2025年6月23日月曜日

安定剤と睡眠剤

  


 私のかかりつけのお医者さんは、比較的、どんどん薬を処方してくれる人で、まあ、もう付き合いも長く、症状等を説明すれば、まず、その症状の原因を明らかにするために必用な検査をするように指示してくれて、その結果を持っていくと、その結果にあった診断をくだしてくれて、必用に応じて薬を処方してくれて、検査の結果によっては、薬の量を増やしたり、減らしたりしてくれます。

 概ね、彼女の診断は正確で正しいものであると思うし、信頼しているので問題はないと思っているのですが、もう長年にわたっているので、薬の種類や数はいつのまにか、けっこうな量になっているのです。

 まあ、それだけ、身体もガタがきているということなので、仕方ないといえば、仕方ないし、基本的には必要なものなのだとは思います。

 ただ、もう少し、例えば、食事について、こういうものを食べたほうが良いとか、こういうものは控えた方が良いとか、薬以外のもので、もう少しなんとかならないか?と思い、一度、彼女にも食事療法について聞いたことがあったのですが、それでは、効果は知れているから・・と、あっさり却下されてからは、自分で調べて、食事内容には気を付けるようにはしています。

 もっとも、私の食事は、日本食も多く、必ずしもふつうのフランス人が食べているようなものばかりを食べているわけではないので、やっぱり自分で工夫するしかないのかもしれません。

 そんな中、今、一番、気になっているのは、安定剤と睡眠剤です。

 そもそも、私が安定剤や睡眠剤を飲むようになったのは、夫が突然、亡くなってからのことで、その時は、本当に眠れないし、食べられないし、精神的にも極度に参っていたので、それまでは、安定剤や睡眠剤というものは、抵抗があって、飲んだことがなかったのですが、あの時は、ずいぶん、これらの薬に救われました。

 それでも、あんまり続けて飲み続けるのはよくないと思い、いつかはやめた方がいいとは思っていたのですが、どちらかというと、主治医は、「ムリしてやめなくてもいい・・」と、わりと寛容な感じでずっと、その習慣は続いてきていました。

 安定剤や睡眠剤に関しては、その頃に比べたら、量は減ったのですが、当時は、今、飲んだら、速攻で気を失いそうな量の薬を飲んで、やっと落ち着く感じだったので、精神状態と薬ってすごいもんだな・・と思います。

 最近では、睡眠剤はよほどの時だけで、寝る前に安定剤を飲んで寝るという感じが続いていました。

 ここのところ、睡眠に関わる病気になってからは、この睡眠に対して、わりと神経質になっていて、もしかして、この安定剤や睡眠剤もできたら、やめたほうがいいかも?と思い始め、現在は、これらの薬をやめています。

 しかし、フランスでは、意外とこの安定剤や睡眠剤を比較的、安易に処方してくれやすいようで、もちろん、医者の処方箋がないと買えないのですが、お医者さんの方もそれらを処方するのは、比較的、簡単に処方してくれる傾向にある気もします。

 もっとも、これは、お医者さんにもよるようで、私の友人に、お医者さんにちょっと頼みづらくて・・という人がいたので、もうここのところ、処方してもらってはいるものの、飲んでいない分の薬がたまっているので、ついこの間、ひと箱ずつあげたばかりです。

 だからといって、眠れないのは、しんどいことで、ちゃんと眠れなかった翌日はたちまち具合が悪くなるので、つくづく睡眠って大事だなぁと思っています。

 生前、母が「上手く眠れないと翌日、一日、体調が悪くなっちゃう・・」などと言っていたのを最近、よく思い出します。あの時は、母が言っていたことを大したことだと思わず、全然、わかっていなかったのですが、今なら、本当によくわかります。

 母がいたら・・体調面のそんなことを色々、話したかったな・・と思う今日この頃なのです。


安定剤 睡眠剤


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2025年6月22日日曜日

一人暮らしの秘密の喜び

  


 もう暑くて暑くて、もうバテバテで、土曜日には、今月最高の暑さになると、36℃になる見込みと予報が出ていて、もう今度こそは、家から出ずに家にいようと籠っていようと思った日の前日の夜、その日も汗をかいて、けっこう洗濯物もたまっていたので、夜のうちに洗濯をしてしまおう・・きっとすぐ乾くだろう・・と、家中から洗濯物をかき集め、その時に着ていた洋服まで全部、洗濯機に入れてしまいました。

 ここが一人暮らしの気楽なところで、私が洗濯機の前で着ているものを全部、脱ぎ捨てて洗濯機に入れてしまって、裸でいても、誰の目を気にする必用もなく、夜になってもけっこう暑かったので、そのままフラフラして、洗濯の終わるのを待っていました。

 またすぐに洋服を着ても、すぐに汗をかきそうだったので、なんだかそれも癪な気がして、なんなら、洗濯の終わったばかりのものをまだ乾いていない状態で着るのも涼しいかとも思ったのですが、せっかく洗濯したものをまた、汚すのもな~と思い、その日の夜は、どうせ暑いし、そのまま何も着ずに寝ることにしたのです。

 何も着ることなく横になるベッドは、殊の外、快適で心地よく、夜中に目が覚めることもなく、その日はぐっすりと眠れました。

 朝、裸のまま目覚めて、今日は暑いんだし、外にも出かけないのだから、なんなら、このままでいてみようかな?と思って、その日、一日は、何も着ることなく一日中、過ごしました。

 これが思いのほか快適で、なんだか、気分的にもとっても自由で開放的な気分で、どうして、今まで私は、服を着て(といっても家にいるときは部屋着ですが・・)いたんだろうか?とこれまでずいぶん、損してきたような気にさえなるのでした。

 考えてみれば、家はアパートの上階の方なので、外から家の中も見えるわけではなく、誰が来るわけでもなく、一人暮らしだったらば、全然、今までもOKだったわけです。

 とても他人に見せられる姿ではありませんが、自分がこんなことでとっても自由でこれぞ一人暮らしの醍醐味!とばかりに幸せと開放感を楽しめるのは、今まで想像したこともないことでした。

 その日、気温はやはり35℃を超え、とても暑かったのですが、なぜか、そんな些細な事で私はとっても満たされた気分でした。

 そんな時、日本にいる娘から電話がかかってきて、おしゃべりしていたところ、「実はね・・ママ、今、何にも着てないんだ~昨日の夜から・・家の中で裸でいるって凄く快適で幸せなんだ・・」と、そんな、しょーもないことを娘に話したら、娘が「私も家の中では、同じだよ・・」と。

 そういえば、娘も一人暮らしといえば、一人暮らし・・むこうは一軒家とはいえ、条件としては、ほぼ一緒です。

 しかし、母娘して、同じことしてるなんて、なんて母娘なんだ・・と、なんだか苦笑するしかありませんでした。


一人暮らし


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2025年6月21日土曜日

フランスのガラス瓶に入った飲み物にはペットボトルに入った飲み物よりも多くのマイクロプラスチックが含まれている

  


 ANSES(国立食品・環境・労働衛生安全庁)が発表した研究によると、ガラス瓶で販売されているビール、ソーダ、アイスティー、ワイン、水などの飲み物には、プラスチックボトルのものよりも多くのマイクロプラスチックが含まれていることが判明し、なかなか衝撃を受けています。

 これだけペットボトルが幅を利かせる世の中になってもなお、ガラス瓶の飲み物を買う人は、むしろ、このマイクロプラスチックの含有量が瓶のものの方が少ないと信じて、買っている人も少なくないと思うので、これは意外な話です。

 これは、金属キャップをコーティングする塗料による汚染である可能性が高いものと見られています。

 この研究は、ANSES(国立食品・環境・労働衛生安全庁)とオー・ド・フランス地域圏が共同出資した論文の一環として実施されたもので、5月中旬に専門誌「Journal of Food Composition and Analysis」に掲載されています。

 ANSESのサイトにも概要が説明されています。

 この研究プロジェクトの目的は、フランスで販売されているさまざまな種類の飲み物に含まれているマイクロプラスチックの量を調査し、さまざまな容器がマイクロプラスチック含有量にどのような影響を与えるのかを調査することだったそうですが、実際に研究者にとっても、これは意外な結果だったようです。

 調査結果によると、コーラ、レモネード、アイスティー、ビールなどのガラス瓶には1リットルあたり、平均約100個のマイクロプラスチック粒子が含まれていることが判明し、汚染レベルは、ペットボトルや缶の約5倍から50倍にのぼっています。

 水の場合(ミネラルウォーターか天然水を問わず)、マイクロプラスチックの量は容器の種類にかかわらず、比較的少なく、ガラス瓶では、1リットルあたり平均約4.5個、ペットボトルや紙パックでは、約1.6個であることがわかっていますが、一方、コーラには、約30個、レモネードには約40個、ビールには、約80個のマイクロプラスチックが含まれていたといいます。

 これを発表したANSESは、毒性データがないため、発見されたマイクロプラスチックの量が健康にリスクをもたらすかどうかを判断することは不可能だとしていますが、そこが肝心なところでは??・・と思ってしまいます。

 しかし、不幸中の幸いというか、これが金属キャップの塗料によるものと原因がわかっているため、メーカーは今後、改善して対応することができるのだろうとは思います。

 個人的には、瓶の飲み物というものを今ではほとんど飲まないどころか、ペットボトルでさえも、日常的には、たまに水を買う程度で、ほとんど買いません。

 以前はワインなどのアルコール類はさすがに瓶でしたが、最近はそれさえも飲まなくなってしまいました。

 よって、瓶のものもペットボトルのものも、あまり飲まないのですが、レストランなどに行った場合はペットボトルのものが出てくるということはないので、水でもなんでも大抵、瓶。瓶の方がなんとなく高級感がありますね。

 しかし、こっちの方が健康に良いと思って信じて選んでいるものが、実は、そうではなかったという例は、けっこうあるのかもしれません。

 

ガラス瓶の中のマイクロプラスチック


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2025年6月20日金曜日

6月の異様な暑さと食中毒 溶血性尿毒症

  


 今週のパリは晴天は嬉しいながら、30℃を超える暑さが続いていて、正直、バテ気味です。

 雨ばかり降っている日が続くと、もう多少、暑くてもいいから、とにかく晴れてほしいなどと思うのに、いざ本当にピーカンの晴天で30℃超えとなると、またぶつくさ言い出すのは、勝手な話ですが、正直、へばっています。

 それでも、街路樹のある場所などは、街路樹のおかげで大きな日陰になってくれるので、本当に助かるのですが、それもまるでない街中に出ると、もうグッタリです。

 30℃くらい・・と思われるかもしれませんが、パリは日本と違って、どこもかしこも冷房が完備しているわけではありません。それでも、店舗や商業施設などは、さすがに冷房のないところは、ほとんどなくなりましたが、公共交通機関、特にバスは、悲惨で、ここ数日、私は毎日バスに乗っていますが、一度も冷房車にあたっていません。

 オリンピック前は、あんなにきれいなバスが増えていたのに、どうなっちゃったの?と思うのですが、この暑さで冷房なし、時には、車内のパネルが外れていて、エンジンの熱風が車内に入ってきていたりすることもあったので、これはもう地獄・・狭い空間に人は密集しているし、冷房のないバスの車内は、外よりも気温が高いのではないかと思います。

 暑さのせいかどうかは、わかりませんが、エーヌ県(オー・ド・フランス地域圏)のサン・カンタンでは、子どもの食中毒が多発し、12歳の少女が死亡しています。

 これは、同地域で同症状を呈する1歳から12歳までの8人の子どもが重度の消化器症状を訴えて入院、粘液性下痢と血清下痢の治療を受けています。

 このうち5人の子どもは、「急性腎不全を特徴とする合併症である溶血性尿毒症候群(HUS)」と診断されています。この溶血性尿毒症・・といえば、たしか、ブイトーニの冷凍ピザの食中毒事件のときと同じ病名です。

 フランス公衆衛生局とオー・ド・フランス県農業研究局は、汚染源を特定するために調査を開始していますが、現在のところ、原因は究明されていません。

 今回の食中毒にかかった子どもたちには、同地域に住んでいるというだけで、共通項が少なく、同じ学校に通っているわけでもなく、よって同じキャンティーンで食事をしているわけでもなく、中には学校に行っていない小さい子どももいるのです。

 また、彼らの両親も同じ店で買い物をしていません。

 水道水やプールの水の検査も行っていますが、異常は認められていません。

 この溶血性尿毒症(HUS)は、まれな感染症で、ほとんどが食品媒介性なので、原因は特定しやすいかとも思えるのですが、まだ特定されていない分だけ不気味です。

 しかも、まあ食中毒くらい・・と比較的軽く見る向きもなきにしもあらずのところ、子どもの場合は命に関わることもあり、実際に1名が死亡してしまったとなると大騒ぎです。

 実は、私も昨夜、なんか、胃が痛くて重くて、気分が悪くて、早めに寝たら、夜中に吐き気がして目が覚めてしまい、トイレに駆け込み嘔吐してしまいました。

 ただし、私の場合は、下痢などの症状はなく、そのあと、寝たら、スッキリ治ってしまったので、大したことはありません。しかし、夜中に吐き気で目が覚めるなどということは初めてだったので、ちょっと焦りました。

 暑くて体力が落ちているところをなんらかの食中毒に感染したら、特に子どもは、一気にやられてしまうこともあり得るのです。

 この重篤な中毒は、「極度の疲労、顔色の蒼白、排尿量の大幅な減少、尿の色の濃さなどの症状」として現れるそうなので、兆候が見られる方は充分に注意してください。


食中毒 溶血性尿毒症(HUS)


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2025年6月19日木曜日

フランスは再び世界で3番目に億万長者の多い国になった

  


 億万長者・・とは、なんとも、もうちょっと他に言いようはないのか?と感じる言葉ではありますが、とにかく超お金持ち・・超富裕層とでも言ったらいいでしょうか?

 スイスの銀行UBSの最新の世界富裕層レポートによると、「フランスは日本、ドイツ、イギリスを上回り、フランスは世界で3番目に億万長者の多い国となった」のだそうです。

 まったくこういう人々とは縁のない私には、「えっ?どこどこ?そんな人、一体、どこにいるの?」と思ってしまうのですが、いるところにはいるのでしょう。

 フランスの億万長者の数は289万人強だそうで、昨年に比べて2万人ほど増加したようです。

 もっとも世界の億万長者は、6,000万人と言われており、そのうちの40%はアメリカなんだそうで、アメリカに次ぐのは中国(630万人)、そしてフランスがトップ3とのこと。

 この上位3つの国でもそれぞれ、かなりの差があります。

 不景気な話ばかり流れてくる日本は、それでも4位(270万人)なのだそうで、5位はドイツ(260万人)です。

 もっとも、日本やドイツなどは、4位、5位の座を保ちつつも、それぞれー1.5%、ー0.5%この億万長者の数は減少しているのだそうです。

 一方、この数が上昇している国も見られ、なかでもトルコは8.4%増、アラブ首長国連邦5.8%増、インド4.4%増と現在の絶対数は多くないながらも、これだけ増加しているというだけでも、明るい見通しな気がします。

 とはいえ、社会全体を見れば、億万長者が増えているとはいえ、あまり豊かになっている気がしないのが現実です。

 これが、フランスに関して言えば、一人あたりの平均資産額となると、ベスト5どころか、16位まで転落してしまいます。ということは、億万長者はいても、国全体の経済状態が良いということにはならないということになります。

 一人あたりの平均資産額のトップはスイスだそうで、次いでアメリカ、香港、ルクセンブルクが続きます。

 しかし、私などが言うと、負け惜しみでしかないかもしれませんが、お金は困らない程度にそこそこあれば充分で、お金では買えない幸せが何より・・などと思っているのです。


フランス億万長者数 世界第3位


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2025年6月18日水曜日

また起こってしまったタカタのエアバッグの死亡事故

 


 マルヌ県ランスでシトロエンC3のタカタ製のエアバッグが爆発し、37歳の母親が死亡、同乗していた13歳の少女が負傷しました。

 タカタのエアバッグについては、もうここ数年、その欠陥が指摘され、リコール対象となっており、シトロエンだけでなく、多くの自動車メーカーは車種により、エアバッグ交換や運転停止などの通知をしてきたはずでしたが、このシトロエンに関しては、ただちに運転を中止するように勧告されていたのは、2008年から2013年に登録された旧型車までで、今回のエアバッグの死亡事故が起こったのは、2014年の車であったそうで、2014年から2019年の間の対象車両所有者には、一応の連絡はしていたと言われていますが、運転中止義務とはされていなかったそうで、しかも、今回の犠牲者には、この通知(シトロエンC3のエアバッグを交換するよう通知する手紙)でさえも届いていなかったそうで、不運が重なった感じもあります。

 この女性は、ランスの高速道路を運転中、大型貨物車に追突され、車はコンクリートの壁に衝突し、道路の反対側で停止。その際にエアバッグが作動し、女性は車の外に放り出され、道路上で発見されたといいます。

 彼女は病院に搬送されましたが、その後、死亡。被害者の咽頭部から金属片が見つかり、原因はエアバッグであったことが確定したと発表されています。

 これまでのこのエアバッグの事故から、このエアバッグは、時間の経過、湿度、熱によって劣化するガスによって、爆発することがわかっていましたが、これまでは、そのとおりに高温多湿の地域での事故の発生がほとんどで、今回のようにフランス北部での事故というのは、初めてのことなのだそうです。

 とはいえ、最近は、南部・北部関係なしに温暖化の影響で、今月もパリでさえも、まだ6月だというのに30℃超えの日が続いており、北部でさえも気温が低いとは限らなくなっています。

 しかし、フランスでの、このタカタのエアバッグの欠陥問題、リコールについては、もう数年にわたり、騒動になっているというのに、まだ知らない人がいたのかと思うと、シトロエンは、とりあえず、この危険の通知が充分に出来ていなかったという面においては、罪深いことです。

 今回の事故を受けて、運輸相は、該当車であるシトロエンC3とDS3の稼働停止を求めています。また、これまの2008年から2013年に登録された旧型車という限定であったものをシトロエンC3とDS3の全車両に拡大しています。

 しかし、当のタカタ社に関しては、すでに倒産してしまっているので、もうこれ以上、タカタに責任追及はできないことと思いますが、もうすでにこのエアバッグに問題があることは、確定しているので、それを搭載している車を販売している自動車メーカーは、少なくとも徹底して該当車を所有しているユーザーに通知する義務があります。

 車の追突事故などの際の衝撃から運転手を守るはずのエアバッグが衝撃により、爆発して運転手が車から放り出されて死亡してしまうとは、恐ろしいばかり。

 そもそも大型車に追突された時点で不運としかいいようがありませんが、それに加えてエアバッグが爆発するとは、もう目も当てられない事態。同乗していた娘の命は助かったとはいえ、この事故により、自分の目の前で母親を失ってしまったのですから、大変にショッキングなことであったに違いありません。

 

タカタ エアバッグ死亡事故


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2025年6月17日火曜日

コマーシャルセンター内の公衆トイレで・・

  


 パリのトイレ事情は、日本に比べると恵まれているとはいえない状態なので、できるだけ外でトイレに行かなくても済むようにしているのですが、時折、やむを得ない状況に追い込まれた時には、仕方なく公衆トイレに駆け込むこともあります。

 日本では信じられないことかもしれませんが、公衆トイレの場合などは、便座がついていないトイレもけっこうあるので、潔癖症の方には(そうでなくても)、かなり厳しいかもしれないので、覚悟が必用かもしれません。

 とはいえ、外出中のトイレ問題は差し迫った状況下になれば、もうそんなことも言っていられず、もう頭が真っ白の状態になって、トイレを探し回ることになります。あの緊迫感たるや、ちょっと、なかなか他にはない独特な瞬間です。

 よく出かける場所ならば、このあたりなら、ここのトイレ・・と、だいたいのトイレの場所はチェックしてあります。

 その点、コマーシャルセンターなどは、まあまあ、センター内にトイレは数ヶ所あることが多いので、そんなに心配はありません。

 先日、あるコマーシャルセンターに買物に行った際、そこのトイレは、まあまあ許容範囲内に入る程度のトイレなのは知っていたので、あまり躊躇なしにトイレに行ったのですが、そこで繰り広げられていた光景には、ちょっとショックを受けました。

 なんだか、荷物の多い小さな子ども2人を連れたオリエンタルな容貌の女性がいたのですが、いくつかトイレが並ぶ中の車椅子が入れる少し大きめのトイレを占領していて、ドアは開け放ったままなのですが、その中に全裸の少女(3~4歳くらい)が二人。暑いので、薄着とかいうレベルではなく、一糸まとわぬ姿・・扉も閉めない状態で真っ裸の子どもとおかあさん。

 さすがにトイレとはいえ、真っ裸の子どもがいたら、ちょっとギョッとします。どうやら、おかあさんは、子どもに行水?させていたというか?子どもの身体を洗っていたみたいなのですが、なかなか衝撃的な光景。しかも、その子どもたちの表情がなんとも言えない顔つきをしていて、とても複雑な気持ちになりました。

 なんというか、悲しそうでもあり、無表情でもあるような・・独特の顔つきでした。

 子どもを連れたホームレスなのか?難民なのか?わかりませんが、あまり、そういう人々がいる地域でもなく、ここには、時々、行くことがありますが、こんな光景に遭遇したのは初めてでした。

 平日の午後の時間で、その年ごろの子どもはふつうなら学校に行っている時間。こんな生活をしている子どもは、どんな人に育つのだろうか?と、ものすごくモヤモヤした気持ちになりました。

 蛇足になりますが、パリでトイレを探す場合、比較的大きな良いホテルのラウンジに近いトイレなら間違いないし、カフェや飲食店などにあるトイレは、まあまあ大丈夫なことが多いです。

 先日、サンラザール駅にある有料トイレに入ったら、カードでピッと払えて(1ユーロ)便利で、わりかしきれいでした。


パリの公衆トイレ


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