肢はなかった」とインタビューに答えています。

 なんと、この映像のおかげで、数日後、男は逮捕されました。犯人は、26歳でエジプト国籍を名乗っているということです。

 現在は、この男、警察に拘束されていますが、他にも余罪があると見られており、この人物の他の被害者についても捜査が進められているそうです。

 内務省によれば、公共交通機関における性的暴行は2016年と比較して86%増加しており、特にイル・ド・フランス地域では、性的暴行の加害者における外国人の割合が極めて高く、2024年に記録された性的暴行の62%は外国人によるものであったと言われています。

 友人に、「パリは別に、そこまで危なくないよ・・」と言った言葉、撤回しなければなりません。必ずしも、こんな勇敢な女性がどこにでもいるわけではないですから・・。


RER C線の暴行被害 救世主は女性乗客


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2025年10月25日土曜日

ガレージに5年間監禁されていた45歳の女性 加害者は・・

  


 ときに、こんなことってあり得るの?と思うような犯罪というものが起こるものですが、まさに、今回の事件は、そんな事件のひとつだったのではないか?と思います。

 事件は、サン・モルフ(ロワール・アトランティック県)で発生しており、ナント検察庁は、2名の容疑者を「拷問ならびに蛮行を伴う誘拐」の罪で起訴しました。

 被告らは、40歳の女性を自宅のガレージに監禁し、劣悪な生活環境を強いるとともに、彼女の金銭と社会保障給付金を横領したとして告発されています。

 また、さらに驚きなのは、この被告人たちが、60歳の介護士とそのパートナー(82歳)の二人という決して若くないというか男性にいたっては、はっきりいって、高齢者だということです。

 ナント地方検事局によると、被害者は、「当初は、女性とアパートで暮らしていたが、その後、庭のテントに泊められ、男性が家に住み始めた瞬間から庭のガレージに閉じ込められていた」と証言しています。

 事件現場となっていた家に住んでいた男性(容疑者の一人)は、「彼女がガレージにいるのは知っていたが、彼女とは全く話をしたことはない。今となっては、深刻な事態だったと理解している」とマスコミの取材に対して答えています。

 「今となっては・・」と、言えるのかどうか・・なんといっても被害者が監禁されていたのは、5年間という決して短くない期間です。

 彼の証言によれば、彼の同居人である女性と被害者の女性は、主従関係にあり、二人は喧嘩になり、それがエスカレートしてしまったとのこと。しかし、5年間の監禁とはやはり常軌を逸しています。

 被害者の女性は、捜査官に対し、「普段はガレージで生活し、ガレージの中にあるデッキチェアで寝て、鍋とビニール袋で排泄し、食器用洗剤が混ざったお粥のようなものを食べていた」、「時折、庭に出ることができたものの、時には、一日中、雨や寒さの中にいることもあった」、「恒久的に暴力を受けていた」と証言しています。

 時折、庭に出ることができた時以外は、ガレージのドアは外側からコンクリートブロックで塞がれていたといいます。

 裁判所は被告人2人が被害者の金銭と社会補償金を横領した疑いについても言及しています。検察の捜査によれば、2022年以降、「被害者の生活の痕跡は残されていない」とされ、彼女の銀行口座は、彼女の生活が突然、混乱したことを示しており、最後の彼女の銀行取引履歴は、被告人への送金が最後になっている事実を確認しています。

 彼女自身は特別な監視下にあったわけではなく、もはや携帯電話の契約も切れていたために、事務手続上、彼女は失踪した人物とみなされていました。

 10月半ばの夜、監禁されていた女性は、監視の隙をついて、屋外の囲いから逃げ出し、隣家の家のドアをノックして助けを求めました。その時の彼女はほとんど裸の状態で、低体温症で非常に弱った状態だったそうです。

 5年間、劣悪な環境で監禁されていた彼女は、虐待を受け続け、身体は漂白剤で洗われ、食事には、食器用洗剤や混入され、薬物を投与され、体重が50㎏も減少していたと言われています。

 隣人に助けを求めた時の彼女は、錯乱状態だったそうです。

 しかし、なぜ?こんなことが起き得るのか?監禁された当初は40歳であった女性も今では45歳。とはいえ、相手は、あまり若くない相手、体力的には、彼らよりも勝っていただろうに・・逃れるチャンスもあったのでは?とも思われますが、詳しい状況は不明です。

 異常なことに、この加害者の方は、事態の深刻性をあまり認識していなかった様子というのですから、さらに異様な話です。


ガレージに5年間監禁されていた女性


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